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筑後國御原郡東郷山隈原

現:福岡県三井郡大刀洗町山隈の、いわゆる郷土史(的な…)

宮形(神社建築)様式

2014-05-01 00:00:00 | 宗教関連
神明造り

掘立柱に、二面の傾斜面からなる切妻造りで、平と呼ばれる傾斜面側を正面として入口を設ける平入

住吉造り

掘立柱に、二面の傾斜面からなる切妻造りで、妻と呼ばれる傾斜面と垂直の側を正面として入口を設ける妻入

大社造り

掘立柱に、二面の傾斜面からなる切妻造りで、妻と呼ばれる傾斜面と垂直の側を正面として入口を設ける妻入


※宮形(神棚)において、住吉造りと大社造りはほとんど同じ造りであるが、
実際の神社建築において、住吉造りの神殿が長方形であるのに対して、大社造りの神殿は正方形に近い。
また、神明造りや住吉造りの屋根の傾斜面が直線的であるのに対して、大社造りの屋根の傾斜は曲線的であるという違いがある。

補足
神棚用の神明灯籠について、参考画像の多くは、宮形に対して垂直、妻が正面になっている。
これは、実際の神社において、参拝者が拝殿に向かって立った時、その両側の神明灯籠の正面が参拝者に向くように設置されるのに倣っているからであるが、神棚用の神明灯籠の場合には、宮形と平行に、平が正面になるように設置するのが正しいともいわれる。

神棚

2014-04-01 00:00:00 | 宗教関連
■神棚
※神札(依代)、または神札を納めた宮形を祀るための棚(場所)

■宮形の種類

●神明造
※伊勢神宮系
●大社造
※出雲大社系
●住吉造
※住吉大社系

他にも、稲荷や天理などの様々な宮形があり、基本的には自家の氏神が属する系統の宮形を選ぶのが一般的で、設置場所に応じて、一社造りと三社造りのいずれか、また大きさを選ぶ。

画像は、中神明一社造り

■方角
南向きまたは東向きに、目線より高い位置に設置する。
※稀に、四季および土用に合わせて、方角を変える場合もある。


■神札(御札)
●天照皇大神宮(大麻)
※元々は皇祖神とされたが、現在は日本人の総氏神または日本の総鎮守とされる

●氏神(産土神・鎮守神)
※自家の氏神の御神札が無い場合、日本人の総氏神とされる天照皇大神宮の大麻が自家の氏神の神札を兼ねる。

※氏神
本来は、氏族において、祖先とされる神、または一族の守護神としての神格化された祖先(祖霊)を指すが、一般において、鎮守神や産土神のことを指し、氏子が祀る神という意味で氏神という。
神道では、人が死ぬということは、神の世界へ帰り、神になることとする考え方があり、全ての先祖が、一族の祖霊(守護神)としての氏神であるという考え方もある。
また、鎮守神または産土神を氏神、祖霊を年神(歳神)として祀る場合もある。

※鎮守神
住んでいる地域、またはその土地の守護神とされる。

※産土神
創造の神として、生まれ育った土地、あるいは衣食住に関わる守護神とされる。
また、結びの神として、人間関係の守護神ともされる。

※年神(歳神)
一般的には、正月に家を訪れる来方神をいい、その年の来方神が訪れる方角を恵方という。
神話では、稲荷として知られる倉稲魂神の子(御年神)または孫(若年神)を指し、穀物神あるいは収穫の神とされる。

また、家を守護する祖霊神を指し、庶民における年神は、氏族における氏神と同義とする説もある。
※年神は、本来は、正月と七月の年に二回訪れるが、七月は、江戸幕府の(宗門人別など仏教と結びついた)政策により、仏教行事の盂蘭盆(修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道、すなわち下道に堕ちた祖先を供養し、救うための仏教行事)と習合されたため、正月のみに訪れる神とされるようになった。

●万神(よろずのかみ)
※その他の崇敬する神を総称した呼び方。
日本の神道では、畏敬の対象を神とするから、あらゆるものが神となりうる存在である。

◆一社造りの場合、
前から、天照皇大神宮、氏神、万神の順に重ねて納める。
※春日大社系では逆になる。
◆三社造りの場合、
中央に天照皇大神宮、右に氏神、左に万神の神札を納める。


■神器
●御神鏡
※三種の神器のひとつで、天照皇大神宮の御神体を意味する。

■御神具(奉賽器)
神饌(神贄)を奉ずる器

◇平甕(ひらか)
※皿(洗米/御飯)
◇平甕(ひらか)
※皿(塩)

