東京辰巳国際水泳場で行われた競泳日本選手権2日目(4月3日)。
男子平泳ぎ100メートル決勝で北島康介が58秒90の日本新記録で4大会連続のオリンピック出場を決めました。
そして日本選手権5日目の昨日(6日)、男子平泳ぎ200メートル決勝でも優勝。
途中まで日本新記録を上回るペースでした。
「ありがとうございます。あー、なんも言えねぇ」
4大会連続ということは、それだけでも12年。
オリンピックという4年に一度の大会に照準合わせて日本新でキッチリ勝つ凄さです。
よっぽどメンタルが強く、自己管理が出来ていなければ、この12年という間の(ほぼ一発勝負で決まる)オリンピック出場というのは達成できないと考えます。
北京オリンピックの後、北島は一年半近く休養をとっています。復帰後はケガもあり、昨年秋には成績も記録も伸びませんでした。
ですが、アメリカでのトレーニングを経て今回のオリンピック選考会に標準を合わせて調子を整えてきました。
しかも記録は北京オリンピックを越えています。
先日のTVで
「アメリカから戻ったとき、姿勢が変わっていたと平井コーチが言っている。タイムを計るとき、あの北島康介が、『お願いします』『ありがとうございました』と、17歳の高校生のときのようだったと話してました」
とコメントがありました。
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この本は昨年発売されたものですが、そんな彼の精神的な強さが、どこから来るのかが判ります。
もちろんオリンピックでなくとも、勝負をしなければならない時、そこにプレッシャーは付き物だ、それに打ち勝つには、自分の思いをより強くしていくしかない。
ネガティブな思考に陥りそうになったら、自分の出発点に帰り、「絶対に勝つ」、「勝ちたい」という気持ちを確認すればいい。
そしてその思いで頭を一杯にして、不安が入り込めないようにする。
時には、それを言葉にするのもいい。
生意気だとか、ビッグマウスだとか言われながらも、僕は「勝つ」と言い続けた。
言葉は生き物で、自分の状態に影響を与える。
「自分は勝つ」と言い続ければ思考も勝つ方向に進んでいく。
人間は気持ちに制御されている部分が大きい。
気持ちが萎縮すれば、体も委縮するし、逆に気持ちがのびのびとしていれば、体ものびのびと動くようになるのだ。