◇名字:
字を名乗ること。
※主に公称すること。
名字とは、本来は、氏や姓、苗字などとは異なり、それらを名乗る「行為」を指す言葉であった。
※江戸時代、庶民の名字は許されていないため、私称において、字と名の間に「の」をはさむことで名字ではないことを表した。
また、武家の子であっても、元服するまでは、名字帯刀を許されない。
◆字(あざな):
個人または家族を表す通称
主に個人を特定する
※奈良時代には、庶民の96%が字を有していたといわれ、一世帯あたりの平均は1.6個となり、夫婦別字であったことが推測される。
◆苗字:
名字(公称)を許された字のこと。
※主に朝廷や幕府、または藩などから名字を許可された字のことをいう。
※武家とは、幕府や藩、または朝廷に仕え、武士の身分が明らかである家(一族)を指し、いわゆる浪人は、どんなに血筋や家柄がはっきりしていても、あくまで自称「武士」であり、日常の苗字帯刀は非合法であった。
◆氏:
血族集団を表す。
※古代において、主に朝廷が認めたもの。
※江戸時代までは武家以上は夫婦別氏であった。
◆姓(姓尸):
血統または先祖を表し、本姓ともいう。
※朝廷から下賜されたもので、本来は皇籍離脱に伴うものであったが、中世以降は、主に有力な武家において、血統の正当性、または格式を表すものして用いられるようになったため、豊臣秀吉に代表されるように、養子縁組や姻戚関係を結ぶことによって、姓尸を得たケースも少なくなかった。
※江戸幕府の記録では、旗本でも本姓を持たない家は少なくなかった。
◇名(仮名):
通称
◇諱(いみな):
本名
※親またはかなり目上の者以外が諱で呼ぶことは無礼。
※女性の諱は隠されることが多かった。
◆名前:
名の前、氏または字(苗字)と名(仮名)を組み合わせ、個人を特定するもの。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
■1871(明治4)年
『戸籍法』
『姓尸不称令』
※「藤原」「源」「平」「橘」の4種で96%を占めたため廃止
■1872(明治5)年
『壬申戸籍』調査
【人口】33,110,825
平民 30,837,271(93%)
※平民の戸籍に記載されたのは苗字ではなく、個人を特定するために、筆頭者の字が備考的に記載された。
■1875(明治8)年
『平民苗字必称義務令』
※平民の戸籍登録において、それまでの備考的に記載された字(私称)から、正式の苗字を登録することになったが、字とは異なる苗字を登録したり、夫婦が同じ苗字を登録する例も多かった。
■1876年
『太政官令』
※江戸時代の武家に倣い夫婦別苗字とする。
■1890年
『旧民法』
夫婦同氏、妻は夫の氏を用いると定めた。
■1898年
改正『旧民法』
「戸主および家族はその家の氏を称す」と定めた。
※夫婦同氏、家族同氏が定められるまでは、夫婦は別氏、別苗字であるから、身分に関わらず、墓は基本的に個人の墓であり、現在のように「○○家の墓」が作られるようになったのは、家族同氏が定められた後のことである。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
現代の苗字
『日本苗字大辞典』(1997)によると、現在の日本の苗字は291,129種で、上位7,000種で、人口の96%を占める。
上位7,000種は、上位の苗字ほど、1875(明治8)年の平民苗字必称義務令によって、それまで名字を許されていなかった人口の90%以上を占める平民が、各地で同じ苗字を戸籍登録したことで急増したものが多いとされる。
短期間で戸籍登録する苗字を決めなければならなくなり、また、制度自体が混乱していたこともあり、当時、苗字ビジネス的なものが生まれ、全国で同じ苗字の偽系図や由緒書きが大量に出回ったといわれる。
中世以前に発祥したとされる苗字は、181,570種あるが、特に武家において、相続または拝領した所領の地名を苗字とすることが多かったため、異なる地域で同じ苗字が発祥した例は少なくない。
これはあくまで苗字で、血族集団を表す氏ではないということに注意する必要がある。
古代において、血族集団を表す氏は、極めて重要な意味を持っていた。
例えば、藤原氏の一門という場合、血縁の有無に関わらず、当主との主従関係がある者を指し、当主との血縁のある者の氏は、あくまで藤原であり、佐藤や後藤などの苗字は、一門の中で、当主との血縁の無い者が名乗った苗字である。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
家紋
日本には、約20,000種の家紋があるが、庶民の名字が制限された江戸時代において、菊紋や葵紋など、一部を除けば、苗字のような規制や制限は無く、身分に関係無く自由に使えたため、先祖を特定する材料になるとは限らない。
字を名乗ること。
※主に公称すること。
