岡山の山登り@FF山岳部

今日も笑顔で! 岡山の登山やトレッキングを楽しもう! 登山の後はラーメン食べよう!

YAMAP

2018年05月27日 | 山の情報
数年ぶりに山歩きスイッチが入ってしまい、iPhoneとiPadに山で使えるアプリを入れてみました。

以前は、ガラケーで高性能なアプリは使えておらず、GPS等も持っていませんでした。
昔習ったように、地図とコンパスでルートをトレースして歩いていました。
まわりの皆さんは、GPSなどを駆使して歩き、レポートをアップされだした頃で、私もいつかはGPSとかを使ってみたいと思いながら、山歩きから離れてしまい使えずじまい。

まだ細かな使い方は勉強中ですが、なかなか面白そうで、早く使ってみたいと思っています。


ダウンロードサイトの紹介文を転載しておきます。
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形態の電波が届かない山や離島でも、無料で地図と現在位置を見ることができます。
歩いたルートや写真を記録して、次回のアクティビティに活かしましょう!

▼旅アルバムとして、経験や思い出を保存・共有!
ルートや活動時間・距離などはもちろん、写真や感動をカンタンに共有できます。次回のアクティビティの参考にしたり、仲間たちと一緒に楽しんだりしましょう。

▼豊富な山の情報で、安全な登山計画を!
国内最大級のYAMAPでは、旬なアウトドア情報が盛りだくさん!ほかのユーザーの日記を参考にしたり、ユーザー同士で情報交換したりなど、登山・アウトドア計画の準備にも役立ちます。

▼紙でもスマホでも使える、ハイブリッド地図!
アプリ上で地図を使えるのはもちろん、YAMAPのWEBサイトからは地図をパソコンにダウンロードできます。ダウンロードした地図を印刷すれば、紙の地図としてもご利用いただけます。

[アプリストアの紹介文より転記]

山といつまでも

2018年05月26日 | 山の情報
仕事の関係の方が、最近山登りを始められました。

「私も山が好きなんですよー、最近は全く登っていないですけど。」

とか、話になって、一緒に登りましょうなどとなりました。


いろいろありまして、久しく山から離れていましたが、少しスイッチが入ってしまいました。
以前のような精力的な活動は難しいかもしれませんが、今の私のやれる範囲、山に入ってみたいです。

あの山は、あの道は、あの花や風景はどうなっているでしょうか。
またどこかの山で知り合いにばったり出会ったりしたらうれしいだろうな。


まずは
体力
ちょっとでももどさなくては。

野外のマダニ 注意して

2013年02月21日 | 山の情報
野外のマダニ 注意して
野外のマダニで広がる新しい感染症で、広島県の成人男性の死亡が確認された。
4人目の死者となり、ほかに疑い例も9件寄せられている。
これからマダニが活動期になる春を迎える。
ウイルスにはどんな特徴があり、何に気をつけたらいいのだろうか。

国内の死亡例 4件判明
「発熱や血小板の減少といった症状は日常的に診ている。下血は必ずある症状なのか」

広島県は19日夜、県内で重症熱性血小板減少症候群(SFTS)による死者が初めて確認されたのを受け、県庁内で保健所担当者、医師らを集めた会議を開いた。
参加した医師からマダニによって広がる新感染症の国への報告基準について戸惑う声もあがった。

亡くなった男性のじゅじいが県内の保健所に電話を入れたのは今月1日。
厚生労働省が情報提供を呼びかけた2日後だった。
県健康対策課の担当者は「西日本で見つかっているので、県内で確認されるのは時間の問題と思っていた」と話す。

これまで厚生労働省には、西日本だけでなく、東日本も含めた医療機関や保健所から問い合わせが約30件寄せられている。
検査待ちの検体が9例あるという。

この感染症は2009年に中国での集団発生が報告され、11年にウイルスが特定された。
国内で初めて確認されたのは先月末。
昨秋亡くなった山口県の女性で、主治医が血液検査を国立感染症研究所に頼んだのがきっかけになった。

これを受け厚労省が疑わしい例の情報提供を求めたことで保存されていた血液など検体が寄せられ感染が判明。
13日には愛媛、宮崎両県で昨秋に死亡した成人男性が感染していたことが分かった。

いずれも発熱など症状が現れてから1週間から約半月で死亡し、原因は特定されていなかった。
直近の海外渡航歴はないという。
厚労省や4件の担当者は、年齢や直前の行動など詳しい情報について「遺族が特定されるのを心配している」(田村憲久厚労相)として明らかにしていない。

マダニは全国に分布し感染実態が明らかにならないことから不安は広がる。
静岡県内の保健所にも地元の女性から「農作業に出るのにどんな格好をしたらよいのか」と問い合わせがあったという。

感染経路 調査これから
感染すると、6日~2週間の潜伏期の後、発熱や下痢、腹痛などの症状が出る。
血小板や白血球の減少が起きることもある。
中国では、山東省、河南省など7省から200人以上の感染者が出て、致死率は12%と報告された。
ワクチンや治療薬はなく、熱や出血などへの対症療法が中心だ。

ウイルスをもつダニは、家屋にいるイエダニではなく、草原などにいるマダニ類だ。
中国の流行地域でもウイルスをもっていたダニは5.4%と報告された。
患者の97%は山間部に住む農作業の関係者だった。

