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「……怖い話?」
「ホラーじゃないよ。本格ミステリーだから。」
「あーそーなんだー…。」
「まあ、要するに、今現在は誰も知られてない殺人の話。………犯人以外は。」
晴海の言葉に、美帆はゾクッとしました。
「そうゆう事言うと怖いでしょ!」
晴海が続けます。
「今年(2010年)さ、4月に殺人事件の時効が廃止されて。」
「そうゆうニュースあったね。」
「円山さんのは1993年で17年前だから、2010年4月現在で、時効が成立してるんだけど、星河さんのは……。」
「あんた、何でそんな怖い事言う訳?これだから、ミステリーファンは……。」
「星河さんは1997年なんで、まだ時効が成立してない。」
「………。」
「……まあでも、別に単なる事故かもね。警察も結局事故で処理してるし。だけど……。」
二人はお互いを黙って見つめました。
(もし事故ではないとしたら?)
「おじさんたち、亡くなったおばさんから、何か聞いてるのかな。」
「多分知らないと思う。と言うか、お母さんも何があったかなんて知らないんじゃないかな。」
美帆はお母さんが亡くなる少し前の事を思い出しました。
今(2010年)から5年前の2005年、美帆11歳。
宮子の病状が悪化し、重篤になりました。
先が長くないと気付いた宮子は娘に、生まれた時の事を伝える事にしました。
「実はあなたが生まれた時に色々あってね。昔はなかったんだけど、今は検査が出来るから、お父さんと本当の親子かちゃんと調べてほしいの。」
「お父さんと私は本当の親子じゃないの!?」
「多分間違いなく親子だと思うけど、一度はっきりとさせておく方がいいから。お父さんにもそう話す。」
「なんで?」
「理由はお父さんも知ってるけど、もう少し大きくならないと教えてくれないかも。」
「何それ?」
「この鍵なんだけどね。」
宮子はそういうとある鍵を美帆に見せました。
「これね、お母さんの実家……おじさんちにある、お母さんが使ってた机の引き出しの鍵。その引き出しに写真が入ってるから。」
「写真?」
「そういう事はないと思うけど、もしお父さんが違うって言われたら、写真の人がお父さん。」
「ええっ!お父さんやおじさんは知ってるの?」
「お兄ちゃんは知らないの。お父さんは知ってるんだけど。」
「お父さん、写真の事知ってるの?」
「知ってるけど、今は完全に忘れてると思う。もし、やっぱりお父さんとは本当の親子って分かったら、写真の事、お父さんに言わないでね。」
「どうして?」
「なんか、その話になるといつも気まずかったから…。」
「ふーん。」
「でも、もし写真を見て困った事があったら、必ずお父さんに相談してね。」
「なんかよく分からないけど、分かった。」
宮子から鍵を受け取りながら、美帆は答えました。
そして、2010年。
お母さんの言葉を思い出して、美帆は晴海に言いました。
「私、お父さんのとこに行ってみようかな。」
「ホラーじゃないよ。本格ミステリーだから。」
「あーそーなんだー…。」
「まあ、要するに、今現在は誰も知られてない殺人の話。………犯人以外は。」
晴海の言葉に、美帆はゾクッとしました。
「そうゆう事言うと怖いでしょ!」
晴海が続けます。
「今年(2010年)さ、4月に殺人事件の時効が廃止されて。」
「そうゆうニュースあったね。」
「円山さんのは1993年で17年前だから、2010年4月現在で、時効が成立してるんだけど、星河さんのは……。」
「あんた、何でそんな怖い事言う訳?これだから、ミステリーファンは……。」
「星河さんは1997年なんで、まだ時効が成立してない。」
「………。」
「……まあでも、別に単なる事故かもね。警察も結局事故で処理してるし。だけど……。」
二人はお互いを黙って見つめました。
(もし事故ではないとしたら?)
「おじさんたち、亡くなったおばさんから、何か聞いてるのかな。」
「多分知らないと思う。と言うか、お母さんも何があったかなんて知らないんじゃないかな。」
美帆はお母さんが亡くなる少し前の事を思い出しました。
今(2010年)から5年前の2005年、美帆11歳。
宮子の病状が悪化し、重篤になりました。
先が長くないと気付いた宮子は娘に、生まれた時の事を伝える事にしました。
「実はあなたが生まれた時に色々あってね。昔はなかったんだけど、今は検査が出来るから、お父さんと本当の親子かちゃんと調べてほしいの。」
「お父さんと私は本当の親子じゃないの!?」
「多分間違いなく親子だと思うけど、一度はっきりとさせておく方がいいから。お父さんにもそう話す。」
「なんで?」
「理由はお父さんも知ってるけど、もう少し大きくならないと教えてくれないかも。」
「何それ?」
「この鍵なんだけどね。」
宮子はそういうとある鍵を美帆に見せました。
「これね、お母さんの実家……おじさんちにある、お母さんが使ってた机の引き出しの鍵。その引き出しに写真が入ってるから。」
「写真?」
「そういう事はないと思うけど、もしお父さんが違うって言われたら、写真の人がお父さん。」
「ええっ!お父さんやおじさんは知ってるの?」
「お兄ちゃんは知らないの。お父さんは知ってるんだけど。」
「お父さん、写真の事知ってるの?」
「知ってるけど、今は完全に忘れてると思う。もし、やっぱりお父さんとは本当の親子って分かったら、写真の事、お父さんに言わないでね。」
「どうして?」
「なんか、その話になるといつも気まずかったから…。」
「ふーん。」
「でも、もし写真を見て困った事があったら、必ずお父さんに相談してね。」
「なんかよく分からないけど、分かった。」
宮子から鍵を受け取りながら、美帆は答えました。
そして、2010年。
お母さんの言葉を思い出して、美帆は晴海に言いました。
「私、お父さんのとこに行ってみようかな。」
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