囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

雨の日と月曜日は

2019年05月31日 | ●○●○雑観の森

 

  【アン・バートンの至芸  の巻】


■深夜ラジオでレインソング集をやっていました。
 
■午前3時前の最後の一曲は、カーペンターズの「雨の日と月曜日は」でした。

ひとりごと 老けたみたいに
時には嫌になる なんにもうまくいかない
仏頂面しか することがない
雨の日と月曜日は いつも嫌になるの
あたしの ブルースっていう感じ
(詞:ロジャー・ニコルス、曲:ポール・ウイリアムス)

■カーペンターズもいいけれど、わたしのなかの「雨の日と月曜日は」は、このアルバム。
 
■30年前、がんに倒れたオランダの国民的歌手アン・バートンが1977年6月1、2の両日、東京のモウリ・スタジオで録音したものです。やさしさと温かみ、そして可憐で可愛い女を感じさせるしっとりとしたボーカル。米国では力強くシャウトする男勝りのパワフル歌唱が増えていったけれど、欧州では50年代風のキュートな歌手が主流でした。情緒あふれる歌声でしなやかに聴かせる44歳。円熟の至芸です。
 
■雨の季節になりました。少しあちこちが痛くなり、洗濯物が乾きにくくはなりますが、わたしはそう嫌いではありません。皆さんは、いかがですか。 

人類の英知、AIの知見

2019年05月30日 | 【カベ突破道場】 即効編

 

どの定石も使い方がある の巻】

■「AI(人工知能)の考え方」を少し復習しておきましょう。

■テーマ図は

・昭和期から連綿と続いてきた「星に三々入りからの手順=人間の場合」

・3年前に登場した新型AIの「星に三々入りからの手順=AIの場合」

 

 ▲▼二つの図をよく眺めてください。どこがどう違いますか?

 

上の図(旧定石)白4と二目のアタマを押さえています。黒は5、7、そして絶対とされてきた9、11のハネツギ。黒は10目強の地を「稼ぎ」、白は10、12とカケツギで「外が厚い」。これが相場の分かれとされてきました。

■ところがです。絶対とされてきた黒9、黒11の「ハネツギは損」とAI先生は見ているようなのです。

■この図なら、黒9を打たずに黒A、白Bで先手を取り、他の大きな手へ。つまり早い段階の三々入り(ダイレクト三々)は「稼ぎ」ではなく、「荒らし」なのでしょう。 黒Cに手が回れば、白の厚みもぼやけてしまいます。

下の図(AI定石)を見てください。白4は、ゆるめて先手を取るための手。白は、6の位置にノビる手もあります。図は最近のプロの碁でよく見られますが、変化もあります。

■と言っても、われらのヘボ碁では、どちらがいい、悪い、というほどの問題ではないように思います。それよりも……。

 

         ◇

 

■もう一度、二つの図をじっと見てください。 気が付きましたか?

 

■上の図は、左辺(図の上の方)に白の勢力ができました。

■下の図は、下辺(図の右の方)に白の勢力ができました。

■左上スミあるいは右下スミの石との関係を考えると、どう打てば白模様が大きくなりますか? 例えば左上スミの星あたりにあるのは白石か? 黒石か? あるいは石がないのか? 石がない状態で、いきなり左下スミの星に三々入りするのが、AI流です。過去、人間はこういう打ち方は悪いとしてきたのですが……。

■「盤の全体を見て、定石を選択する」ということは、こういうことなのでしょうね。

■これをしっかり考えて打つのか、部分だけを見てポンポン打つのか。カベを破れる人破れない人の違い、ではないでしょうか。 

 

 

久しぶりの「カベ突破劇場」もとい「カベ突破道場」でした。 

それではまた次回をお楽しみに、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!