ダニ以外からの感染経路はあるのか。
国立感染症研究所の西條政幸ウイルス第一部長によると、中国では患者を介護する際、血液に触れた家族が感染した例も報告された。

ダニの生態に詳しい馬原アカリ医学研究所(徳島県)の藤田博己所長によると、中国では蚊などの昆虫からウイルスは検出されず、感染の可能性は低いとみられる。
ただ、ウイルスを持った哺乳動物の血液に素手で触れるなどして感染することはあり得るという。

国内での感染経路ははっきりしない。
患者4人にダニにかまれた痕は見つかっていない。
政府は19日、来月から診断した医師に保健所への届け出を義務づけたばかりだ。
国内のダニなどの調査もこれからだ。
ただ、国内で見つかったウイルスの遺伝子の特徴はほぼ一致しているが、中国とは違い、日本国内に以前からいた可能性が高いという。

西條さんは「突然、危険なウイルスが出現したわけではないだろう。患者が急増するようなことはあり得ないと思う」と話す。

「気を付けることは?」
なるべく肌覆う
症状出たら受診

マダニは野山だけでなく、日本全国の生活圏に近い草原や河川敷などにも普通にいる。
春から秋にかけて活動的になる。

馬原アカリ医学研究所の藤田さんによると、人が外でかまれるほかにも、ペットの犬や猫にマダニがくっついて家に持ち込まれ、そこから人がかまれる可能性もあるという。

ただし、マダニは乾燥に弱く、室内では数日で死んでしまう。
家の庭などにいつくこともあるため、「庭作業などでは、なるべく肌の露出を避けた方がいい」と藤田さんは話す。

マダニは体の様々な場所にかみつき、数日から1週間ほど血を吸い続ける。
イエダニと違い、かまれてもかゆみや痛みなどは感じず、気付きにくい。
ただ、成長は数ミリだが、血を吸い終えると1センチ近くに膨れ上がり、見て気付きやすくなる。

かまれていることに気付いたら、きれいにとってもらうためにも、皮膚科などを受信したほうがいいという。
野山などで活動して、原因不明の発熱、下痢などが出て心配ならば、内科などを受診するか、保健所などに相談すればいいそうだ。

ダニやその仲間が媒介する感染症には、日本紅斑熱やツツガムシ病などもあるが、これらは抗菌薬で治療できる。

国立感染症研究所の西條さんは「マダニにかまれても必ず感染するわけではない。ほかの病気の可能性もあるのでしっかり様子をみてほしい」という。

<上記は、2013年F2月20日付け、朝日新聞朝刊より転載>


冬山遭難 過去10年で最悪

2013年02月06日 | 山の情報
北アルプス大天井岳で、遭難者をヘリコプターで救出する長野県警=長野県警提供


冬山遭難 過去10年で最悪

年末年始 死者・不明13人

未熟な登山者の規制求める声も



冬山遭難が相次いでいる。
規制を求める声が、山岳界からも出始めた。

昨年12月からの冬山シーズンで、全国の登山者が集中する北アルプスの長野、岐阜両県の山岳遭難(2月4日現在)は計21件、28人。
3日には岐阜県で40歳男性が行方不明になった。
これで死者・行方不明者は計10人に達し、過去5シーズンと比べて最悪だ。
警察庁がまとめた年末年始(昨年12月29日~今年1月3日)のデータでも、全国の死者・行方不明者は13人で過去10年では最悪という。

遭難の大きな理由は悪天候だが、登山者の体力や技術、経験の不足も目立つ。

北アルプス西穂高岳(2909m)では今冬、50歳の男性が急な斜面で、深い雪をかき分けて登るうちに体力を消耗し、低体温症が原因で凍死した。
このとき4日程度は必要な呼びの食料・燃料を1日分しか持って行かなかった。

岐阜県警飛騨方面隊の児島宏治隊長は
「冬は台風並みの風が吹く。早めに撤退すべきだった」
と判断の甘さも指摘する。
同岳はロープウエーで手軽に2千メートルの稜線に行けるため、初心者が増えている。

比較的難しくないとされる北アルプス大天井岳(おてんしょうだけ2922m)でも、男女2人が長野県警に救助された。
日本勤労者山岳連盟の川嶋高志事務局長は
「登山ブームで、初心者が手軽に冬山に行く。山岳会が経験や技術を伝える機会が減り遭難が増えている」
と嘆く。

一方、2県に隣接する富山県の北アルプスは冬の遭難が少ない。
剱岳(2999m)一帯は「富山県登山届出条例」で積雪期登山を規制。
2001年度から9年連続で、条例地区の冬山遭難はゼロだった。

1960年代に冬の剱岳で遭難が多発し、66年に条例を定めた。
登山届の提出を義務づけ、冬山経験や装備、食料などに不備があれば勧告し、未熟な登山者を排除するようになった。

それでも今冬に4人が雪崩に巻き込まれ、行方不明になった。

登山に全国共通の公的なルールはない。
安易な冬山登山を規制する条例を持つ自治体は富山県のほか、谷川岳の遭難防止条例がある群馬県だけだ。

米国では北米最高峰マッキンリーで登山届の提出を義務づけるなどの規制がある。
また、ネパールや中国などはヒマラヤ登山の際に許可が必要となる。

日本の山岳界はもともと
「登る自由を法律で規制するのは反対」
という立場だった。
しかし今、日本山岳協会の内藤順造副会長は
「条例の役割は大きい。経験のない登山者が入れない防波堤となっている」
と話す。

(近藤幸夫)


<上記は、2013年2月5日付け、朝日新聞朝刊より転載>


ダニにかまれて人が亡くなったの?

