![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/dd/06c310411dc0ac0a9d5ed2f7bd74af5d.jpg)
数日前に、珍しい資料を入手したので、ご紹介します。
写真の1枚目は配水管に付着した褐色の泥(鉄バクテリアとその沈殿物)。
2枚目は沈殿物の顕微鏡写真で、鉄バクテリアが繊維状の塊を作っている
ことが示されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/8a/16816c6333786fcb74c8ce22a900b30e.jpg)
鉄バクテリアについて補足説明いたします。
鉄が金属の塊でなく、水に溶けているようなとき、 鉄原子は化学で二価
または三価の陽イオンと呼ばれる形態となっています。
二価とか三価とは化学反応で働くことのできる電子の数を示しています。
この2つの形態の化学的安定度の差は小さく、置かれた環境によって、
二価になったり三価になったりします。
このとき鉄原子は電子を出したり受け取ったりします。
この電子を交換する化学反応は何度も繰り返すことが可能なので、生体内
での電子交換の繰り返しが必要な化学反応(呼吸や光合成)に利用されて
います。
鉄バクテリアは、三価の鉄イオンを二価に還元することでエネルギーを得
ています。地球に生命が誕生した初期、まだ大気中に酸素がほとんどない
頃から鉄バクテリア(あるいはその先祖のバクテリア)は生きていたので
す。
その後、シアノバクテリアの働きで大気中の酸素濃度が上昇しました。
現在の地球では酸素濃度が高いので、水があると鉄は簡単に酸化されてし
まいます。私たちがごく普通に見かける鉄サビが生じる化学反応が起こり
ます。
このような環境では、鉄バクテリア自身が三価の鉄イオンを二価に還元す
る反応を起こすことできないので生きてゆけません。そこで鉄バクテリア
のように酸素があると困る生物は地中や海底に逃れていったのです。
参考文献を読んで知識としては知っていたのですが、今回写真を見て、
鉄バクテリアをもっと身近に感じることができました。
機会があれば実際に見てみたいと思います。
参考文献:
『鉄理論 = 地球と生命の奇跡』
矢田 浩著 (講談社現代新書)
『生と死の自然史 ― 進化を統べる酸素』
ニック レーン著、西田 睦訳 (東海大学出版会)
写真の1枚目は配水管に付着した褐色の泥(鉄バクテリアとその沈殿物)。
2枚目は沈殿物の顕微鏡写真で、鉄バクテリアが繊維状の塊を作っている
ことが示されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/8a/16816c6333786fcb74c8ce22a900b30e.jpg)
鉄バクテリアについて補足説明いたします。
鉄が金属の塊でなく、水に溶けているようなとき、 鉄原子は化学で二価
または三価の陽イオンと呼ばれる形態となっています。
二価とか三価とは化学反応で働くことのできる電子の数を示しています。
この2つの形態の化学的安定度の差は小さく、置かれた環境によって、
二価になったり三価になったりします。
このとき鉄原子は電子を出したり受け取ったりします。
この電子を交換する化学反応は何度も繰り返すことが可能なので、生体内
での電子交換の繰り返しが必要な化学反応(呼吸や光合成)に利用されて
います。
鉄バクテリアは、三価の鉄イオンを二価に還元することでエネルギーを得
ています。地球に生命が誕生した初期、まだ大気中に酸素がほとんどない
頃から鉄バクテリア(あるいはその先祖のバクテリア)は生きていたので
す。
その後、シアノバクテリアの働きで大気中の酸素濃度が上昇しました。
現在の地球では酸素濃度が高いので、水があると鉄は簡単に酸化されてし
まいます。私たちがごく普通に見かける鉄サビが生じる化学反応が起こり
ます。
このような環境では、鉄バクテリア自身が三価の鉄イオンを二価に還元す
る反応を起こすことできないので生きてゆけません。そこで鉄バクテリア
のように酸素があると困る生物は地中や海底に逃れていったのです。
参考文献を読んで知識としては知っていたのですが、今回写真を見て、
鉄バクテリアをもっと身近に感じることができました。
機会があれば実際に見てみたいと思います。
参考文献:
『鉄理論 = 地球と生命の奇跡』
矢田 浩著 (講談社現代新書)
『生と死の自然史 ― 進化を統べる酸素』
ニック レーン著、西田 睦訳 (東海大学出版会)
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