サイドボードの上のガラスビンには、睡眠薬。
全部取り出して数えたことはないから分からないけど、たぶん300錠くらい。
病院で「効かない」と繰り返して、強いのを処方してもらった。
ペンケースの中には、新しいカッターナイフ。
工作で使うような顔して、近所の文房具屋さんで平然と買ってきた。
「ハルちゃん……」
後を追いたくなるのはいつものことで。
でもそのたびに誰かが寸前で私の手を止める。
あの夜、涙腺が壊れるほど泣いたのに、まだ涙は涸れていない。
苦しいのに笑って名前を呼んでくれた彼の声が、まだ耳に残ってる。
――すず、すずね、鈴音。
もう二度と聞こえない声が、死へ向かう私の手を狂わせる。
――――――――――――――――――――――
鈴音はハルちゃんに相当依存していたようです。
全部取り出して数えたことはないから分からないけど、たぶん300錠くらい。
病院で「効かない」と繰り返して、強いのを処方してもらった。
ペンケースの中には、新しいカッターナイフ。
工作で使うような顔して、近所の文房具屋さんで平然と買ってきた。
「ハルちゃん……」
後を追いたくなるのはいつものことで。
でもそのたびに誰かが寸前で私の手を止める。
あの夜、涙腺が壊れるほど泣いたのに、まだ涙は涸れていない。
苦しいのに笑って名前を呼んでくれた彼の声が、まだ耳に残ってる。
――すず、すずね、鈴音。
もう二度と聞こえない声が、死へ向かう私の手を狂わせる。
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鈴音はハルちゃんに相当依存していたようです。