2013年02月06日 | 山の情報
【ニュースがわからん!】
「ダニにかまれて人が亡くなったの?」
新ウイルスを確認。野山では肌の露出を控えて


アウルさん ダニにかまれて、人が亡くなったんですって?

 山口県の女性が昨年秋、ダニで感染する新ウイルスによる病気で死亡していたことが分かったんだ。

 新ウイルス?

 この病気は4年前に中国で集団発生し、2011年に原因のウイルスが特定された。
でも日本では未確認だった。
女性の死亡原因も当初は不明だったが、国の研究機関が血液を調べて初めて分かったんだ。

 どんな病気なの?

 発症すると発熱したり、食欲がなくなったりする。
血球が攻撃され、血液を固める血小板や病気から身を守る白血球が減る。
特効薬やワクチンはなく、致死率は中国で10~30%と報告されている。
潜伏期間は6~14日。
ウイルスはアジアやオセアニアに広く生息するマダニが持っている。

 じゃ、中国のダニがウイルスを運んできたの?

 ウイルス自体は、もともと国内にいたようだ。
女性から検出されたウイルスは、遺伝情報の一部が中国のものと違い、独自に変化している形跡があった。
それに女性は発症前に海外に行っていなかった。

 山口の女性はどこで感染したの?

 かまれたあとが確認されておらず、実態は明らかになっていない。
マダニにかまれて感染する病気はほかにもある。
死亡の危険がある日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)やライム病はそれぞれ年180件、10件ほど起こっている。

 じゃあ、どうやって感染を防いだらいいの?

 マダニにかまれないことが第一。
くしゃみやせきでは感染しないようだ。
屋内にすみつくダニと違い、マダニは草むらや森にいる。
そんな場所では長袖、長ズボンで肌の露出を減らそう。

 かまれたら痛いの?

 痛みやかゆみを感じず気づかないことが多い。
もし強くくっついていたら無理やり取らず、早めに皮膚科の病院で取ってもらおう。
その後の体調にも注意が必要だ。

(安部彰芳)


<上記は、2013年2月4日付け朝日新聞朝刊より引用>


イワタニ カセットガスジュニアバーナー

2013年01月10日 | 山の情報
[ 格納状態と収納ポーチ ]


岡山の山メーリングリストでカセットガスのことが話題に。
私も15年ほど前にカセットガス用のストーブ「カセットガスジュニアバーナーCB-JRB」(イワタニ製)を購入してる。

ガスストーブは27年前に初めて購入し、何台か使ってきたが全てねじ込みボンベタイプばかり。
それぞれを使いながら「普通のカセットガス」が使えるものがあればいいのにと思っていた。
そんな時、カセットガスがそのまま使える小型ストーブを見つけて購入したものがこれ。
当時はカセットガスからねじ込みボンベへのチャージャーや変換アダプターがあるのを知らなかった・・・。

4枚五徳と三脚が回転して格納され、ほどほどコンパクトに。
収納ポーチが付属で、ハーフサイズのカセットボンベが一緒に収納出来る。
見た目よりも安定感があり、一人分の利用なら必要十分な出力。
200g以上あり超軽量とは言えないが、燃料の入手が安くて簡単というのが何よりも魅力。
今では他のメーカーなどもカセットガスタイプのものが出ているが、これは特に小型で使いやすい。
使用状態は以下のメーカーサイトでご確認を。
広げた姿もなかなか良い、と思う。

現在販売の製品は「CB-JRB-2」と名前も変わり2型なっているようで、火力がアップし樹脂の収納ケース付き。
イワタニの製品サイト

ちなみに、「イワタニ」と「イワタニプリムス」は別会社ね。
「イワタニ」の岩谷産業(株)が「イワタニプリムス(株)」の親会社になるのかな。
さらに「イワタニカセットフー(株)」も販売元として関係してます。

輪かんじき

2013年01月09日 | 山の情報
[ トラックロープが今風 ]


今日、津山市河辺の某ホームセンターをうろついていたら「かんじき」を見つけた。
これは多分、生活用品として販売しているんだろうな、と思いつつ手に取って眺める。
木部は何の木が使われているのだろうかと思い、検索してみたらありました。

「楽天市場」
http://item.rakuten.co.jp/enjoy-marutoyo/186101/

岡山県北では狩猟や山仕事など、今でもかんじきが生活の中で使われている。
このホームセンターでも、アウトドア用品としてではなく、軍手や長靴のコーナーにあった。

私も使っている登山用としては、今やスノーシュやアルミフレームの「かんじき」が主流。
高校時代にはこのような木製の「かんじき」を使用していたのが懐かしい。
スノーシュやアルミかんじきに比べ、非常にコストパフォーマンスも高い。
ロープを結ぶ手間はあるだろうが、またそれも良いかもしれない。
こういった極めて実用を突き詰めて考えられた道具って好きです。
かなり欲しくなった一品でした。

ちなみに、この手のデザインを木製・アルミ製問わず「ワカンジキ」と呼んでいました。
漢字で書くと「和樏」。
と信じていましたが、正解は「輪樏」。
「和風」ではなく「輪っか」なのねー、と勉強になった今日の発見でした。


3000メートル峰を目指す[4]

2012年07月07日 | 山の情報
山登りのためのトレーニング



基礎体力は低山登りで

 3千メートル峰にはどの程度の体力と経験が必要か?
「登山の運動生理学百科」の著者で鹿屋体育大学の山本正嘉教授に聞いた。

 指標の一つが、膝を90度に曲げるスクワット。
毎日10回3セット続けて、筋肉痛などトラブルが出なくなれば、行動時間4~6時間の一般コースはほぼ大丈夫。
健脚コースなら、15回5セットが最低条件だ。

