野球小僧

第67回 全日本大学野球選手権 展望

第67回全日本大学野球選手権が明日開幕します。選手権の優勝争いは、戦国東都で3連覇を果たした東洋大と東京六大学リーグで秋春連覇を果たし4年ぶりに出場する慶應義塾大が中心になりそうです。

しかし、昨年準優勝した国際武道大(千葉)、ベスト4に入った東海大北海道キャンパス(札幌)、首都大学リーグで5季ぶりに覇権を奪回した東海大、全国ベスト4常連の創価大(東京新)など、実力あるチームが虎視眈々と春の王者を狙っています。

今年はピッチャーにドラフト候補が揃っています。その中でも注目なのは、2年連続で出場する東洋大(東都)の150km/h右腕トリオです。

エースの上茶谷大河選手(かみちゃたに・たいが/四年・京都学園高)は最速151km/hのストレート。そしてスライダー、スプリットを武器に三振が奪える本格派ピッチャーです。昨年秋まではリーグ戦で6試合(4回2/3)に登板しただけですが、冬にフォームを修正したことで球質が上がり、制球も安定しました。

この春のリーグ戦ではエースとして10試合に先発して6勝2敗、防御率2.29(リーグ2位)で、最高殊勲選手、最優秀投手、ベストナインを獲得しました。駒沢大戦では20個の三振を奪い、東都リーグの1試合最多奪三振の新記録を樹立しています。プロのスカウトは「内外角の低めに制球できる。安定感のある投球だけでなく、打者に向かっていく姿もいい」と評価しています。

最速155km/hの甲斐野央選手(かいの・ひろし/四年・東洋大姫路高)は、ストレートと140km/h前後のスプリット、スライダーでバッターをねじ伏せる投球です。ストレートの球威が目立ちますが、変化球のコンビネーションでストレートを生かすタイプです。チームの守護神として今春は9試合にリリーフとして登板、1勝0敗、防御率1.80と好成績を収めました。プロのスカウトは「低めに角度のあるストレートとスプリットを投げられる。ピンチでも動じないし、気持ちの入った投球を見せる」と高く評価しています。

優勝がかかった亜細亜大との試合では、上茶谷選手と甲斐野選手と2試合連続で完封リレーを完成させるなど、上茶谷-甲斐野の継投は東洋大の”勝利の方程式”となっています。

もうひとり、梅津晃大選手(四年・仙台育英高)はプロのスカウトから「素材は一級品」と言われるスケールの大きなピッチャー。最速153km/hのストレートにスライダー、カットボール、カーブ、フォークでバッターを打ち取ります。一年夏には10球に1球ほどボールがすっぽ抜け、投球ができない状況になってしまいましたが、近距離でのスナップスローを繰り返すなど練習を重ねて克服し、昨年秋にリーグ戦初登板を果たしました。春のリーグ戦は、開幕カードの中央大との2回戦に先発して、敗れはしたものの、7回1失点の好投を見せました。しかし、リーグ戦期間中のオープン戦で足首に打球を受けて負傷し、その後は登板機会がありませんでした。

東洋大の杉本泰彦監督は「大学選手権でも先発は上茶谷と梅津、抑えは甲斐野でいく」と明言しており、150km/h右腕トリオでの全国制覇を狙っています。

他には、3年ぶりに出場する東海大(札幌)の146km/h右腕の青島凌也選手(四年・東海大相模高)。キレのいいストレートと多彩な変化球でバッターを打ち取ります。

2年連続出場の国際武道大(千葉)の左腕・伊藤将司選手(四年・横浜高)はストレート、スライダーを低めに集め、試合をつくるピッチャーです。昨年の大学選手権ではチームを準優勝に導いています。

富士大(北東北)の149km/h左腕の鈴木翔天選手(四年・向上高)はボールの出どころが見えにくいフォーム。カーブ、スライダー、チェンジアップを投げ分け、バッターを翻弄します。

ただし、この3人は今春のリーグ戦でケガなどで活躍できず、青島選手はコンディションを崩して出遅れ、リーグ戦は1試合の登板、伊藤選手は左ヒジの違和感でベンチを外れ、鈴木選手もリーグ戦開幕前にヒジを痛めて登板を回避しています。しかし、3人とも深刻な状態ではなく、大学選手権で力を見せて欲しいと思います。

35年ぶりに出場する国立の星は広島大(広六)の148km/h右腕・中田朋輝選手(四年・宇部高)。カットボールなど多彩な変化球を駆使し、安定感は抜群。この春のリーグ戦では6勝を挙げ、防御率0.68をマークし、初の最優秀選手賞に輝き、昨年春から今春まで3季連続となる最優秀防御率賞、ベストナインを獲得しています。

この選手権大会では、地方リーグからの選手が活躍するのが楽しみです。昨年は岡山商大(中国)の近藤弘樹選手(現;東北楽天ゴールデンイーグルス)、岐阜経済大(東海)の與座海人選手(現;埼玉西武ライオンズ)らが選手権で活躍し、秋のドラフト会議で指名され、プロ野球入りしています。

大学野球も全国の逸材たちが集う戦いは目が離せません。


コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
おっ。大学野球も研究を始めましたか、と思いきや、一番肝心の東京六大学・慶應大の連覇を失念は残念でしたね。

でも、東洋大3本柱を、斎藤世代の早稲田大の3本柱と重ねるところはさすがです。

これからの分、伸びしろは東洋大3本柱の方が上じゃないかな、と思います。
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

昨日は某国営放送で放映があったので久々に試合終了まで観戦。
ってそっちの話ではないですよね^^;

東洋大の3人は知っております。
優勝の最有力だということも。
慶應大が秋春連覇を果たしたことは知らなかった・・

東洋大の3人は以前の早稲田の3人と比べてどうなんでしょ?
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