ロベルト・デ・ビンセンツォ (元;プロゴルファー)
Robelt・de・Vicenzo
1923年生まれのアルゼンチン出身の元プロゴルファーです。
1942年にプロ初勝利。2006年に引退した時が83歳。その間にプロ通算230勝、PGAツアー8勝、ワールドカップ3勝を挙げています。
1968年マスターズトーナメントの17番ホール・パー4での出来事です。
ロベルトさんはこのホールをバーディーで上がりましたが、パートナーがスコアカードに一打少ない3を記入してしまいました。そして、18ホールが終わった後、署名する前に、そのミスに気付かなかったため、ペナルティを受けてしまったということがあります。
さて、ロベルトさんが現役時代のことです。
あるトーナメントで優勝し、賞金の小切手を受け取って帰る準備をしていていました。
駐車場に向かっていると、一人の女性が話しかけて来ました。
彼女はロベルトさんの勝利をたたえた後、自分の子どもが重い病気にかかって死に掛けているが、お金がないために、医者に見せることもできないのだと伝えました。
それを聞いて哀れに思い
「これが子どものために役立てば良いのだけど」
といって、獲得したばかりの賞金の小切手を彼女に渡しました。
翌週、彼がカントリークラブで食事をしているとテーブルにゴルフ協会の職員がやって来ます。
「先週、駐車場にいたやつらが、君がトーナメントで勝った後、そこで若い女性に会っていたといっていたが・・・」
ロベルトさんはうなずきました。
「実は」と職員は言葉を続けました。
「彼女は詐欺師なんだ。病気の赤ん坊なんていないんだ。結婚すらしていないんだよ。君はだまされたんだ」
「すると、死に掛けている赤ん坊なんていないのか?」
「そのとおりだ」
すると、ロベルトさんは笑いながらこう言いました。
「そうか。そいつは今週で一番の良い知らせだ」
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3月です。
皆さんにも、一番の良い知らせがありますように。