住宅などの建物を取得すると固定資産税が課されますが、新築から30年が経過すると税額はどれくらいまで下がるのでしょうか。
木造と鉄骨鉄筋コンクリート造の建物の30年後の固定資産税をご紹介しましょう。
木造は28%程度から20%程度まで、SRC造は52%程度から31%程度まで下がる
まずは、木造の固定資産税が30年後にどれくらいまで下がるかご紹介しましょう。
木造の30年後の固定資産税の下がり具合は、建物の用途によって異なり、以下のとおりです。
- 住宅、農家住宅用建物、ホテル、旅館、料亭用建物、事務所、銀行、店舗 … 新築時の28%程度から20%程度まで下がる
- 劇場、病院用建物、公衆浴場用建物、工場、倉庫、土蔵、ガレージなどの附属建物 … 新築時の20%程度まで下がる
以上が、木造の30年後の固定資産税です。
「住宅、農家住宅用建物、ホテル、旅館、料亭用建物、事務所、銀行、店舗」の30年後の固定資産税は、28%から20%程度と8%の差があります。
その差は、1㎡あたりの再建築費が高額であれば28%程度まで下がり、1㎡あたりの再建築費が安価であれば20%程度まで下がるとお考えください。
再建築費とは、その建物と同一の建物を現時点で新築するために必要となる、材料費と労務費と建築会社が得る利益などの合計です。
また、30年後に固定資産税が下がっているのは、建物にかかる固定資産税のみです。
木造住宅などを購入すると、一部例外を除き、建物と土地の両方を所有することとなり、その両方に固定資産税が課されますが、築年数が経つことにより下がるのは、建物にかかる固定資産税のみとなっています。
土地にかかる固定資産税は地価などによって変動し、近くに公共施設ができるなどして地価が上がれば税額が高くなり、周辺の景気が悪化するなどして地価が下がれば税額が安くなります。
一方、鉄骨鉄筋コンクリート造の30年後の固定資産税も建物の用途によって異なり、以下のとおりです。
- 住宅、アパート、ホテル、旅館、市場用建物、工場、倉庫、発電所、変電所、停車場、車庫用建物 … 新築時の46%程度まで下がる
- 店舗、病院、百貨店、劇場、娯楽場建物 … 新築時の52%程度まで下がる
- 公衆浴場用建物 … 新築時の31%程度まで下がる
木造の30年後の固定資産税が新築時の28%程度から20%程度であるのに対し、鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋は、52%程度から31%程度と下がりにくくなっています。
鉄骨鉄筋コンクリート造は、木造より耐久性があることを理由に固定資産税が下がりにくく、ゆっくりと税額が下がります。
一般に「マンションは一戸建てより固定資産税が下がりにくい」といわれますが、それは事実であり、鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションは、木造の一戸建てより固定資産税が下がりにくくなっています。
なお、30年後など、築年数が経過することにより鉄骨鉄筋コンクリート造の固定資産税が下がるのは、木造と同じく建物部分にかかる固定資産税のみのため留意してください。
ちなみに、私が運営するサイト「固定資産税をパパッと解説」で公開するコンテンツ「木造の30年後の固定資産税はいくら?」では、今回ご紹介した木造住宅の30年後の固定資産税が、新築時の28%程度から20%程度であることの根拠をご紹介しています。
木造住宅の30年後の固定資産税にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。それではまた次回の更新でお会いしましょう。不動産のあいうえおでした。