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三為契約とは?

2022年08月20日 | 不動産用語解説

不動産業者が物件を転売する際は、三為契約と呼ばれる契約を用いることがあります。

不動産業者が三為契約を用いて物件を転売すれば、税金を節約できるなどのメリットを得ます。

一方、三為契約を用いて転売される物件の買主は、長期間にわたり修補を請求できるというメリットを得ると共に、本来より高く物件を購入することとなるリスクを負います。

三為契約をわかりやすく解説し、三為契約により転売される物件を購入する際の注意点をご紹介しましょう。

三為契約とは「第三者のためにする契約」の略であり、不動産業者が物件を転売する際に用いることがある契約

三為契約とは、「第三者のためにする契約」を略した不動産用語であり、第三者のためにする契約とは、不動産業者が物件を転売する際に用いることがある契約です。

不動産業者が三為契約を用いて物件を転売する主な流れは、以下のとおりです。

  1. 売主と「第三者のためにする契約」の特約が盛り込まれた売買契約を結ぶ
  2. 買主と売買契約を結び、買主から物件代金を受け取る
  3. 買主から受け取った物件代金を以て、売主に物件代金を決済する

以上が、不動産業者が三為契約を用いて物件を転売する主な流れです。

流れを見る限り、不動産業者が三為契約を用いて物件を転売することによるメリットはないと感じます。

強いて挙げれば、物件代金を用意することなく転売できるといった点でしょうか。

しかし、不動産業者が三為契約を用いて物件を転売すれば、物件の買い取り額が買主に知れることなく転売できるというメリットを得ます。

三為契約を用いて物件が転売される際は、売主と不動産業者、不動産業者と買主の間で売買契約が交わされるのみであり、売主と買主の間では売買契約は交わされません。

これを理由に、買主が物件の買い取り額を知ることは、事実上不可能です。

よって、不動産業者が三為契約を用いれば、売主と5,000万円の売買契約が結ばれた物件を、買主に1億円で売却するなどの転売が可能になります。

三為契約とは、不動産業者が物件を転売する際に用いることがある契約

くわえて、不動産業者が三為契約を用いて物件を転売すれば、売主から買主に所有権を直接移すことができます。

売主から買主に所有権が直接移れば、不動産業者は転売をするにもかかわらず所有権を取得しません。

所有権を取得しなければ、所有権を取得することにより課される登録免許税と不動産取得税を節約できます。

三為契約により転売される物件は、一般的な物件より長期間にわたり修補を請求できる

一方、三為契約によって転売される物件の買主は、売主が個人である一般的な物件を購入するより、長期間にわたり修補を請求できるというメリットを得ます。

売買契約を結びつつ物件を購入し、その物件に売買契約の内容を満たさない欠陥があれば、買主は売主に修補を請求できます。

とはいうものの、売主が個人である一般的な物件は、修補を請求できる期間は長くとも1ヶ月程度、短ければ1週間程度です。

これに対して、不動産業者が三為契約を用いて転売する物件は、最低でも2年にわたり修補を請求できます。

三為契約により転売される物件は、一般的な物件より長期間にわたり修補を請求できる

しかし、三為契約によって転売される物件の買主は、三為契約で物件が売買される仕組み上、買い取り額を知らないまま物件を購入することとなります。

購入額がその物件が有する価値と相応であれば問題はありませんが、購入額が価値を大きく上回る場合は、好ましくありません。

その物件をフルローンで購入する際は、特に注意が必要です。

たとえば、本来は5,000万円の価値しかない物件をフルローンを利用しつつ1億円で購入すると、返済を滞らせた際に物件を売却しても5,000万円しか得られないという債務超過の状態に陥ります。

三為契約の詳細は、私が運営するサイト「誰でもわかる不動産売買」で公開するコンテンツ「第三者のためにする契約とは?図解でわかりやすく解説」にて詳しくご説明中です。

同コンテンツでは、不動産投資を行う投資家が三為契約により転売される物件を購入することにより負うリスクや、三為契約を用いて物件が転売される際のお金の流れなどもご紹介しています。

三為契約にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。それではまた次回の更新でお会いしましょう。不動産のあいうえおでした。

第三者のためにする契約とは?図解でわかりやすく解説


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