野球小僧

大雪の方程式

東京23区に4年ぶりの大雪警報となった週明け。4年前の2014年2月と言えば、大雪の波状攻撃があり、私が成田空港から12時間かけて家にたどり着いたことを思い出します。

実のところ22日に大雪なることについては、私は予測しており、先週から”予告(22日は休むぞ)”していたにも関わらず、不覚にも出社してしまいました。それでも、早々に退社したため、特に渋滞などに巻き込まれることもありませんでした。

さて、東京を含め、私の住んでいる周辺で大雪になるのは日本列島の南岸沿いを発達しながら進む「南岸低気圧」です。4年目の首都圏に記録的な大雪を降らせたのも南岸低気圧で、しかも発達の仕方が極めて急激な「爆弾低気圧」と呼ばれるものでした。低気圧に吹き込む空気の流れが、北の強い寒気を関東の沿岸部にまで引き寄せたものでした。

天気予報などでは今回の低気圧がこのときほど発達するかは微妙だそうですが、天気図や上空の寒気の様子は似ているようです。降水量にして1時間に5~10mm程度になる見通しで、これは雨だったら「やや強めに降っている」ということで、雪なら1時間に5~10cmというとんでもない降り方です。夜寝て、朝起きてみたら1m近くも積もっているということですから。

冬に南岸低気圧がとおるのはよくあることですが、いつもいつも大雪になるわけではありません。雨が降る場合もあります。

雨ではなく雪になるほど十分に気温が下がるには、いくつか条件があるそうです。まず、①日本付近に寒気が入りやすい状態でなければならない ②その寒気の勢力がかなり南にまで及ぶ必要がある ③太平洋岸の海水温がそこそこ高く、かつその影響が強すぎて気温を押し上げることがあってはいけない というものです。すべてを満たすのは大変だが、単純化すると「大雪の方程式」ができるとのことです。

 「大雪」=「ラニーニャ」+「北極振動(極渦)」+「黒潮大蛇行」+ α

ラニーニャは熱帯太平洋の東部の海面水温が平年より低く、逆に西部は高くなる現象です。熱帯の大規模な上昇気流や下降気流の生じる場所が変化し、それが上空の偏西風に影響を及ぼして日本付近に寒気が入りやすくなります。昨年から7年ぶりにかなりはっきりとしたラニーニャが起きており、気象庁や米海洋大気局は、いまがほぼ最盛期と分析しています。

(ハイ、気象予報士目指している人はここ大事ですよ)北極振動は、北極付近の空気がまるで息をするように、寒気がため込まれたり、逆に吐き出されたりする現象です。時々、ニュースでやっていますので、観たこともある方がいると思います。ため込みの時期には寒気は高緯度地方にとどまり、吐き出しの際には中緯度地方まで大きく南下しやすくなります。上空の偏西風の大きな蛇行を伴い、ちょうど南に下がった場所めがけて寒気が流出します。連動するように、北極のはるか上空の成層圏に「極渦」と呼ばれる冷たい空気の渦ができ、その影響が下の対流圏に伝わって寒気の南下を促す場合もあります。そうなると、寒さはさらに厳しさを増します。一方、偏西風が北に上がる場所では思わぬ暖かさとなります。
北極振動に規則性はなく「カオス的」とも言われますが、今年1月ごろからはどちらかというと吐き出しのパターンに近くなっているそうです。極渦の発達も何度かみられ、その影響の下層への伝わりと、世界の様々な場所で起きている寒波襲来のタイミングが合うといいます。ニューヨーク市内で-20度近くまで気温が下がり、米東部で広く大雪が降ったり、ロシアで-60度を下回る想像を絶する寒さになったりしたのも北極振動や極渦の振る舞い、偏西風の蛇行と密接に関係するとみられています。

こうして寒さが厳しいという条件が整ったところに、日本の南岸海流である黒潮の影響が加わり、いっそう雪の降りやすい条件をつくり出している可能性があるとのことです。黒潮は九州から房総半島付近にかけての本州の南岸沖をとおり、その後は東へ向きを変えて日本から離れるのが通常の流れですが、昨年、東海沖で大きく南に曲がる「黒潮大蛇行」が12年ぶりに発生し、現在も続いています。

過去のデータの統計解析や、海と大気の間での熱のやりとりなどの計算から、南岸低気圧のコースは黒潮の影響を受けることがわかってきているそうです。温かい黒潮の近くを好んでとおるそうです。この法則に従えば、大蛇行が起きている場合は、普段よりも本州から少し南に離れたところを低気圧がとおりやすくなります。低気圧の東側では暖気が北上し、気温は上昇するから、低気圧があまり陸地に近いところをとおると雪ではなく雨になります。適度に陸地から離れていた方が雪が降ります。今回の状況は適度だったようです。

+αという変動部分は、ごくわずかな風の変化、地形の影響などによる地上の気温です。例えば東京では気温が1度未満ならおおむね雪になりますが、2度程度だと雪の可能性は50%以下になります。

公式にすれば、とても簡単ですが、南岸低気圧による大雪の予報は今でも難しいようです。最近の天気予報を観ているとわかりますように、確定の天気予報が出るのは、このときほど遅くなるのをみたことありませんから。

これから、歳とっていく身には大雪の雪かきは身に応えます。我が家での小さな除雪機の購入は却下されてしまいました。
これはもう、雪の降らないところへ移住するしかないかな・・・と思っています。


コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
私は「旅行業務取扱管理者」でも目指そうと思ったことがありますが、元来、勉強嫌いなので…

冬型が強まれば、アルプスの山々は雪雲に覆われ、荒れた天気になり、もう、ここら辺は寒いだけです。

なお、私個人の移住希望先は台湾ですが。香港は物価が高い。

eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

ハイ、気象予報士を目指して挫折・頓挫した輩です!
「大雪」=「ラニーニャ」+「北極振動(極渦)」+「黒潮大蛇行」+ αの公式は知っています。ただそれだけでないことも・・・
此方は今日から明日が寒さのピーク!白くなっています。
寒の内だから仕方ないのですが、昨年は立春過ぎたあとに大雪。
どうか今年はそんなことになりませんように_人_

鳥取は移住先リストから外れちゃいますね^^;
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