岡山の山登り@FF山岳部

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3000メートル峰を目指す[2]

2012年06月19日 | 山の情報
日本の3千m峰 21座 主峰の付属の山をのぞく


天井の世界、厳しい道

 「日本百名山」を著した随筆家の深田久弥(きゅうや)は後書きの中で
「山高きをもって尊しとせず」と記している。
だがその深田自身、百名山選定の条件の一つには「大よそ1500メートル以上」と挙げている。

 主峰の付属の山をのぞいて日本に3千メートル峰は21座。
富士山と木曽御岳山をのぞいて南北のアルプスに集中し、百名山のうち13座が3千メートル峰だ。

 高山の魅力はどこにあるのか。
1975年、女性初のエベレスト登頂者になった登山家の田部井淳子さん(72)は
「自然の変化、はるかな眺め、冷たい風、澄んだ空気。そこに立った人だけが味わえる特別の世界です」
と話す。
ただ、天井の世界はだれにでも門戸を開くわけではない。
「入念な体力づくりと装備化不可欠。厳しい世界です」

 警察庁によると、2010年の山岳遭難者は2396人で1961年以降、最多。
特に55歳以上が全遭難者の6割を占めた。
遭難原因で一番多いのは道迷いで41%。
次の多いのが滑落17%と転倒13%。
以下、病気、疲労と続く。
なぜ、中高年の事故が多いのか。

 70歳を過ぎてエベレストに2度登頂した三浦雄一郎さんをサポートする鹿屋(かのや)体育大学の山本正嘉教授は加齢による変化について
「体力は比較的維持できるが、併称感覚や環境の変化への対処能力は低下する」。

 だが、体力も過信は禁物だ。
山本教授の調査では、一般コースで難なく登山できた人も、行動時間7時間以上、累積標高差が千メートルを超える健脚向けコースでは、ひざの痛みや下りで足がガクガクになるといった事故一歩手前のトラブルが急増するという。
「中高年登山者は同年代の一般人よりはるかに体力はあるが、健脚コースに必要な体力はない人が追い」
と山本教授は指摘する。
リーダー向けの登山講習に参加した人でも、約4割が体力不足だった。

 標高が千メートル高くなるごとに、気温は6度下がる。
平地が30度でも3千メートル峰ならば12度。
悪天候になれば、真夏でも零度近くになることもある。
不十分な装備が原因の遭難も少なくない。
吸湿速乾の下着や防水・透湿の雨具など軽量で厳選した装備で挑みたい。

◆ご意見・体験はseikatsu@asahi,com


<上記は、平成24年6月16日付け、朝日新聞に掲載のものを転記>

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