福島気象台より平成21年8月31日午前9時55分に福島県浜通りに防風警報が発表され、8月31日夜から9月1日未明にかけて風が強くなる見込みですので、農作物等の管理に十分注意願います。
また、大雨注意報も発令されていますので、天気予報に注意して下さい。
台風11号は、福島県には、8月31日夜から9月1日未明にかけて接近する見込みですので、併せて今後の台風情報に注意して下さい。
出典:「気象庁ホームページ」より
【水 稲】
◎事前対策
(1) 用排水路を点検し、ゴミ等を取り除いておきましょう。なお、水路が増水している場合は、危険ですので近づかないで下さい。
(2) 強風及びフェーン現象時は、風による水分収奪に備えるため、 湛水状態を保つよう排水口を調整しておきましょう。
◎事後対策
(1) 浸水・冠水した場合は、早急に排水を図り、少しでも早く穂先や葉先を出すよう努めましょう。
また、浸水・冠水した稲は耐干性が低下しているため、排水後も田面を乾かさず、間断かんがいにより根の健全化を図りましょう。
(2) 台風通過後は、いもち病の発生が懸念されるので、薬剤散布など防除の徹底を図りましょう。
なお、水面施用剤を使用した水田でも、冠水等によりいもち病の多発が懸念される場合は、粉剤等による追加散布を行ってください。
(3) 倒伏した場合は、穂発芽に注意し、刈り分けするなど、品質の低下を防ぎましょう。
【大 豆】
◎事前対策
(1) 明きょ、暗きょ等の排水路を点検し、ゴミの除去など速やかに排水できるようにしておきましょう。また、明きょから確実にほ場外へ排水できるよう、畦畔の切削等を実施しましょう。
◎事後対策
(2) 表面水や明きょの滞水は早急にほ場外に排水しましょう。
(3) 紫斑病は、降雨等による多湿条件で発病が多くなるので、開花期後20日頃に、莢に薬剤が十分付着するように散布しましょう。
【そ ば】
(1)排水対策を万全にし、湿害を防ぎましょう。
【野 菜・花 き】
◎事前対策
(共 通)パイプハウスの点検
(1) ほ場周囲の排水溝を点検し、速やかに排水できるようにしておきましょう。
(2) パイプハウスの被覆資材及び止め具(マイカ線、ビニペット等)を点検し、補修しましょう。
(3) パイプハウスやネット栽培等で支柱を使用しているものは筋かいを入れ、補強しましょう。
(4) 施設では、天窓や扉があおられたり風が吹き込まないよう完全に閉めておきます
(5) 雨よけのみのパイプハウス等施設は強風に弱いため、ラセン杭、ハウスバンド等で浮き上がらないようにしっかりと固定しましょう。
(6) 収穫可能なものは、できるだけ台風接近前に収穫しましょう。
(野 菜)
(1) 露地の葉菜類や根菜類では、べたがけ資材(不織布等)を支柱を用いて浮き掛けすることにより被害を軽減することができます。その際は、べたがけ資材が風に飛ばされないようしっかりと止めましょう。
(2) 露地キュウリやインゲンは、支柱やネットにしっかり誘引しておきましょう。
(3) アスパラガスやピーマンでは、フラワーネットと支柱、また、ナスでは支柱等を点検し、倒伏を防止しましょう。
(花 き)
(1) フラワーネットの張りや支柱を点検し、倒伏を防止しましょう。
◎事後対策
(共 通)
(1) 特にブロッコリー、ネギ、アスパラガス等の土地利用型品目の停滞水は、明渠などで速やかな排水に努めましょう。また、露地キュウリ、サヤインゲン等でも通路に雨水が停滞しないように排水溝を設けます。
(2) ネギやキクなど倒伏したものは、茎が曲がるのを防ぐため、できるだけ早く引き起こすとともに、薬剤散布を行い病害の発生を防止しましょう。
(3) 台風通過後は天気が回復するため、吹き返しに注意しながら、施設等の換気を図りましょう。
(野 菜)
(1) 果菜類やマメ類で、損傷を受けた果実は早急に摘果(莢)しましょう。ネット等からはずれたつるや茎葉等は、再度誘引し直しましょう。茎葉の損傷が激しい場合は、新葉(枝・つる)の発生を確認してから摘除しましょう。
(2) 冠水した場合は、ほ場への出入りによって土壌の物理性が悪化しないよう配慮しましょう。ぬかるむ場合は出入りを極力避けましょう。
(3) 露地キュウリでは褐斑病、雨除けトマトでは灰色かび病、葉かび病等が拡大しやすいので、直ちに適切な薬剤散布を行いましょう。その後、草勢回復のため、液肥のかん注や葉面散布剤の散布を行いましょう。
(4) 露地ナス、インゲンでは灰色かび病等が拡大しやすいので、直ちに適切な薬剤散布を行いましょう。その後、草勢回復のため、液肥のかん注や葉面散布剤の散布を行いましょう。
(花 き)
(1) キクやリンドウ、シンテッポウユリなど露地の花きは、風雨により損傷を受けると病害が発生しやすいので、直ちに適切な薬剤散布を行ない、草勢回復のため液肥の葉面散布を行いましょう。
(2) ほ場が冠水した場合は、速やかに排水を行うとともに、付着した泥を洗い流し、薬剤散布を行い、葉面散布で草勢の回復を図りましょう。
【果 樹】
◎事前対策
(1) 果樹棚(ナシ、ブドウ等)等の施設は、前もって点検し、強風の前にアンカー補強や棚線の締め直し等を行います。また、棚周囲に防風ネットを設置している場合は、風で飛ばされないように補強しましょう。
◎事後対策
(1) 滞水している園地では、明渠などにより速やかな排水に努めましょう。
(2) 葉や果実に損傷がある場合は、病原菌の侵入を防止するため、被害1~2日後に薬剤散布を実施しましょう。なお、被害後に定期散布が近い場合は、この散布に置き換えて実施します。実施の際は、農薬容器のラベルをよく確認し、特に収穫前日数、使用回数には充分注意して実施してください。
(3) 落果した果実は速やかに収拾し、適正に処理しましょう。
(4) 台風通過後は、フェーン現象により一時的に高温になり、乾燥した風により葉焼け等が発生しやすくなります。このような場合はスピードスプレーヤ等で散水し、樹体温を下げるとともに湿度を維持し、被害を軽減するようにします。
【畜 産・飼料作物】
◎事前対策
(1) 強風による畜舎や堆肥舎等の損壊、及び畜舎等への風雨の吹き込みを防止するため、施設の補強を行いましょう。
(2) ほ場には明きょを掘削し、速やかに排水できるようにしておきましょう。
◎事後対策
(1) 滞水しているほ場は、明きょなどを点検し速やかに排水しましょう。
(2) 豪雨によりほ場で土壌浸食が発生した場合は、早めに修復しましょう。
(3) 畜舎等が浸水した場合は速やかに排水し、疾病発生予防のため洗浄と消毒を行った後、畜舎等の乾燥に努めましょう。