◇水玉(みずたま)
※水器(水)

◇瓶子(へいじ)
※(酒)×2
瓶子よりも、口を大きくして、酒を注ぎやすくしたものを徳利という。

◇榊立(さかきたて)
※(真榊)×2

真榊
一般的には榊の枝(本数は地域などによって異なる)を指す。
厳密には、五色布(または布帛)と三種神器(鏡・勾玉(右側)、剣(左側)を装飾し、御幣を意味するのが真榊で、玉串など、神事などで神様に奉納した榊を、お下がりとして持ち帰って、それを自宅の神棚にお祀りするもの。
日常的には、「招霊木(おがたまのき(黄心樹))」を用いるのがよいとする説もあり、若松や荒神松を用いる場合もあるから、榊立ではなく枝挿ということもある。

◇燈籠×2
※画像は神明燈籠
神明燈籠の向きは、配置する場所によって変わる。
実際の神社の場合、参道では、燈籠の屋根が本殿と平行になるように設置され、本殿の前では、本殿と直角に設置され、基本的には参拝者に屋根が向くように設置されているため、神社の配置に倣って、神棚と直角に設置されている場合が多い。

◇灯明(蝋燭)×2
※篝火(かがりび)

本来、燈籠は常に点灯しておくもので、灯明(篝火)は、神事または参拝時に点灯するものと区別する。

◇雲板・雲文字

◇鳥居
人々の住む地上の葦原中国と天津神の住む天上の高天原を結ぶ神使(鳥)が住む(居る)場所という意味で、その形は、楼門を略したものといわれる。

◇注連縄
※注連縄の型は様々あり、向きも異なる場合があるから、自家の氏神を参考にするとよい。
※また、祀られる神によって、右綯いは女神用、左綯いは男神用と区別される場合もある。

境界に用いられる注連縄は、右綯いの注連縄は神域(聖域)を示し、左綯いの注連縄は荒神などを封じた場所を示し、いずれにしても不用意に立ち入らない方がよい場所を示すとされる。


神道とは、畏敬の対象を神として、神への敬意の表し方を、儀式化または形式化した作法のことで、本来はいわれる宗教ではない。

特定の神への信仰に特化したものを(神道系)新宗教と呼ぶこともある。
※新宗教は、古代から中世までに成立したものを指し、近現代の新興宗教とは区別される。


参拝の作法

2014-01-01 00:00:00 | 宗教関連
◆参拝作法の一例◆
以下は、あくまで一例
参拝作法は、いくつかあり、神社によって異なる場合もある(最近は、参拝作法を表示している神社もよくある)
□は、一般的な参拝では省略され、あまり行われないことが多い

服装は、正装が望ましい
できるだけ清潔で、できるだけ肌の露出が少ない服装(半袖の服、裸足は避ける)であれば普段着でも問題ないが、装飾品は最小限にする
※細かいことを言えば、動物の皮革を用いたものは神域に持ち込まないのが望ましいため、神社参拝において、革靴をはく洋式正装は本来は好ましくない

□一揖(いちゆう)
※入域(鳥居をくぐり神域に入る)の前に一礼(揖は15~30度くらいの敬礼)する

※参道は、正中(社殿の正面、神様の通り道とされる参道中央)を避けて、社殿は向かって右側が上手(かみて)とされるから、下手(しもて)となる左端(左側)を通行する


■御祓(みそぎ)
※手水舎での略御祓
左手を清める
右手を清める
左手に水を溜め口を濯ぐ
左手を清める
柄杓を立てて柄を洗い流す

御祓の後は、参拝を終えるまで口を開かない

□一揖
※神殿の前で一礼

■本坪(ほんつぼ)鈴
※坪=殿舎
※鈴の音は気を浄化するとされる
※同時に神様に参拝を報せる意味があるとされる

■奉賽(御賽銭等の奉納)
※御賽銭は、賽銭箱に入れた時に音がする硬貨が良いとされ、紙幣を奉納する場合にも硬貨を一緒に入れた方が良いといわれる
※俗説であるが、音が御賽銭についた穢れを祓うといわれる

■二礼(礼は45~60度くらいの敬礼)
※神様への敬意を表す

■二柏手(拍手)
※柏手の音は、自分自身の邪気、邪心を祓う意味があるといわれる
※左手指股と右手指先を合わせる柏手が、神好みの良い音が出せるとされる
※神葬祭などの忌み事で用いる音を出さない柏手(忍手)は、通常の参拝では用いない