 

「どの映画にも見所がある」

 ――淀川長治(1909~98年)の言葉

 


「大成功の旅だった」

2019年05月29日 | ●○●○雑観の森

 

最強最悪にして最上の接待 の巻】

■まず日経ビジネス電子版2019年5月28日記事から (必要箇所のみ抜粋した。本題に興味のある方はネットニュースでどうぞ)

令和初の国賓として25日に来日した米トランプ大統領がこのほど、大統領専用機で日本を去った。3泊4日と今までと比べて長めの滞在で日米首脳会談のほか、ゴルフや大相撲観戦などのイベントをこなし、日米関係の親密ぶりをアピールした。

今回の来日に際し、警察庁は前回より4000人増やした約2万5000人の警察官を投入すると明らかにしている。

パレスホテルのウェブサイトを調べたところ、5月25~28日までは「大型団体の宿泊がある」と記載されていた。試みに、2020年の同時期で調べてみると、大人2名、1泊朝食付きスイートで宿泊代はおよそ15万円から30万円くらいまで。国賓を1人招くのに要する政府の支出は2500万円といわれている。

さて、ワシントンに戻ったトランプは29日、「大成功の旅だった」とツイッターに投稿した。

         ◇

偏屈ジイ、つぶやく(弥次喜多問答抄)――

■地球全体を何度も廃墟にできる核のボタンを持ち歩いている男が、忖度で「豪勢な観光旅行」をプレゼントされ、大満足だったらしい。

そりゃ、誰だって何でも言う事をきくだろ

■「夫人が一緒に土俵に上がるかもしれん」「その時、審判や警備の親方たちの反応は?」「相撲協会の慌てぶりは?」などと、秘かに不謹慎な妄想を描いていたが、期待外れ?に終わった。

見所は、そこぐらいしかなかったもんな

■収穫といえば、新しいエンペラー夫妻が毅然たる態度と品格を持って対応したことのみか。

取り巻き連中はといえば、最強[最悪?]の男に卑屈なまでの言いなりだったよな

■国賓1人に「2500万円」とすると、1日当たり625万円となるか? 

そんなんじゃ、とても済まないだろ。自動車会社の元CEOも公金を堂々と使える立場だったら良かったのにな

■ま、全体的によかったね。

(それは重畳。めでたし、めでたし)

 

 

 


壊れかけのradio Vol.2

2019年05月29日 | ●○●○雑観の森
 
深夜放送とわたしの半世紀 の巻】

■暗闇に目覚め、ラジオのスイッチに手を伸ばすと、ピーター・ポール&マリーがかかっていました。
 
■通称「PPM」。平成生まれが人口の大半となった今、そう言って分かる人はどれだけいるのでしょう。皆さんは分かりますよね。
 
■1960年代アメリカを代表するフォークグループ。「500マイル」「レモン・トゥリー」「花はどこへ行った」「パフ」「風に吹かれて」「天使のハンマー」etc。反戦歌なんだけど、メッセージ性と音楽性の調和といい高みといい、唯一無二の存在。Jポップの源流の一つといえば、若い世代はびっくりするかもしれません。
 
         ◇
 
■深夜ラジオはいいですね。野沢那智、白石冬美、笑福亭鶴光、土居まさる,落合恵子(レモンちゃん)、みのもんた――。イントロクイズも好きだったなあ。
 
 

▲この10年20年と世話になってきた「壊れかけのradio」たち。左の小さい方が古く、京都→大阪→松山→大阪→東京→大阪で一緒に過ごしました。髭面だった30代後半のわたしが、プリクラの中で残っています。ボタンダウンにネクタイ、マウンテンパーカーと髭。バブル崩壊後、京都にいた頃です。


遠い日のドラマ

2019年05月28日 | ●○●○雑観の森
 
 
TVが輝いていた頃の巻】

■碁を覚えた小4の頃、わたしは田舎の「ませたガキ」だった。隣家の中1の「お兄ちゃん」の大きな存在――ペプシコーラ、縁台将棋、ビートルズ、沼釣り、本格劇画などなど。彼が下校・帰宅するまでは、退屈シノギとばかりにオヤジの書棚を漁っては、文芸春秋などの月刊誌や文学全集、百科事典の類をこそこそ読んでいた。傍らで、地元じゃ負け知らずのボス猫・マリ君がゴロニャンしていた。
 
■夜のだんらんはTVアニメ。妖怪人間ベム、リボンの騎士、オバケのQ太郎、ジャングル大帝、ハリスの旋風、巨人の星――親の前ではちゃんと「子ども」をやっていた。
 
■ところが、である。中学生の頃、土曜深夜ドラマ「お荷物小荷物」をこっそり見ていたら、起き出してきた母親に見つかって叱られた。「子どもの見るものじゃない」。理由はそれかい。とても納得できないものだった。
 