 山本教授が山登りの体力をつけるために、最も効果的なトレーニングとして勧めるのが「登山」だ。
月2回、低山に登れば、平地トレーニングを週3~5日こなす人と同程度までひざがガクガクするなどのトラブルが減らせるという。

 頻繁に山に行けなければ、平地で山登りを意識した訓練をする。
歩くときは坂道や階段の「登山に上り下りを加える。
水泳だけでは、下半身の強化は不十分。
自転車は登山に重要な大腿(だいたい)四頭筋を鍛えるのに効果的だが、平地だけでは運動強度が低い。
平地ならば速い速度で、ゆっくりならば坂道を走る。
山本教授は「登山に必須なのは脚力。バランスも良くなり、疲労の少ない登山ができます」と言う。

 登山家の田部井淳子さん(72)も還暦を過ぎてから、年間100日は山に登る。
「60代後半に瞬発力もバランスも悪くなったと感じた。
電車を待っている間にかかとの上げ下げ、天気予報を見ながらスクワットと、どこでもトレーニングしています」

 経験はどうか?
「安心登山」を提唱する登山家の岩崎元郎さん(67)は
「地図やコンパスもなく、前の人の後をついていくだけで、コースさえ把握していない人はステップアップは望めない」と言う。
高山に行くまでに身近な低山で地図の読み方や足の運び方など、自らの計画で10回は実践しておく。
山頂への到着時間など時間経過をメモし、標準タイムと比べれば、自分のペースや実力もわかってくる。

 岩崎さんからのエール。
「体力や技術は自分で磨く。
自分でリスク管理し、考える力を持つ自立した登山者を目指してください」         (斉藤健一郎)


<上記は、2012年6月18日に朝日新聞朝刊掲載の記事より転記>

CW-X

2012年06月27日 | 山の情報
[ うれしくて早速着てみるの図 ]



買ってしまったぁ・・・。
ワコールCW-X。

前から欲しかったぁ・・・。
ワコールCW-X。

赤いラインがかっこいいぃ・・・。
ワコールCW-X。

きっとイチローさんみたく走れるぞぉ・・・。
ワコールCW-X。

・・・。


実は再び山に帰ってきて、ヒザが痛い。
ヒザはハタチの時に潰してしまってから、決して快調ではなかったけれど。
いやまて、潰したのは左ヒザだ。
今痛いのは右ヒザだ。

老化?
つかいたみ?
運動不足?

何でもいいさ。
買えてうれしい、CW-X。


**[以下、メーカーサイトより引用]*************************************

<ワコール CW-X>

HXO509 エキスパートモデル(ロング)

ひざ関節とふとももをサポートすることで、運動時の筋肉疲労を軽減し、着地の衝撃からひざを守ります。
はじめてスポーツタイツを試される人にもおすすめです。
吸汗速乾素材「クールマックス®ファブリック」採用で爽やかな着ごこちを持続します。
(注意)プールでの使用はできません。
クールマックス®(COOLMAX®)はインビスタ社の商標です。

メーカー希望販売価格:10290円(税込)

3000メートル峰を目指す[3]

2012年06月24日 | 山の情報
快適登山のために



ゆっくり丁寧、歩幅小さく

 登山の基本は歩き。高低差のある長時間歩行が必要な高山だからこそ、自分の一歩一歩を見直したい。

 登山学校「無名山塾」を主宰する岩崎元郎さん(67)が「山でバテない五つの法則」を教えてくれた。
(1)歩幅を小さく
(2)足音を立てない
(3)靴裏を見せない
(4)2本のレールを意識
(5)まずは息を吐く

 街歩きと同じように歩けば、足へのダメージは大きくなる。
歩幅の目安は靴1足分。
後ろ脚はつま先で蹴り出さず、足を引き上げ膝から前へ。
足音が立たないほど、ゆっくり丁寧に。

 登りは内股ではなく「逆ハ」の字、下りはつま先を下に向け、靴裏全体でべったり着地する。
肩幅の左右2本のレールを意識して進むと安定感が増す。
息が切れたら立ち止まって息を整える。
吐くことを意識すれば、自然に空気が入る。

 高みを目指せば、2本足だけでは歩けない難所も現れる。
槍ヶ岳の穂先は難易度3級の岩場。
「三点確保」が必須だ。
両手両足の四点のうち三転で体を支え、残る一点を動かす。
本にもある基本技術だが、各地の登山学校や旅行社の登山ツアー、登山用品店の講座で実践したい。
体を岩から話して足場を確認するなど、机上では体得できないコツがある。
読図や山の気象の読み方も、口座への参加が近道だ。

 装備の「三種の神器」は登山靴、ザック、雨具。
ハイテク素材を使った装備は高価だが、機能面だけでなく、軽量化にも役立つ。

 だが、靴だけは軽さでは選ばないほうがよい。
岩崎さんが勧めるのは、足首まで保護してくれるハイカットの靴。
慣れないと扱いにくい面もあるが、バランス感覚が低下しているシニアにとって、ねんざや骨折を防ぐことにもなる。

 雨具はゴアテックス製で上下分かれているタイプを選ぶ。
降水確率0%でも、暴風、防寒着として持って行く必携品だ。

 ザックは山小屋1~2泊なら30リットル、寝袋が必要ならば40~50リットル。
岩崎さんは「なじみの店を作れば、登山教室などの情報も入る。
装備は身を守るための重要な道具。
いざというときには生死をわけるので妥協しないでほしい」と話す。


