首都大学野球連盟とは、首都圏近郊に所在する旧制大学からのチームも参加している15大学で構成された大学野球リーグです。全日本大学野球連盟に所属しています。
2017年度秋季リーグは日本体育大が3季ぶり23度目の優勝を果たし、明治神宮大会でも37年ぶり2度目の優勝を果たしました。その原動力は抜群の安定感を誇る投手陣で、明星大戦でノーヒットノーランを達成し、最高殊勲選手の東妻選手(三年・智辯和歌山高)、リーグ1位の防御率0.77を記録し、最優秀投手賞を受賞した松本航選手(三年・明石商高)の両右腕が優勝に貢献しました。野手では上西選手(二年・宇部鴻城高)、船山選手(三年・日大三高)、谷津選手(四年・向上高)が攻守にわたって活躍を見せ、ベストナインを受賞しています。
■所属リーグ 勝敗は2017年秋季リーグ戦および入れ替え戦終了後のもの
一部リーグ
日本体育大 10試合 8勝 2敗 0分 勝点4
筑波大 11試合 8勝 2敗 0分 勝点4
東海大 11試合 7勝 4敗 0分 勝点3
武蔵大 10試合 4勝 6敗 0分 勝点2
帝京大 11試合 4勝 7敗 0分 勝点2
明星大 11試合 1勝10敗 0分 勝点0
(日本体育大と筑波大の直接対決による順位)
二部リーグ
桜美林大 11試合 8勝 3敗 0分 勝率.727
獨協大 11試合 7勝 4敗 0分 勝率.636
大東文化大 11試合 7勝 4敗 0分 勝率.636
東京経済大 11試合 7勝 4敗 0分 勝率.636
城西大 12試合 7勝 5敗 0分 勝率583
明治学院大 12試合 5勝 7敗 0分 勝率.417
玉川大 12試合 5勝 7敗 0分 勝率.417
成城大 12試合 3勝 9敗 0分 勝率.250
足利工業大 12試合 3勝 9敗 0分 勝率.250
■優勝回数 2017年秋季リーグ終了時点
一部リーグ
69回 東海大
23回 日本体育大
4回 筑波大、帝京大
3回 城西大
2回 明治学院大
1回 大東文化大、桜美林大
二部リーグ
27回 大東文化大
17回 東京経済大
13回 城西大
12回 筑波大(旧; 日本教育大)
9回 武蔵大
5回 玉川大、明星大
4回 獨協大、明治学院大
3回 帝京大、桜美林大
1回 成城大
■かつて所属していた大学
創造学園大学硬式野球部
■歴史
1964年 春季に東都大学野球連盟を脱退した東海大、成城大、日本体育大、東京教育大(現; 筑波大)、武蔵大の5大学で発足し交流試合を実施。6月に全日本大学野球連盟から正式に承認を受け、新たに同様に東都を脱退した明治学院大と東京経済大の2校を加えた7大学にて秋季から正式にリーグ戦を開始
1965年 全日本大学野球選手権大会からの出場枠の獲得が決定
1966年 城西大、大東文化大、明星大が加盟。二部リーグ制に移行
1967年 獨協大が加盟。秋季から帝京大が加盟
1968年 明治維新百年記念明治神宮野球大会にて首都大学選抜チームが優勝
1969年 全日本大学野球選手権大会で東海大が連盟代表初優勝。東海大の上田二朗さん(元阪神タイガース)が春季リーグ戦でリーグ史上初の完全試合、通算39勝のリーグ新記録を樹立
1970年 明治神宮鎮座50周年奉納野球大会(第1回明治神宮野球大会)で東海大が連盟代表初優勝
1972年 明治学院大の森山正義さん(元ロッテオリオンズ。現明治学院大監督)が4試合連続ホームラン、通算26本のリーグ新記録を樹立
1975年 秋季から玉川大が加盟。日本体育大の西谷美次さんが通算39勝のリーグタイ記録を樹立
1976年 リーグ戦の試合会場を神宮第二球場から川崎球場に変更
1979年 東海大の市川和正さん(元横浜大洋ホエールズ。現西多摩倶楽部コーチ)がシーズン最高打率.541のリーグ新記録を樹立
1980年 明治神宮野球大会で日本体育大が初優勝(連盟代表通算2度目)。東海大の原辰徳さん(元読売ジャイアンツ)が通算144安打、シーズン24打点のリーグ新記録、シーズン26安打のリーグタイ記録を樹立。史上初の2度目の三冠王を獲得
1982年 明治神宮野球大会で東海大が優勝(連盟代表通算3度目)
1983年 明治神宮野球大会で東海大が優勝(連盟代表通算4度目)
1987年 明治神宮野球大会で筑波大が初優勝(国公立大学として初。連盟代表通算5度目)