■実は内容をあまり覚えてない。調べたところ、シュールなブラックユーモアをちりばめた「脱・ホームドラマ」で、アバンギャルド作品といわれたらしい。沖縄基地・アイヌ民族・天皇制などにも触れて社会性があった。当然、エライ人たちから「有害番組だ!」とレッテルを張られた。だいたいにおいて、権力お気に入りの学者やPTAが目を付けるのは、本当に低俗であるか、はたまた大人の密やかな楽しみか。どちらかしかない、と相場は決まっている。
 
■面白いものは、どこかに「」がある。子どもの脳には刺さりやすいから、確かに「」はある。しかし、人間の真実があるなら「」がある。新奇性とリアル感も欠かせない。平明であれば上質だが、難解であっても意味が通ればよしとしよう。
 
■このところ、そんなドラマはとんとお目にかからぬ。それではキャストも育たぬ。大根ばかりでは脚本・演出も生きてこない。努力研鑽無縁の二世、三世(稀に例外あり)までも、親のコネだけで画面に出すようでは、談合社会バレバレではないか。この分野もまた悪循環だ。
 
■甘いだけのラブストーリー、派手さばかりのアクションもの、ひけらかししか感じられない最新SFX(特殊撮影)。悪くはないが、もう結構。「挑戦しない芸」は気の抜けたコーラである。定跡通りのヘボ将棋である。
 
■わたし好みは、一にヒューマンストーリー、二にミステリー・サスペンス劇場、三、四がなくて、五がファンタジー&ホラーかしらん。楽しみは、DVDかアマゾン・ビデオかユーチューブになってしまったぜ。夕陽のテレビマンよ、さあどうする。
 

あらすじ 東京・下町にある滝沢運送店は、滝沢忠太郎(志村喬)を頭とする男7人家族(息子と5人の孫)で営んでいる。男尊女卑がモットー。この店に米国統治下の沖縄から上京した「田の中菊(中山千夏)」が、住み込みのお手伝いとして働き始めた。菊は、以前のお手伝いの妹。姉は滝沢家長男と恋に落ちたが、一方的に捨てられ沖縄へ戻った。子を産んで死んだ。菊は、姉の復讐を果たすため、素性を隠して滝沢家に潜り込んだのだった。シゴキに耐え、得意の空手を駆使し、男たちを手玉にとり、次第に懐柔していく。

臆病な猫だから

2019年05月27日 | ●○●○雑観の森

 

好きなことで身を立てた芸術家の皆さんへ の巻】 

■「お祭り」に水を差すようで申し訳ありません。抽象的にしか書けない無力を嘆いていても仕方がないので、あえて書いてみます。

         ◇

■わたしは昔から無党派・無宗教で、今は白髪交じりのノンセクトラジカル(屁理屈オジサン)である。従って「年号」にも「パフォーマンス大統領来日」にも興味がない。ほぼ無関心といってもいい。しかし、決してあなどっているわけではない。ショウペンハウエル、ニーチェ、オルティガの指摘のように、現代は大衆のチカラで動いてしまう世の中だから。

■公益財団法人の伝統競技団体も、特殊法人の国有放送も、所詮は「世界の警察官?」のシモベでしかなかったことを露呈させてしまった。ここまでのメディアの報道基調も、民放各社は堅苦しく論じるには値しないエンタメ一色だし、新聞各紙もまだ何を書くべきかが手探りの状態で迷走している。

■焦点は、祭りの後の寂しさ。トランプ帰国後のこの国の動向である。1000兆円超の借金と、100兆円超の支出によって、いま何が起きようとしているのか。不気味に思っていても、誰も本気で止めようとしない当事者不在。目前の信号や目前の先行車しか見えていない未熟運転を野放しにしているかのようでもある。

■哲学者は?詩人は?作家は?その他立派なヒトたちは? 一体何をしているのか。メッセージでなく、自分の専門分野で何かやろうという気概はあるのか。手をこまぬいているのか。そもそもマインドがないのか。政治家や活動家になりそこねて?芸術家になってしまった人の出番は、今しかないのではあるまいか。