<上記は、2012年6月17日に朝日新聞朝刊掲載の記事より転記>

3000メートル峰を目指す[2]

2012年06月19日 | 山の情報
日本の3千m峰 21座 主峰の付属の山をのぞく


天井の世界、厳しい道

 「日本百名山」を著した随筆家の深田久弥(きゅうや)は後書きの中で
「山高きをもって尊しとせず」と記している。
だがその深田自身、百名山選定の条件の一つには「大よそ1500メートル以上」と挙げている。

 主峰の付属の山をのぞいて日本に3千メートル峰は21座。
富士山と木曽御岳山をのぞいて南北のアルプスに集中し、百名山のうち13座が3千メートル峰だ。

 高山の魅力はどこにあるのか。
1975年、女性初のエベレスト登頂者になった登山家の田部井淳子さん(72)は
「自然の変化、はるかな眺め、冷たい風、澄んだ空気。そこに立った人だけが味わえる特別の世界です」
と話す。
ただ、天井の世界はだれにでも門戸を開くわけではない。
「入念な体力づくりと装備化不可欠。厳しい世界です」

 警察庁によると、2010年の山岳遭難者は2396人で1961年以降、最多。
特に55歳以上が全遭難者の6割を占めた。
遭難原因で一番多いのは道迷いで41%。
次の多いのが滑落17%と転倒13%。
以下、病気、疲労と続く。
なぜ、中高年の事故が多いのか。

 70歳を過ぎてエベレストに2度登頂した三浦雄一郎さんをサポートする鹿屋(かのや)体育大学の山本正嘉教授は加齢による変化について
「体力は比較的維持できるが、併称感覚や環境の変化への対処能力は低下する」。

 だが、体力も過信は禁物だ。
山本教授の調査では、一般コースで難なく登山できた人も、行動時間7時間以上、累積標高差が千メートルを超える健脚向けコースでは、ひざの痛みや下りで足がガクガクになるといった事故一歩手前のトラブルが急増するという。
「中高年登山者は同年代の一般人よりはるかに体力はあるが、健脚コースに必要な体力はない人が追い」
と山本教授は指摘する。
リーダー向けの登山講習に参加した人でも、約4割が体力不足だった。

 標高が千メートル高くなるごとに、気温は6度下がる。
平地が30度でも3千メートル峰ならば12度。
悪天候になれば、真夏でも零度近くになることもある。
不十分な装備が原因の遭難も少なくない。
吸湿速乾の下着や防水・透湿の雨具など軽量で厳選した装備で挑みたい。

◆ご意見・体験はseikatsu@asahi,com


<上記は、平成24年6月16日付け、朝日新聞に掲載のものを転記>

3000メートル峰を目指す[1]

2012年06月17日 | 山の情報
還暦から始めて10年。三百名山登頂を果たし、妻と記念撮影する今井理之さん
岩手、宮城県境の栗駒山頂(今井さん提供)



還暦で始め、三百名山登頂

 ひざがガクガクして、体が前に進まない。「こんなに体力がなくなっているなんて」。60歳の初夏、初めての尾瀬で、自らの衰えにぼうぜんとした。それから10年・・・・・・。

 東京都日野市の今井理之(さとし)さん(71)は、日本百名山のすべての頂を踏むと、歩みをゆるめず二百名山や日本山岳会が選定した三百名山に挑戦。昨年秋、栗駒山頂に妻の由美子さん(68)と立ち、百、二百、三百名山のすべてを踏破した。

 「知識も技術もない初心者が還暦から登山を始め、ここまで来られたのも、気力が続いたから」。日に焼けた顔にしわを刻んで、今井さんが笑った。

 大学時代から、これといった運動はしていなかった。就職した日本貿易振興機構(JETRO)では、休日返上で働いてきた。転機は57歳のとき。愛知県で大学教員になり、自分の時間がとれるようになった。

 尾瀬のまばゆいばかりの自然にみせられ、60代の目標を百名山と定めた。

 最初は初心者向きの伊吹山(滋賀県・1377メートル)へ。3時間歩いただけで、1週間は筋肉痛が抜けなかった。週2、3回、1時間の散歩を課した。

 ガイドブックや地図を集め、ネットでも調べた上で、自力で山へ。最初は不安も大きく、しょっちゅう道に迷い、急すぎると、ひざに痛みもはしった。

 1カ月も間をあけると明らかに体がなまる。シーズンオフも、当時の自宅に近い、愛知県の標高629メートル・猿投山に幾度も登った。

 なるべく日帰りで、荷物は極力軽く、5、6キロほど。経験を積むにつれ、ひざが痛まない歩行ペースも体得。道迷いも減った。

 険しい岩場や沢の渡渉など、机上の調査で不安があればガイド付きの登山で。単独行の際は、他の登山者が多い週末を選び、雨天を避けた。

 最近、登る山の選定過程や登山口までのアプローチなど、ガイドブックにはない記述を心がけた登山記録をブログ「シトサの山歩記」で公開。山の会の仲間との登山も楽しむ。「体力の衰えも感じますが、レベルに合った山登りを続けていきます」と今井さん。今も山梨百名山などに挑戦中だ。

(斉藤健一郎)◆ご意見・体験はseikatsu@asahi.com

(以上、平成24年6月15日付け、朝日新聞掲載の記事より転載)



