瀬戸内寂聴著
全5巻です。
昔、「あさきゆめみし」というマンガを読みましたが、あのマンガよく描けてます。
「あさきゆめみし」のお陰で筋書きは大体わかっていたので、
この本を読んだとき、より深く女性達の感情に注目しながら読む事ができました。
それにしても、光源氏という男は最低の男です
今の価値観で言うなら・・・ですが。
いったい、あんな男のどこがいいのか。。。
顔と家柄が良いのだけが取柄で、
単なるマザコンで単なる女ったらし、誠実さのかけらもない男です。
と、現代に生きる女の私としては思ってしまうのです。
それでも、全巻面白く読めたのは、この本が女性目線からの回想で綴られていたからです。
他の源氏物語を読んだ事がないので、よくわかりませんが、
この本は女性達が様々な出来事を語っていき話が進んでいきます。
なので、光源氏がいかに素晴らしい男であるかという事が語られる反面、
「でも、よくよく考えるとひどい男だわ。」という想いが随所に現れてます。
そういうところが、読んでて面白かったです。
それにしてもこの時代の女性は悲しいです。
無理矢理、手篭めにされたあげくその男に冷たくすると、
「あなたはなんと冷たい人だ」と言われてしまうんです。
どーいうこっちゃ???
そんな男のする事が万事ゆるされていた時代でも強く生きる女性達は素敵です。
最終的には、女は強し!でしょうか。
時代は変わっても、女性におすすめの恋愛小説ではないでしょうか。
こんなに何百年も読み継がれる本を書いた紫式部さんは、すごい作家さんです