■祈願/誓願/奉告
※祈願は、自分以外のことをお願いする
※自分のことの場合、神様にお願いするのではなく、神前で誓いを立てる誓願をする
※奉告は、結果を報告すること(御礼参り)

■一拝
※一般的には、拝む(おがむ:心から願うこと)こと、すなわち祈願や誓願を指すとすることが多いが、祈願や誓願の後に行う「拝(拝は90度の最敬礼)」は、祈願や誓願をし、それに対して、「低頭して(神様からの御加護を)いただくこと」を意味するともされる
※合掌は仏教の作法で、神道に合掌の作法は無く、柏手を打った後の拝は、合掌はしない

□一揖
※または再礼ともいう

□一揖
※鳥居をくぐり、神域を出たら、社殿の方向に向かい一礼


※御辞儀とは、相手への挨拶など、言葉を伴う礼(礼儀作法)のことで、無言で頭を下げることを御辞儀とはいわない


古い作法として、
二礼二拍手二拍手一拝
※二礼二拍手の後に祈願、請願をして二拍手一拝
出雲式の二礼四拍手一拝はその形といわれる


いずれにしても、意味の無い動作はなく、ひとつひとつの動作の意味、目的を考えながら参拝すると、必然的に丁寧な参拝になる


注連縄(しめなわ)

2013-11-01 00:00:00 | 宗教関連
■注連縄(しめなわ)

天照大御神が天岩戸から出てきた時、天照大御神が再び天岩戸に入れないように、岩戸を閉(締)めて、縄で封じた「閉(締)め縄」が起源といわれる。

「注連」とは、元々は、中国の、主に道教の用語として、死者が家に入れないようにするため家の入口に結界として張る縄や鎖などのことをいい、それが日本に伝わったものといわれる。

■七五三縄(しめなわ)

諸説あるが、

七綯(な)い、
五幣(しで)、
三前掛、
の七五三縄をいう。

※七五三縄は、正月飾りなどに用いられる特別な注連縄として、一束の稲藁で、藁を継ぎ足さずに作られる注連縄飾りに代表される。
※幣は、注連子(しめのこ)ともいう。
※前掛とは、主に紙垂(しで)のことを指すが、裏白などの飾りを指す場合もある。


また、災厄を封じた場所や神(聖)域を示す縄張りの「標縄(しめなわ)」おいて、通常の縄張りと区別するために、七本、五本、三本の藁の幣をつけたものを用い、これを「七五三縄」と呼んだとする説もある。


◆注連縄(または七五三縄)は、男神、または荒魂を祀る場合には左綯いが用いられ、女神、または和魂を祀る場合には右綯いが用いられることが多い。

三神詣

2013-10-01 00:00:00 | 宗教関連
《三神詣》

★産土(うぶすな)神

生まれた土地の守護神

★鎮守神

住んでいる土地、地域の守護神

★氏神

神格化された氏族の祖先、一族の守護神

※庶民における氏神
昔は、生まれ育った土地で一生を終えることが多かったから、産土神と鎮守神が同一である場合が多く、庶民において、その神を氏神とする習慣が生まれ、氏族の氏神において、氏神を祀るのは子孫であることから、庶民において、氏神を祀る者を氏子というようになったとされる。
生まれ育った土地を離れて生活する場合、産土神または鎮守神のいずれかを氏神とすることが一般的である。



日本の神々は、あくまで人々の畏敬の対象のことであって、キリスト教の神や仏教の神仏などとは異なり、人々を導いたり、守ったり、救ったりするという存在ではない。

参拝、祈願は、あくまで神前で自らの誓いを立てる儀式であって、願い事をするものではない。

また、御守りというのは、自らが立てた誓いを忘れないために身につけるもので、神様が守ってくれるという訳ではない。

例えば、交通安全を祈願しに行った帰りに事故にあったという話はよくあるが、祈願の意味を誤解していると、神様が守ってくれるものと勘違いしている人は、気がゆるんで事故にあいやすいということである。



《三社詣》
福岡県を中心に、九州各県と山口県、広島県、および和歌山県でみられる初詣のかたち。

一般的に、初詣は三神詣のことで、庶民において産土神、鎮守神、氏神は同一である場合が多いから、一つの神社に参拝するが、上記の地域では、複数の神社に参拝する習慣がある。

三社詣の起源、由来は諸説あるが、定かではない。