上記の日付の朝刊に、山の話題の連載が始まったのを見つけた。
昨今の登山者の高年齢化・初心者化を危惧する声もある中、面白いかもしれないと思い連載をコピーさせてもらうことにした。

私は自分で思うに少し変わった人間で、山であれば何でも好きである。
高かろうが低かろうが、中央の誇る山々だろうが、津山の里山だろうが・・・。
最近は、登ったり登らなかったり、登らなかったり・・・登らなかったり・・・なのだが。

とりあえず、日々連載を追ってゆきたいと思っている。

1550山登頂の記録

2011年03月04日 | 山の情報
[ 企画展チラシ ]



「企画展」
今西錦司 三角点を巡る
1550山 登頂の記録


国土地理院(つくば市)の「地図と測量の科学館」において、企画展『今西錦司 三角点を巡る』―1550山登頂の記録― を開催します。


 近年、登山靴や登山用具の発達・軽量化、健康志向、百名山ブームなどにより一種の登山ブームと言える現象が起き、中高年に加えて若者の間でも登山に親しむ人が増え、山ガールと呼ばれる若い女性が話題になりました。
 一方、登山人口が増えれば遭難事故も増加します。事故の主な原因として地図の誤読や地図未携帯によるルート間違いなどをよく耳にします。
 国土地理院は、土地の測量、地図の調製及びこれらに関連する業務等を担当し、社会活動の基盤となる国土の地理空間情報を整備提供するとともに、その活用を促進するなかで、どこでも安心して快適に過ごせる社会の実現を目指しています。
 この地理空間情報は、さまざまな形で提供されますが、その一つに「地図」があります。地図に描かれている地形や地物の情報を読み、登るルートを選定し、山頂に設置してある三角点を目標に、無理なく安全に登るためには、地図をどのように使えば良いのでしょうか。
 
この地図を生涯の友とし、登山に活用して全国1,550の山に登った人がいました。生態学者、人類学者として名高い今西錦司氏(1902~92)は、登山家としても活躍され、日本の登山界では広くその名前を知られています。今西氏の遺品の中には、日本全土をカバーするほど多数の国土地理院(参謀本部陸地測量部時代を含む)の5万分1地形図や20万分1地勢図(輯製図・帝国図を含む)が残され、これらの地図には赤や黒の鉛筆で山行の記録が丹念に記入されています。
 本企画展では、これら実物の地図を展示し、併せて登頂した主な山や山頂等に設置してある三角点を写真等で紹介します。現在は、GPSと電子地図を使ったヒューマン・ナビゲーション(いわゆるマンナビ)も登場していますが、携帯に便利な地図の利用者はまだまだ多くいます。実際に登山家が使用した当時の地図や生の書き込み等を通して、具体的な登山ルートと地形を見比べながら読図を学んでいただき、今後の安全で安心な登山などに活用いただければ幸甚です。
なお、期間中に登山と地図等に関する講演会も開催されます。


◇開催期間 : 平成23年3月8日(火)~5月8日(日) 9:30~16:30
◇休 館 日 : 毎週月曜日(休日のときは順次翌日)
◇開催場所 : 国土地理院「地図と測量の科学館」特別展示室
◇入 場 料 : 無 料
◇添付資料 : 企画展『今西錦司 三角点を巡る』のチラシ

 問い合わせ先
  国土交通省国土地理院
   〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 
     地図測量広報相談官    石井  宏 TEL:029-864-5953
     総務部広報広聴室長     林   保 TEL:029-864-4038

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<上記は、国土交通省国土地理院のホームページより転載>

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たまらない「企画展」です。
山好き、地図好き、三角点好きの私にとっては、本当にたまらない。
私の目指すところが、そこにありそうな気がする。

逆風満帆 登山家 竹内洋岳[中]

2009年11月01日 | 山の情報
[ 大学4年の夏山合宿で北アルプス・剱岳に登る=93年7月、竹内さん提供 ]


<当記事は、2009年10月31日 朝日新聞 be on Saturday の記事を転載したものです>


逆風満帆 登山家 竹内洋岳 [中]