名字とは、本来は、氏や姓、苗字などとは異なり、それらを名乗る「行為」を指す言葉であった。
※江戸時代、庶民の名字は許されていないため、私称において、字と名の間に「の」をはさむことで名字ではないことを表した。
また、武家の子であっても、元服するまでは、名字帯刀を許されない。
◆字(あざな):
個人または家族を表す通称
主に個人を特定する
※奈良時代には、庶民の96%が字を有していたといわれ、一世帯あたりの平均は1.6個となり、夫婦別字であったことが推測される。
◆苗字:
名字(公称)を許された字のこと。
※主に朝廷や幕府、または藩などから名字を許可された字のことをいう。
※武家とは、幕府や藩、または朝廷に仕え、武士の身分が明らかである家(一族)を指し、いわゆる浪人は、どんなに血筋や家柄がはっきりしていても、あくまで自称「武士」であり、日常の苗字帯刀は非合法であった。
◆氏:
血族集団を表す。
※古代において、主に朝廷が認めたもの。
※江戸時代までは武家以上は夫婦別氏であった。
◆姓(姓尸):
血統または先祖を表し、本姓ともいう。
※朝廷から下賜されたもので、本来は皇籍離脱に伴うものであったが、中世以降は、主に有力な武家において、血統の正当性、または格式を表すものして用いられるようになったため、豊臣秀吉に代表されるように、養子縁組や姻戚関係を結ぶことによって、姓尸を得たケースも少なくなかった。
※江戸幕府の記録では、旗本でも本姓を持たない家は少なくなかった。
◇名(仮名):
通称
◇諱(いみな):
本名
※親またはかなり目上の者以外が諱で呼ぶことは無礼。
※女性の諱は隠されることが多かった。
◆名前:
名の前、氏または字(苗字)と名(仮名)を組み合わせ、個人を特定するもの。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
■1871(明治4)年
『戸籍法』
『姓尸不称令』
※「藤原」「源」「平」「橘」の4種で96%を占めたため廃止
■1872(明治5)年
『壬申戸籍』調査
【人口】33,110,825
平民 30,837,271(93%)
※平民の戸籍に記載されたのは苗字ではなく、個人を特定するために、筆頭者の字が備考的に記載された。
■1875(明治8)年
『平民苗字必称義務令』
※平民の戸籍登録において、それまでの備考的に記載された字(私称)から、正式の苗字を登録することになったが、字とは異なる苗字を登録したり、夫婦が同じ苗字を登録する例も多かった。
■1876年
『太政官令』
※江戸時代の武家に倣い夫婦別苗字とする。
■1890年
『旧民法』
夫婦同氏、妻は夫の氏を用いると定めた。
■1898年
改正『旧民法』
「戸主および家族はその家の氏を称す」と定めた。
※夫婦同氏、家族同氏が定められるまでは、夫婦は別氏、別苗字であるから、身分に関わらず、墓は基本的に個人の墓であり、現在のように「○○家の墓」が作られるようになったのは、家族同氏が定められた後のことである。
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現代の苗字
『日本苗字大辞典』(1997)によると、現在の日本の苗字は291,129種で、上位7,000種で、人口の96%を占める。
上位7,000種は、上位の苗字ほど、1875(明治8)年の平民苗字必称義務令によって、それまで名字を許されていなかった人口の90%以上を占める平民が、各地で同じ苗字を戸籍登録したことで急増したものが多いとされる。
短期間で戸籍登録する苗字を決めなければならなくなり、また、制度自体が混乱していたこともあり、当時、苗字ビジネス的なものが生まれ、全国で同じ苗字の偽系図や由緒書きが大量に出回ったといわれる。
中世以前に発祥したとされる苗字は、181,570種あるが、特に武家において、相続または拝領した所領の地名を苗字とすることが多かったため、異なる地域で同じ苗字が発祥した例は少なくない。
これはあくまで苗字で、血族集団を表す氏ではないということに注意する必要がある。
古代において、血族集団を表す氏は、極めて重要な意味を持っていた。
例えば、藤原氏の一門という場合、血縁の有無に関わらず、当主との主従関係がある者を指し、当主との血縁のある者の氏は、あくまで藤原であり、佐藤や後藤などの苗字は、一門の中で、当主との血縁の無い者が名乗った苗字である。
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家紋
日本には、約20,000種の家紋があるが、庶民の名字が制限された江戸時代において、菊紋や葵紋など、一部を除けば、苗字のような規制や制限は無く、身分に関係無く自由に使えたため、先祖を特定する材料になるとは限らない。
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