1996年 春季リーグ戦で帝京大の里崎智也さん(元千葉ロッテマリーンズ)が4試合連続ホームランのリーグタイ記録
2001年 全日本大学野球選手権大会で東海大が優勝(連盟代表通算3度目)
2004年 40周年記念で学生とOBプロの対抗戦(東京ドーム)を実施
2006年 創造学園大が加盟
2008年 桜美林大が加盟
2010年 足利工業大が加盟。構成数増加に伴い、二部をA、Bの2グループ(勝率制+1位同士による2戦先勝方式の入れ替え戦出場決定戦)に変更
2011年 東海大の菅野智之選手(読売ジャイアンツ)が通算14完封、53イニング連続無失点のリーグ新記録を樹立
2012年 タイブレーク制導入
2013年 創造学園大が脱退
2014年 全日本大学野球選手権大会で東海大が優勝(連盟代表通算4度目)。一部8校、二部7校制に再編成。入替戦をこれまでの一部最下位校対二部優勝校の1カードに加えて、一部7位校対二部2位校も加えた2カードを実施
2015年 春季リーグ戦で東海大の丸山泰資選手(中日ドラゴンズ)がリーグ史上二人目となる完全試合を達成
2016年 一部6校、二部9校制に再編成
東都大学野球連盟の準加盟、三部所属校の多くが賛同を表明し東都野球連盟から脱退校、新規追加校により首都大学野球連盟が設立されました。東都大学野球連盟で下部に所属していた大学で構成されたため、発足当初はその実力が軽視ますが、リーグ結成から5年後の1969年に東海大が全日本大学野球選手権で優勝し、新興リーグとしての快挙を成し遂げました。
大学野球の2大タイトルの全日本大学野球選手権大会と明治神宮野球大会において連盟として通算9回の優勝を誇り、戦後設立の大学野球連盟で抜き出た成績を残しています。現在では主要五大学リーグ(東京六大学野球、東都大学野球、首都大学野球、関西学生野球、関西六大学野球連盟)の一つとして数えられています。
近年は学業優先のため、授業期間内は原則として平日にリーグ戦を行わない運営方式を採用しています。
■運営方法
一部6校、以下を二部とする運営
■対戦方法
一部:6校による2戦先勝方式の総当たりによる勝ち点制(引き分けは再試合)
二部:1次リーグは9校による1回戦総当たり(全8試合)、2次リーグは1~4位と5~9位の各グループ内総当り。1、2次リーグ合計の勝率により順位を決定
■タイブレーク
3時間経過または12回を終了し同点の場合はタイブレークを適用。1アウト満塁で攻撃開始。チームの勝敗と責任投手以外のブレーク適用時の個人記録は公式記録に含みません。
■入れ替え戦
リーグ戦の終了後に一部の最下位校と二部の優勝校との間の1カードのみで対戦を組み、勝利チームを次季の一部の所属とします。敗北チームは次季は2部所属となります。対戦方法は2戦先勝方式です。
■試合会場
当初は東都大学野球連盟の試合のない日に明治神宮第二球場を使用していましたが、学業優先から土日開催を目指して神宮球場からは撤退し、以後は川崎球場(当時ロッテオリオンズ本拠地)を主体の運営に変更しました。しかし、川崎球場は2000年に解体、改修され、硬式野球での利用ができなくなりました。その後は平塚球場、相模原球場、川崎市等々力球場、大田スタジアムを中心に加盟各大学の所有球場(日本体育大横浜健志台球場、明治学院大グラウンド)なども利用しながら試合を開催しています。また、これまでは神奈川県周辺を中心とした球場で行っていましたが、利便性、集客効果、公平さ等を再検討し、加盟各校付近の土浦市営球場、柏の葉や埼玉(市営大宮など)の球場も使用するようになりました。なお、一部戦は有料です。
■全国大会出場
東海大 全日本大学野球選手権大会 出場36回:優勝 4回
明治神宮大会 出場20回:優勝 3回
日本体育大 全日本大学野球選手権大会 出場10回:ベスト4 4回
明治神宮大会 出場12回:優勝 1回
筑波大 全日本大学野球選手権大会 出場 1回
明治神宮大会 出場 3回:優勝 1回
帝京大 全日本大学野球選手権大会 出場 2回
明治神宮大会 出場 2回
城西大 全日本大学野球選手権大会 出場 1回
明治神宮大会 出場 2回:準優勝 1回
明治学院大 全日本大学野球選手権大会 出場 1回
大東文化大 全日本大学野球選手権大会 出場 1回
桜美林大 明治神宮大会 出場 1回:準優勝 1回