奇跡の救出劇で再起へ


 3メートル先の雪の斜面がポコッと沈んだ。それが予兆だった。
 周囲数メートル四方の雪が動き始める。その瞬間、まるで足元の絨毯をいきなり引っ張られたような衝撃を感じ、転倒した。
 「2メートル下の雪の吹きだまりに落ちて助かるはずだ。」とっさにそう思った。が、体は止まらない。滑落でなく、空中を飛んでいる感覚で、どこまでも落ちていく。
 07年夏。8千メートル峰14座制覇を目指す竹内洋岳(38)は、10座目のパキスタン・ガッシャーブルム2峰(G2、8035メートル)に挑んでいた。欧州の国際公募隊に参加。メンバー3人と標高6800メートル付近を登山中に、事故は起きた。
 何度も雪面に打ち付けられ、そのたびに意識が遠のいた。「もう助からない」。家族や世話になった人、飼っている犬のことまでが脳裏をよぎる。「なんで危険を見抜けなかったんだ!」
 気づくと暗闇に閉じ込められていた。口の中に息がぎっしりとつまり、息ができない。身動きもとれない。ここでようやく、雪崩に巻き込まれたことがわかった。
 雪崩で埋まると、15分以内の救出が生死を分けると言われる。
 「このまま死ぬまで15分も苦しむのか、ウオーッ!!」
 頭の中が錯乱状態になった。
 意識が遠のきかけたとき、誰かに手足を激しく引っ張られた。
 脱出できた。埋まった場所は各国の登山隊が設営した第2キャンプの近く。居合わせた約10隊のすべてが登山活動を中止し、救助に駆けつけてくれたのだった。
 テントに収容され、手当てを受けた。体中に激痛が走る。ドイツ隊の医師がモルヒネを注射した。痛みが少し和らぎ、医師の言葉が響いた。
 「助からないかもしれない。家族にメッセージを残しなさい」
 竹内は標高差で約300メートル流されていた。同じな誰に遭った他の仲間3人のうち、1人は死亡、もう1人は行方不明だった。
 日没後、ドイツ人登山家が単独で500メートル下の第1キャンプまで往復し、竹内のために酸素ボンベを荷揚げした。一晩中、誰かが竹内の手を握り、抱きかかえて励まし続けた。「おまえを助けるため、みんなが動いているから心配するな。全員がおまえの命を手渡しで運ぶんだ」。そんな声も聞こえた。
 2日後、救助に来たパキスタン空軍のヘリコプターで下山。約2週間後には日本の病院にいた。
 奇跡的な救出劇だった。竹内は今、「多くの人による「命のリレー」だった」と降り返る。
 肋骨5本が折れ、腰椎も破裂骨折していた。約1ヶ月間の入院中、80二チン近い見舞い客が来た。誰もが遭難の話を聞きたがった。多いときは1日10回も同じ話をした。
 毎晩、事跡の念にかられた。
 「自分が助からなければ、雪崩で死んだ仲間のことをぺらぺら話さなくても済んだのに。いや、そんなことを考えちゃダメだ。(みんなのおかげで助かった)この命はもう自分一人ののもではない」
 でも、登山を辞めようとは思わなかった。「大好きな山があるから、今の自分があるんだ」


運動音痴の少年時代

 3歳の頃、祖父に連れられて山スキーをしたのが、山との出会いだった。祖父は初孫の竹内をかわいがった。小学生のころも一緒に弁当持参でスキーを楽しんだ。
 学校での運動はからっきしだった。中学生になっても鉄棒の逆上がりができず、足も遅く、球技も苦手。おまけに勉強の成績も伸びず、いじめの対象にもされた。
 高校では山岳部に入部。立正大学でも、迷わずに山岳部に足を向けた。最初の谷川岳合宿で岩登りを経験し、やっと自分の目指すものを見つけた気がした。
 「何をやってもさえなかったのに、山登りは最初からそこそこできた。体力も強く、50キロの荷を担いでも、ばてなかった」
 大学2年の秋、初のヒマラヤ遠征で、いきなり高峰シシャパンマ(8027メートル)に挑んだ。このときは登頂を逃したが、「山以上に、その地域や文化に見せられた。絶対また来ようと思った」。
 以来、ヒマラヤ通いが続く。
 G2でのそう何で、周囲は「山はもう無理か」と心配した。だが、孤独なリハビリに耐え抜き、医師も驚くほどの回復を見せた。
 遭難から1年。竹内はヒマラヤに戻ってきた。フィンランド人登山家と、友人の平出和也(30)と一緒に3人の国際隊を組んだ。
 「遭難場所に心を置いてきた気がする。死んだ2人のことも身近に思い出せるはずだ」
 そう、再起を期す山は、G2しか考えられなかった。
=敬称略(近藤幸夫)

<当記事は、2009年10月31日 朝日新聞 be on Saturday の記事を転載したものです>


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「個人的感想文」

朝日新聞の連載記事、第2話。
最近、遭難について考えることとか、リハビリのこととか、山岳部のこととか、色々と考えていることがあって、何度も何度も読み返した。
私も以前に遭難らしきものをやってしまった時、どうしてもう少し気をつけなかったのだろうと、ひどく自分を攻めたことを思い出した。

昨日から、小学校5年生が九州の名峰・韓国岳で行方不明になっている。
現地では悪天候が続いているらしく、心配が募る。
どうしても、山に登ると言うことには、このような、遭難とか、事故、行方不明などといったことが付きまとう。
私のように、趣味で山と戯れているレベルでも、何かにつけて気をつけなければと。

これからもずっと山と楽しんでゆける為に。

逆風満帆 登山家 竹内洋岳[上]

2009年10月26日 | 山の情報
[ ローツェには欧州の3人と登った。左からデービッド、ガリンダ、ラルフ=09年5月、竹内さん提供 ]


<当記事は、2009年10月24日 朝日新聞 be on Saturday の記事を転載したものです>


逆風満帆 登山家 竹内洋岳 [上]


