野球小僧

警視庁巡査部長 西部警察署捜査課捜査係 大門圭介部長刑事 

2020年になって、半年以上世界中を襲い続けている新型コロナウイルス感染症の流行による社会的風潮のひとつとしていろんなものを可視化させてくれているのかもしれません。

「自粛警察」「マスク警察」と来て、「帰省警察」が登場しました。

日本人は、どちらかというと、規律を重んじる国民性を持っていると思います。災害時の炊き出しなどでも、行列を乱さずきちんと並んで順番を乱さない道徳性は、海外からは不思議さとともに称賛をされている美点でもあると思います。そこには、日本人は「みんなで力を合わせてがんばろう、団結して一つになり目標を達成しよう」という意識が、スローガンだけではなく、言動として、ほかの国よりかなり強いような気がします。

野球やサッカーなどの団体競技においてもそのような傾向はみられるような気もします。ある程度、個人の犠牲や自由の制限もむをえないと考えことが多いのだと思います。

そのように、団結心を大事にする中で、「自分は、決まりを守っている」という思いが強くなりすぎ、その決まりを「ほんのわずか」でも破っているように「見える(思える)」場合に、その対象を許せなくなるのではないのではないかと思えます。

これも、日本人が持ち合わせているものだと思います。TVなどで戦前、戦時中のドラマがありますが、軍国主義だったころの、「欲しがりません勝つまでは」「ぜいたくは敵だ」などの挙国一致政策時において、ほとんどの国民は、この標語を遵守していましたが、その一方で守らない人々を「なぜ勝手な行動をするのか」と激しく攻撃するような場面を観たことがあります。

「自粛警察」「マスク警察」「帰省警察」という現象は日本人の強みが引き起こす負の側面であるといえるかもしれません。

そもそも、「警察」とは、国家の実力組織であり、権力行使を以て国家の治安を維持する行政作用およびその主体をいい、社会の安全や秩序を守る責任を課された行政機関です。もちろん、個人だろうが、その集団であっても、警察権を行使することはできません。

また、(新警察法施行の1954年以降)日本の警察は、警察法2条1項の定めるところにより、「個人の生命」「身体および財産の保護に任じ」「犯罪の予防」「鎮圧および捜査」「被疑者の逮捕」「交通の取締り」「その他公共の安全と秩序の維持」を責務とする行政の活動になります。

ということで、「自粛警察」「マスク警察」「帰省警察」などの「私設警察」については、次の罪に問われる可能性が指摘されています。

軽犯罪法1条33号:店舗に無断で張り紙をする行為
威力業務妨害罪(刑法234条):暴言を書いた張り紙により、店舗経営者を心身ともに疲弊させたような場合
強要罪(刑法223条):張り紙に生命身体財産等に危害を加える旨の脅迫文言を書いて自粛を迫った場合
侮辱罪(刑法231条):侮辱的な表現の張り紙が行われた場合

また、民事においても張り紙による名誉毀損や営業妨害があった場合や、店主や店員が精神的苦痛を受けたときは、売上減少の逸失利益や慰謝料等について不法行為(民法709条)に基づき損害賠償請求を受けることになる可能性が指摘されています。

また、2020年5月3日に菅義偉官房長官は記者会見で、こうした自粛警察と呼ばれる行為に対し、「法令に違反する場合は関係機関で適切に対処したい」と述べています。警察が警察に取りしまられることになってしまいますのでね。

このように、何かと警察好きな日本ですが、警察といえば、先日、渡哲也さんが亡くなりました(話が強引ですが)。渡哲也さんの代表主演作といえばいろいろありますが、何といっても「西部警察」でしょう。

西部警察は、1979年10月~1984年10月にかけてテレビ朝日系列で全3シリーズが放送されたテレビ朝日・石原プロモーション制作のTVドラマです。

凶悪犯罪渦巻く東京・城西地区(渋谷区・港区・新宿区・目黒区一帯)。大門圭介部長刑事(演:渡哲也さん)は西部警察署捜査課の刑事たちを、「大門軍団」の異名でリーダーとして率い、彼らからは「団長」と呼ばれ、犯罪者から恐れられています。強固な意志と絆で武装した男たちは、彼らを見守る捜査課長・木暮謙三警視(演:石原裕次郎さん)の指揮の下に、最新テクノロジーを搭載したスーパーマシンの数々を駆使して、時には銃弾の雨あられの中、大爆発の炎の中、巨悪に立ち向かというストーリーです。

「自分で蒔いた種は自分で刈り取る」が持論であり、部下の失敗をほとんど責めることはなく、自分の進退をかけて部下をかばうこともあり、今でいう「理想の上司」かもしれませんが、単独行動を行った部下が失敗したりした場合には、鉄拳を振るうという「パワハラ上司」でもあります。それでも、部下からの信頼は絶大でなものです。

「自分は、自分のことを語るのはあまり得意ではない。とにかく自分は、どんな理由があるにせよ、悪は許せないと考えている。だから非情といわれても、捜査は徹底的に行う。それは人を追いつめることではなく、人を憎むことではなく、罪を憎むことだ、と思っている」 ― 西部警察署部長刑事 大門圭介

現在は、まさしくそのとおりですね。

新型コロナウイルスによってお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、日々新型コロナウイルスと戦っている医療関係など、私たちの命と生活を守るために働いてくださっている関係者の方々に、心からの敬意と感謝いたします。

どうか、みなさまとご家族、関係者の方がご健康であっていただければと思っております。1日でも早く流行が終息の方向に向かうことを願っております。

私のブログにお越しいただいてありがとうございます。また、明日、ここで、お会いしましょう。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

ですよね、鳥取団長。おやっ?

黒岩軍団も良かったですが、あの頃は観ておらず、後に再放送で知った次第です。西部警察も、本放送はほとんど観ておらず、再放送派でした。

役柄とはいえ、あれだけのリーダーシップを見せるようなものは、今では見られませんよね。

追記
タイミングはずれてしまいましたが、「辞任」でしたね。ただ、第5のシナリオだったとは・・・。
まっくろくろすけ
副会長さん、こんばんは。

探してみた甲斐がありました。
ただ、先ほど再確認したところ、「ほぼ毎日」ではなかったようです。申し訳ございませんでした。
eco坊主
おはようございます。

大都会シリーズは「PARTII」派です。
「団長」は国にこそ必要です。あれっ!?

いつ渡哲也さん(大門圭介部長刑事)をお書きになるのかと待っていました。
その日はショックでした。思わずRayBanのグラサンを取り出した次第です。
そしてどれだけヨウツベで団長の雄姿を観た事か・・・
また書きますが今の日本に団長=大門刑事部長のような人が必要です!


多くの方に感謝しつつ自ら冷静に行動をしたいと思います。
ここにお越しの皆様もどうかお気をつけください。
osushimax
先日教えていただいたので、早速ひかりTVで西部警察見てます
ありがとうございました
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