■昨日購入した日本文学全集。正宗白鳥(明治12~昭和37年)が無頼派作品に寄せた一文を読んでいて、ハッとした。いつの時代も、見えないものを見ようとしているヒトは、いるにはいる。それが表に出てくるか、くすぶって終わるのか。その国の民度は常に試されているのである。

 

 

♪ 世の中はとても臆病な猫だから

他愛のない嘘をいつもついている

包帯のような嘘を見破ることで

学者は世間を見たような気になる

 (作詞作曲・中島みゆき)


続・京都の昭和図鑑

2019年05月27日 | ●○●○雑観の森
 
▼3年前の時代祭。振り返ると「碁」の看板があった。フラッと入った。席亭のF女史の親しみやすさにひかれた。それから時々、席亭とのおしゃべりのために訪れている

 
 
 
メンタルゲームの不思議体験 の巻】

■昨日の京都の碁会所で、不思議な体験をした。

■対六段戦。わたしが相手の中央の大石を取ってしまい、もうどうやっても負けがないと思った碁だった。相手は投げない。頑張ってヨセてくる。面倒になってきた。固く固く受けているうちに、だんだんと地で追いつかれてきたのが分かる。もういいや、という気持ちになっていくが、もうどうにも止まらない。最後まで打って細い碁になり、わずかに負けた。

■対五段戦。わたしは宇宙大作戦に出て、相手に四スミを献上する。過去打ち分けの相手。五段如きになめられてたまるかの気合いである。中央に巨大な大平原が出現。しかし、やりそこなって一部の境界が破れた。いや破れかかったが、まだ完全に破れてはいなかった。相手の油断と緩みに気が付いていた。打つ場所が少なくなってきた瞬間、狙っていた大きなコウを仕掛けた。敵は事の重大さに気づいていない。結局、大きなフリカワリになり、わたしは1目勝った。相手は唖然としていた。

         ◇

■翻って、一昨日の同好会の大会について。「4連勝」したものの「決勝」で負けて<準優勝>の一件である。

■「4連勝」は冷静だった。細かなことをほぼ覚えている。碁の戦いの細部だけでなく、相手の所作の全てを。例えば、ある人のボヤキ、またある人の独り言、別の人たちの碁笥(ごけ=碁石を入れた容器)の石をかき混ぜる雑音や、エセ有段者の恥の象徴たるハガシ(置いた石を置き直す反則)など。
 
■「決勝」は既に疲れ切っていて、余り覚えていない。最初に定石外れを打たれて、楽観した瞬間に、痛恨の緩手が出てしまったこと以外は。アーアと思ったが、思うように立て直せない。碁形が悪く、焦った。悪いクセで、美人を追ってしまう。つまり、取れるか取れないかのビミョーな石を追いかけ、深みにはまっていった――。
 
         ◇
 
碁はメンタルスポーツである。
知力・体力の総和である。
我慢と根気の修行である。
なにより自分との対話である。
そして、それらが、こよなく楽しく、愛おしいのである。

京都の昭和図鑑

2019年05月27日 | インドア・アウトドアにて
 
最高気温33.5度でした の巻】

■きのう26日(日)の京都はそれなりの暑さ。でも、もう亜熱帯的な夏に慣れてしまい、むしろ室内や車内の冷房が辛いです。

■午前10時前、阪急電車を四条烏丸駅で降車。錦市場はインバウンド(訪日客)率90%で、プリティーウーマンとお付きの人、10人前後の中国語を話す集団が大半でした。
 
■「にしき」を過ぎ、寺町通、裏寺・柳小路、四条河原町を経て鴨川へ。途中、冷房対策用の長袖コットンシャツやら、昭和文学全集の一冊やら、なじみの古着店と古書店で調達。午後から、これまたお世話になっている碁会所で遊びました。
 
■スマホカメラに収めたのは、少なくとも1970年代から残っている風景です。
 
 
 