8千メートル峰全山制覇に肉薄


 「ゼー」「ハー」
 標高8400メートルを超えると、胸を刺すような痛みが襲ってきた。酸素ボンベはない。足を一歩踏み出すたびに深呼吸を繰り返す。
 ネパール・ヒマラヤの東部にそびえるローツェ(8516メートル)の頂上直下。世界最高峰エベレスト(8848メートル)と峰続きになっている世界第4位の高峰だ。
 現地時間の5月20日午後1時55分、竹内洋岳(38)は山頂に立った。切り立った雪の斜面の一角。晴れていたが、酷寒の風が体を刺す。数分で頂上を後にし、40メートル下の風裏で衛星電話を取り出した。
 「先ほど、登頂に、成功しました。今回は、(高度への)順応が、うまくいかず、苦労しました」。あえぐような息づかいで、東京の事務所に朗報を伝えた。
 8千メートル峰は世界に14座ある。そのすべてに登頂した日本人はゼロ。世界でも18人しかいない(20日現在)。竹内はローツェで12座を制し、日本記録を更新した。
 8千メートルを超す高所は「死の地帯」と呼ばれる。酸素は平地の3分の1。天候次第で烈風や超低温が容赦なく襲う。「14座完登」は、最低でも14回、死の地帯にある頂に立ち、14回生きて還ることを意味する。6千メートル未満の山々を含む「7大陸最高峰制覇」とは、危険度の上で比較にならない。
 「下山すると、いつも「ああもう終わりか」とさびしくなる。それほど山登りが好きなんですよ」
 10月13日夜、東京都内であった竹内は、はにかむような笑顔を見せた。身長180センチ、63キロ。ぜい肉をそぎ落としたマラソンランナーのようなアスリート体形で、屈強なイメージはない。
 竹内は酸素ボンベを持たず、荷揚げのためのシェルパも雇わない。自らテントをかつぎ、速攻で頂上を狙う。先鋭的な登山家たちは今、単に登頂するというだけでなく、より困難な登り方を追及しているのだ。
 「登山は審判のいないスポーツ。自分でルールを課さないと。仕事とはいえ、シェルパを危険な場所に連れてゆくのもいやだ」
 そんな竹内も、当初のマカルー(8463メートル)、エベレスト、K2(8611メートル)では酸素ボンベを使った。いずれも日本隊の一員だった。組織の成果を最優先する日本隊では、無酸素で登るという選択はなかった。4座目に登頂以来、常に国際隊で挑んでいる。
 ローツェには、欧州の登山家3人と登った。盟友のラルフ・トゥイモビッツ(48)と、その妻ガリンダ・カールセンブラウナー(38)、カメラマンのデービッド・ゴードウラー(31)。ラルフと登ったのは7座を数える。互いにファーストネームで呼び合い、全員で頂上を目指すスタイルが気に入っている。「英語は得意ではないけれど、ロープを手渡しただけでお互いの役割を理解し合えるんです」


日本登山界の「呪縛」

 日本人のエベレスト初登頂者の植村直己が、北米最高峰マッキンリー(6194メートル)で遭難してから今年で25年。その間、勇名をはせた日本人登山家もいたが、多くは植村同様、銀嶺に消えていった。14座完登をめぐっては、日本人登山家にはジンクスがあるとさえ言われる。「10座の壁」だ。
 8千メートル峰9座に延べ12回登頂し、「最強のヒマラヤニスト」呼ばれた山田昇は89年冬、マッキンリーで遭難。10座目に挑戦する前に39歳で亡くなった。
 04年には、山田の意思を継ぎ、やはり9座に登頂した名塚秀二(当時49)が、10座目をめざしたアンナプルナ(8091メートル)で雪崩に巻き込まれて逝った。
 山田と名塚を育てた群馬県山岳連名副会長の八木圀明(62)は「14座制覇は日本登山界の呪縛。韓国人が達成して「アジア初」という記録も消えたが、誰かがこの呪縛を解かねばならない。やっと竹内君が10座を超え、手が届くまでになった」と期待している。
 竹内は95年にマカルーを登って以来、順調に記録を伸ばした。
 「7座を登ったとき、「なんだ、これをもう1回やれば完登か」と思った。でも、9座目くらいから、14座を全部登る厳しさをひしひしと感じるようになった」
 そしてやはり、「10座の壁」は待っていた。2年前の夏、「死の淵」をのぞくことになる。
=敬称略(近藤幸夫)


たけうち・ひろたか
71年、東京生まれ。
ICIい強いスポーツ所属。
日本人初となる8千メートル峰14座の全山制覇をめざす。
96年にエベレスト、K2に連続登頂。
今春ローツェに登り、あと2座に迫る。
家族は妻と2男。


<当記事は、2009年10月24日 朝日新聞 be on Saturday の記事を転載したものです>


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「個人的感想文」

この「逆風満帆・・・」は、毎週土曜日に朝日新聞の土曜版(be on Suaturday)に掲載されているもので、各界著名人の生き様(?)を、上・中・下と3週連載で紹介してくれるもの。
時にこのような、個人的趣味ど真ん中の方も出てくることがあり、楽しみにしているコーナーの一つ。

いわゆる高所・超高所と言われる所へ向けての登山は、こと日本においては、なかなかその実績ほどに、知名度や評価が上がっていないのが現状で、今回の竹内氏も、登山の世界ではとても有名な方なのだが、一般社会においてのそれは言わずもがな、というところ。
竹内氏の隊構成が、日本産のものから混成に変わっていったのにも、そのような一面が無関係とも言えないのではないだろうか。
成果を求められ、その為に、本意ではない選択肢へと行動が傾いてしまう。
どの選択肢が正解というのではなく、生と死の境を歩くような場面が求められる時、自分が本当と思うことを忠実に出来なくなってしまう、とても恐いことに感じる。

文中、特に思いを感じるのが「登山は審判のいないスポーツ。自分でルールを課さないと。」という一文。
というのも、私も山に登るものとして(この竹内氏とは比較にならない稚拙なレベルなのだが・・・)同じようなことを考えることがあるから。
以前、山の友人ともこんな内容の話を長々とした覚えがある。
昨今、色々なところで自己責任と言われるが、まさにずばりと当てはまる言葉ではないだろうか。

含みを持たせ、次週への導入となり、次週が待ち遠しい。
また忘れずに更新したいと思います。