囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

鈍牛で行こう

2020年10月23日 | 雑観の森/政治・経済・社会

 

 

リーダーにも知性と教養を、そして仁徳を 

 ~ このごろ、なんだか 軽すぎる 

 ~ ♪ 気楽に行こうよ 俺たちは の巻】

 

 

大正5年、夏目漱石は新進作家2人に2通目の手紙を書いた。

千葉の旅館に滞在していた芥川龍之介と久米正雄に宛ててーー。

 

「此手紙をもう一本君らに上げます。

君らの手紙があまりに溌剌としてゐるので、

無精の僕ももう一度君らに向つて何か云ひたくなったのです。

云わゞ君等の若々しい青春の気が、老人の僕を若返らせたのです」

 

この年、漱石は49歳で亡くなる。

文豪は、これから開花するであろう後進に

あせらず根気よく修業をするよう説いた。

ヒトはとかく馬になりたがる。

速さを、そして活躍と賞賛を求めたがるものだ。

が、牛のように超然と、ひたむきに努めよ

といったものだ。

 


「鈍牛」

こうあだ名された硬質の政治家が、この党を率いたことがあった。

読書家のクリスチャンとして知られ、「戦後政界指折りの知性派」との評もあり。

志半ば、首相在任中に急逝した大平正芳(1910~80年)その人である。

 

教条的あるいは空想的なイデオロギーが一定の支持を集めるなか

ある意味、無思想ながら日本の風土に妙になじむ党派には

個性的で尖がった鬼才、秀才が集まっていた。

今となっては、むかしのことだが……。

 

 

 

 

 

2021年は辛丑(かのとうし)――

 



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