4日目 2015年4月16日(木)晴れ
早朝から海上では、トビが餌を求め滑空し、イワツバメが海面近くを鳴きながら飛んでいる。
二十三番薬王寺は早朝であり、人影もまばらであった。本堂・太子堂は仁王門から百段ばかりの厄除坂を上ったところにある。今回は瑜祇塔まで脚を伸ばし、日和佐の海を一望する。このあとは最御崎寺までは時間を要するので、参拝後、門前の「薬王院無量寿」でトイレを拝借する。
発心の道場を終え、いよいよ修行の道場である。高知までは国道55号をほぼ道なりに進む車遍路。途中歩き遍路の多さに驚いた。長姉が確認のつど記録したところ、薬王寺を出てから室戸岬までの行程で、50人を超す人数となっていた。単身の方が多かったが、夫婦連れや外国人のお遍路さんも散見された。前回の時よりも3倍ぐらい多い感覚である。きっと、5月の末までに結願を果たすことであろう。四国霊場開創1200年記念のスタンプや記念の御姿も頂戴することができる。合掌。
室戸岬手前の大師修行の地御厨人窟にも立ち寄る。東側の神明窟は内部が部分崩壊し、2年前と同様立ち入り禁止となっていた。お詣りを済ませ、今回は納経所に立ち寄り御朱印を頂戴する。
最御崎寺は、国道からスカイラインを上った室戸岬の先端に立つ。駐車場から常緑照葉樹スダジイが群集する道を歩いて、まず先に室戸岬灯台を訪ねた。岬の突端からは太平洋が一望できたが、しばらく雨模様の日々が続いたせいか湿気をはらみ空と海の境界も定かでなく、期待した青い空と青い海の広がりはなかった。
このあと二十四番最御崎寺をお参りする。仁王門は灯台側にたっている。岬のお寺とはいえ、境内は平坦で仁王門を入ればほぼ境内が一望できる。本堂と仁王門の間には安山岩でできた鐘石があり、叩くと小気味よい金属音がする。納経所の奥へ行けば、そこは前回の宿「室戸岬最御崎寺遍路センター」がある。
国道までのスカイラインの下りは絶景である。車は国道と別れ室津港方面へ左折し、二十五番津照寺への参道前で皆を降ろし、港の駐車場へ。駐車場からゆっくり3分ほどで津照寺山門へ到着。120段ほど階段を上りつめる高台の本堂は、改修工事も完了し初めてのお詣りである。堂の中での読経となる。
港の駐車場から室津川を渡り、西進しさらに右折し、国道55号に出て5分ほど走る。元橋を越え右折、岬西寺の二十六番金剛頂寺への山道を進む。駐車場からは樹木が両側に繁る石段を上り、仁王門を抜けると、スダジイのうっそうと繁る森に囲まれた境内に出る。森には県の天然記念物ヤッコソウが自生する。
歩き遍路であれば、境内から山腹を辿り行当岬をショートカットすることになるが、車遍路は来た道を戻るしかない。国道に出て行当岬をグルッと回って道の駅キラメッセ室戸「食遊鯨の郷」で予定通り昼食とする。駐車場は満杯状況であったが、この先食事処を考慮していなかったので、時間を要してでもここで食事をすることにする。ミニちらし丼セットを食す。段取りよく並んだため、待ち時間も最小限で済んだ。
国道55号線を高知方面へ35分ほど車を進め、さらに、二十七番神峯寺は車遍路泣かせの急勾配の山道を4kmほど進むことになる。特に最後の数百メートルは遍路中最も険しい。仁王門を入っても本堂までは更に130段ほどの石段を登ることになる。石段脇の麗水「神峯の水」で喉を潤す。階段両側のツツジの花の開花には早いが、しゃくなげが咲いている。シャクナゲを背景に写真を撮る。
帰り道は新しくできた農免道路を経て、土佐くろしお鉄道なはり線の唐浜駅手前を右折し、狭い生活道路を通って国道に出る。あとは国道を海岸沿いに西に30kmほど左に海を眺めながら進む。途中野市あたりまで延伸した高知東バイパスを利用し、一気に野市あたりまで車を進め、県道22号へ右折し4kmほどで二十八番大日寺に着く。狭い参道を上ると山門前に駐車場があり、階段を登ってこじんまりとした境内へ。
次の二十九番国分寺への道はなかなかわかりにくい。前回迷ったので、今回は慎重に車を進めたのだが、土佐山田駅付近を過ぎ、香美警察署を過ぎたあたりで土讃線を横切る予定をしていたが、たまたま遮断機が下がってしまったので、道なりに進めたことが思わぬ失態を招く。このため時間をロスしたばかりでなく、山崎商店の「へんろいしまんじゅう」を購入する時間も失ってしまう。残念至極である。
駐車場は仁王門横を今回は利用した。門をくぐれば本堂まで石畳が続く。前回は修復中であったが、室町時代の柿葺き寄棟造の美しい本堂を拝観する。写経所への通路には牡丹の花が満開であった。
県道45号へ戻り距離を稼ごうと北進し県道256号を今回も利用した。1kmと短いのだが離合不可能な狭い道路で、2台も行き交ってしまった。遠回りがおすすめだ。そのあとは県道384号を道なりに6kmほど西進し、右折すると三十番善楽寺に着く。
土佐神社に隣接した山門もないこじんまりとした寺である。ライターの付きが悪く新しいライターを購入した。納経所の入口には色々な花が飾られていた。エンジの色の見慣れない花もあり、写真に収める。予定通りの行程をこなし、やれやれである。
前回は来た道を戻って県道384号に出たが、今回は、土佐一宮神社の参宮道の脇道を南進し、高知駅北口へ進む。
日程も4日目であり、明日帰京の姉たちの帰りのチケットを購入する。高知駅北口の駐車場に車を止め、13時13分発の「南風16号」と接続する岡山からの新幹線のチケットを確保し、次回降車の折の場所などを確認し、土産などを買い求める。
今日泊まる宿は、前回と同じ「城西館」。高知駅からはりまや橋交差点を右折し、国道32号を2kmほど18時10分宿に着く。北側の部屋を確保したので、今回は高知城が見える。夕食は土佐の地のものを使った懐石で、少しずつの量でほぼ完食した。
4日目(13,125歩) 走行距離 198.4km