▼烏丸通を北上し、右折すると「にしき」
 
▼朝から通りの中は人、人、人
 
▼目に飛び込んでくるのはカップルと団体ばかり
 
▼やっぱり日本的なモノが人気
 
▼立ち食いの楽しみもあり
 
▼高橋 和巳(1931~71年)も立ち寄った伝説的な店
 
▼午後11時開店。周囲より少し早いのがイマドキの流儀
 
▼東郷青児の美人画のある静かな空間
 
▼クラシックがかかっている大人の店
 
▼学生時代の友人との待ち合わせは、いつもこの店
 
▼鴨川キスの情景なし。このごろの若者は根性が足りんね
 
▼三条大橋。東海道五十三次▽弥次喜多像▽池田屋事件の刀傷▽駅伝の碑など話題多し
 
▼長袖と全集。古いモノに経済的価値はないのか。1000円でオツリ、ありがたし
 

愛とバラの朝

2019年05月26日 | ●○●○雑観の森

 

バラが咲いた、ボクの庭じゃないけれど の巻】

■ご近所のバラが満開です。

■うらやましいけれど、あれこれ忙しくてチャレンジできません。ねえ、ワン、ニャン。

■今日は昼間、35度ぐらいになるとか。体感したいので、京都に行こうかしらん。

 


バカボンのパパ

2019年05月26日 | ●○●○雑観の森
 
 
これでいいのだ~ の巻】

■昭和29年の段級録(日本棋院の段の台帳)によると、有段者は1万5000人いたそうだ。このうち、大まかにいえば、
・初段10000人
・二段  3500人
・三段  1000人
・四段    300人
・五段    100人
・六~九段40人
  ――といった具合だ。

■碁を打つ人は「300万人」といわれたので、そのうち「1万5000人」とは少ない。1000人に5人の割合。碁打ち100人に「2~3人」である。他の分野に目を向けると「柔道30万人」「博士号5万人」なので、非常に少なかったことが分かる。

■当時でさえ「碁の段はインフレだ」といわれた。江戸・天保時代はさらに少なく、2~3子は認定が厳しかった。

■ところが瀬越は「もう少し甘くし、アマ有段者を10倍の『15万人』ぐらいにしてはどうか」と提案した。なぜかというと、なかなか初段になれず、疲れて碁から遠ざかる人を、なんとかつなぎとめるべきだ、と。晩年はそういうことにすべてを捧げたい、と願った。
 
■碁がいくら幽玄なものであり、どんな名人が出来たとしても、鑑賞する人が少なくては成り立つまい。立派な碁を打っても味わってくれる人がいないと碁は発展しない。従って、どうしても碁を大衆化しなくてはならぬ――瀬越はとくとくと自説を展開する。

■そういった考えを本因坊秀哉名人に計ったところ、えらくご機嫌を損ね、異端者の如くに扱われたという。初段といえば「免許皆伝」。3~1級の上級者より、さらに上の上の「特上」でなくてはならぬ。当然の反応だった。

        ◇

■60年余り経って、わが同好会はどうか。100人余りのうち、なんと大半が有段者なのだ。慶賀の至りであるが、同好会の名誉にかけて、声を大にしたい。何もここだけの話ではない!

■日本棋院の「有楽町囲碁センター」でも「梅田囲碁サロン」でも、「新宿・秀策」でも「梅田囲碁センター」でも「囲碁サロン心斎橋」でも、京都の何カ所かの碁会所でも、同好会と「同等か」「ちょっぴり厳しい」ぐらいだ。
 
■ナンチャッテ碁打ちのわたしが「四段」で打って2勝1敗ペースなのだから、何をかいわんや。少なくとも京都・東京・大阪の有名碁会所は「似たり寄ったり寄ったりのバブル段位」と、調べはとっくについているのさ。

でも、きっと。これでいのだ~ PEACE~ 

 
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わしは バカボンのパパなのだ
この世は むずかしいのだ
わしの思うようにはならないのだ
でも わしは大丈夫なのだ
わしはいつでもわしなので 大丈夫なのだ
これでいいのだと言っているから 大丈夫なのだ
あなたも あなたで それでいいのだ
それでいいのだ
それでいいのだ
(赤塚不二夫著、天才バカボン)

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瀬越憲作著、囲碁一路の巻頭グラビアより