ウクライナ大統領はロシア侵攻後の2022年2月25日に、「われわれに助けは来ないようだ。共に戦ってくれる国はいないのか。われわれはNATOに加盟できないのか。誰もが(ロシアを)恐れている」などと訴えていました。
ロシアの侵攻に対して、北大西洋条約機構(NATO:North Atlantic Treaty Organization)は東ヨーロッパ防衛態勢を強化し、「加盟国が攻撃された場合」は集団的自衛権の発動を強調していましたが、NATOに加盟していないウクライナに対してNATO事務総長は「ウクライナに派兵の計画はない」としていました。
ウクライナは2008年にNATOと将来的な加盟で合意していましたが、加盟には全会一致が必要であり、ロシアを刺激したくない一部の国の反対で実現できていません。
昔、社会で勉強したと記憶していますが、NATOとは第二次世界大戦が終わりを迎えた後、旧ソビエト連邦との対立(冷戦)が深まっていき、1948年に英国、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクが結んだ「ブリュッセル条約」に基づく軍事機構条約が基になり、米国やカナダなども参加して1949年4月4日に多国間軍事同盟として創設されました。
NATOの目的は主に次の3つです。
集団防衛
危機管理
協調的安全保障
加盟国の領土および国民を防衛することが最大の責務とされています。つまり、加盟国が外部からの攻撃に対して相互防衛に合意し、集団防衛(条約第5条)のシステムを構成していますので、NATOに加盟していないウクライナに直接的に軍事的支援をしていない理由はキチンとした理由があると理解しています。
一方でNATO加盟国からウクライナへの武器供与のほか、医薬品などの支援が行われています。
NATO創設時点では加盟12ヶ国でしたが、現在は30ヶ国にまで拡大し、加盟国軍隊は計約332万人(2021年推計値)、加盟国の国防費総額は 約1兆485億米ドル(同)となっています。
しかし、1989年に始まった東ヨーロッパでの革命と、その後のソ連崩壊にともなって、NATOは当初の目的である集団的自衛権を行使しないままでした。その後は新戦略を模索し、域外の紛争処理や予防とし、1999年のコソボ紛争ではセルビアに対して初めて空爆を実施、2001年9月の米国への同時テロでは、初めて条約第5条を適用し、アフガニスタンを攻撃しています。
そもそも、今回、ロシアがウクライナに侵攻していて理由の一つとして、NATOの東方拡大が自国に対する脅威とみなしています。ウクライナが加盟すればかつて旧ソ連を形成し、ロシア人も住む国から、長い国境を接して武器を向けられることになる、として強く反発しています。その背景には 1999年にチェコ、ハンガリー、ポーランド、2004年には旧バルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)などいわゆる旧東側諸国がロシアからの支配や圧力を逃れて相次ぎNATOに加盟してきたからだと考えます。
さて、「NATOに加盟することが、自国(ロシア)の安保を脅かす」という理由でウクライナ侵攻しているロシアですが、2月25日に「フィンランドとスウェーデンがNATOに加入しようとする動きをみせ、安保を脅かす行為をしている」とし、「実際NATOに加入すれば有害な結果を招く恐れがあり、軍事・政治的に深刻な結果に直面するだろう」、「フィンランドがNATOに加入すれば、ウクライナのようになる恐れがある」としています。
北東ヨーロッパの地図を見ますと、ロシア西南部のモルドバ、北西部のフィンランドとスウェーデンなどは非加盟でまだ中立の立場です。
ただ、私にはこの地域の政治的なことなどの状況を充分に理解できているわけではないのですが、ロシアによるウクライナ侵攻を目の当たりにしますと、この地域のNATO非加盟国は、「自国を守るためにはNATO加入が必要だ」と考えるようになるのが自然ではなのかなと考えられるのですが。
さて、NATO自体はその名のとおり「北大西洋」を中心とした国々で構成されていますが、日本はNATOには加盟していませんが、グローバル・パートナー国として名を連ねています。
「日本とNATOは基本的価値とグローバルな安全保障上の課題に対する責任を共有するパートナーであり、今後も、互いに関心を有する分野及び地域において、安全保障環境の改善に貢献していくことが期待されています」
外務省公式サイト
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