新型コロナウイルスのワクチンは現在、米国・ファイザーとドイツ・ビオンテック製、英国オックスフォード大学とアストラゼネカ製、そして米国モデルナ製の3種類が、欧米諸国などで承認され、日本より先に接種が始まっている国もあります。ただ、いずれのワクチンにおいても、2回の接種が必要で、2回目を受けるまでは完全に免疫が完成しません。
最近のニュースでも話題となることが多くなってきたこのワクチンですが、日本政府はこの3社とワクチン供給の契約を結んでおり、それぞれ、ファイザー(6000万人分)、モデルナ(2500万人分)、アストラゼネカ(6000万人分)となっています。
日本では2021年2月に、ファイザーのワクチンが承認され(モデルナ、アストラゼネカは今年の春以降の承認予定)、2月中旬から医療従事者を最初に接種して、体調変化をみる安全性調査が行われ、その後、診療や搬送にあたる医師、看護師、救急隊員の接種が始まりつつあります。
こんな感じなのですが、私たちの一般的な国民にとっては、「いつ自分の分が回ってくるか」が関心の的だと思います。
原則として居住地の市町村で行い、接種費用は全額が国の負担となり、対象者に「接種券(クーポン券)」が送付され、対象者はインターネットの専用サイトなどから予約可能な医療機関を事前予約し、1人2回接種します。
スケジュールについては、なんだかゴタゴタしていますが、まずは65歳以上の方、その後、基礎疾患を持つ方、介護従事者、60~64歳の方が接種対象になります。それらに該当しない方へは、もちろん、その後です。私も、たぶん、その後でしょう。そもそも、年齢とか介護従事者の方は明確なのですが、基礎疾患を持つ方は、誰がどのように指定してくるのかがわかりませんけど。また、対象者は当面、16歳以上とする方針です。
なお、接種は義務ではなく、あくまで推奨とのことで、接種するかしないかは個人で選択できます。ただ、接種する場合に個人で選択できないのが、「ワクチン選択の自由」になると思います。
ふつうの場合、お医者さんに行って薬を処方されるときに薬の効能の話はありますが、メーカーの話まではありません。ときどき、処方せんを持って薬局に行くと「ジェネリック(先発医薬品の独占的販売期間の終了後に発売される、先発医薬品と同じ有効成分で効能・効果、用法・用量が原則として同一とされており、先発医薬品に比べて低価格な医薬品)にしますか?」と聞かれたりしますが、「どこのメーカー(製薬会社)にしますか?」などと聞かれたことはありません。
日本の場合は、「国民皆保険制度」ということもあり、お医者さんに処方された薬をのむことに疑いを持つ人は少ないということがあるでしょう。一方で、米国など海外では自分で薬を選ぶ場面も多いので、厳しい目で比較検討します。ワクチンも同様のようです。
ということもあり(何か説明不足な感じですが)、原則として私たちはどのメーカーのワクチンを接種するかを選択することはできないのです。
ニュースでもときどき取り上げられていますが、ワクチン接種には少なからず副反応があることが指摘されます。確率としては低いものの、リスクを考えると、どのメーカーがつくったワクチンが「安全」なのかということは、一応考えてしまいます。そもそも、この3社は100%同じワクチンを製造しているのではなく、ファイザーとモデルナは「mRNAワクチン」、アストラゼネカは「ウイルスベクターワクチン」というタイプであり、根本的な作用の仕方が違うため、副反応のリスクも違っているはずです。
特に、mRNAワクチンはウイルスそのものではなく、ウイルスの遺伝子情報を身体に打ち込み、免疫反応を呼び起こすという仕組みであり、世界初の試みということもあります。また、ウイルスベクターワクチンは、アデノウイルスという風邪ウイルスを無害にしたものに、新型コロナウイルスの遺伝子情報を組み込んだものです。
そうはいっても、徹底的に安全性については検証しているとは思うのですが、2002年~2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)や2012年に流行した中東呼吸器症候群(MERS)のワクチンがまだ完成していないのに対して、今回のワクチンが前例のないほど早いスピードで開発されているのには、検証リスクが充分かどうかに不安を持っても仕方がないことだと思えます。
ただ、ワクチンの有効性は、ファイザー95%、モデルナ94.5%、アストラゼネカ70%といわれており、インフルエンザワクチンの有効性が約50%とされるので有効性は高いとされていますが、副反応については、米国疾病対策センター(CDC)がファイザーのワクチンを接種した約190万人中21人がアレルギー反応を起こしたというニュースもあります。一般的に同様の症状がワクチン接種後に起きる割合は100万人に1人とされており、今回は集計時点で9万人に1人の割合だったそうです。
なお、アストラゼネカのワクチンについて、ドイツの政府関係機関が65歳以上の高齢者への接種を推奨しないと見解を発表しました。これは、ドイツ政府に予防接種政策について助言する予防接種常任委員会(STIKO)が、「65歳以上の高齢者に対するワクチンの有効性を評価するためのデータが不十分」と指摘したためとのことです。
そもそも2回接種するときに、「最初のワクチンと2回目のワクチンの種類が違っていたとしても、大丈夫かどうか?」という評価がされているのかどうかも不明なことですけどね。
不安ばっかり列挙しても仕方がありませんが、ワクチンに期待するしかないのも現実です。
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