ふらんきーのブログ

「日本大好き外国人」ではございません。

自戦解説パート2

2014-04-17 18:30:59 | 囲碁

さて、先ほどの碁の続きです。

ここまでの手順を再掲します。

94手目まで黒優勢ですが、まだまだ先は長いです。

(第一譜~106)

101=(19-六)

106手目まで見てみましょう。

黒95と手厚いヨセを選びましたが、

この手は恐らく97とオサエておくほうがまさりました。

その理由は後ほど明らかになります。

白104は黒からの出切りを防いだ手です。

目数自体は大したことがないようにも見えますが、かなり手厚い手です。

白としては黒に手厚いヨセを与えず、難しい局面にもちこみたいところです。

黒は105と中央を囲い、106の切りを迎え撃ちます。

(第二譜~117)

この譜から雲行きが怪しくなってきます。

106の切りに対して107から109のアテ、カケツギは正しい応手ではありませんでした。

113と中央を囲って十分かと思ったのですが、、、

(参考図1)

正しくは黒1と引くべきだったようです。

白が2と抵抗してくれば黒3と叩いて黒9まで、

この決め方のほうが実戦より遥かにすっきりとした形でした。

これなら黒良しでした。

実戦黒113と止めたあと、白114のハサミツケが良いヨセです。

黒がアテれば白は当然コウに弾きます。

このコウに実は黒が勝てないのです。

手厚いはずなのにコウに勝てないのは精神的ダメージが大きいです(笑)

この手があるので、95は97におさえる方が良かったです。

(第三譜~137)

ここからは負けコースに転落していきます。

この辺りで秒読みに入りましたが、明らかに乱れてます(笑)

(参考図2)

121は、参考図のようにヨセるのが良かったと思います。

特に黒1を一本打っておくのが、中央の味の関係で逃してはいけない点でした。

また、3のコスミツケが急がれました。

実戦はこの両方を白に打たれてしまっています。

また黒127から135も疑問。

味は悪いですが、11-五にハネて頑張るところでした。

今思えば、この辺りの一連の手が敗着かもしれません。

(第四譜~155)

白にジリジリとヨセられ、ヨセに入った時点で盤10ほど良かった形勢が、

ここではすでに半目勝負になっています。

本当にひどいヨセでした。

あとは中央の黒地の付き具合が勝負です。

白は140から143まで中央にアヤを求め、

154と出て行ったのが決め手でした。

どうやらこの手が成立しては白に残るようです。

155は154の右におさえるしかなかったですが、それでも半目負けだと思います。

さて実戦、黒155のハネだしに対して白は良い手があります。

お恥ずかしい話、見えてませんでした。

次の譜を見る前にみなさんも考えてみてください。

(第五譜~170)

 

156のアテコミで痺れました。

黒はおさえることができないのです。

おさえると、

(参考図3)

白2の切りから白8まで黒崩壊です。

ということで実戦は157と緩めるよりなく、

170まで大きく食い込まれてしまい、決定的な差となってしまいました。

あとは総譜に委ねます。

(総譜、315手完、白一目半勝ち)

174=(309) 176=(10-二) 178=(7-二) 181=(227) 182=(12-九)

186=(13-一) 195=(198) 239=(273) 240=(2-七)

(コウ取り→184、187、190、193、200、203、206、209、215、218、221、224)

 

すみません、最後の半コウめんどくさいので省略しますが、最終的に黒315とつなぎます

前譜の時点で勝負あった格好ですが、176から花見コウでとどめを刺しに来られました(笑)

どうせ負けと思って粘ってみたところ、

相手の手順が悪かったこともあってほとんどダメージなくコウを解消することができました。

それどころか少し得したと思います。

が、残念ながら再逆転には至りませんでした。

結局最後は一目半負け。

 

ということでかなり長くなってしまいましたが

お付き合いいただいた方、

どうもありがとうございます。

反省点だらけの碁でしたが、お楽しみいただけたら幸いです。

もちろん質問や感想は大歓迎でございます。

引き続き、応援のほどよろしくお願いします。

 

それではまたー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


自戦解説シリーズ

2014-04-17 11:40:35 | 囲碁

最近更新のペースが急激に遅くなってしまっていて、

これはよろしくないなーと思っている次第でございます。

やることが多くて少しナーバスになってしまっていました。

えーと、最近何をしているかというと、

授業が始まったので、学校に行ったり

初めて一人で囲碁の講座を任せていただけることになったので

その準備。

あと、実は5月から教育実習にいくので、

もろもろの手続きやら。

私、元々は英語教師志望でして、

そのために大学に入ったような感じなので

棋士にはなりましたが、せっかくなので教員免許も取っておこうと考えてます。

最近、英語を使う機会がめっきり減ってしまっていて

教育実習のこともありますが、

英語で欧米地域に囲碁普及することが夢なので、

改めて英語を勉強することに今一番時間を割いています。

そんなこんなで自分の囲碁の勉強の時間がかなり削られてしまっていることが悩みでもありますが、、、

 

えーそんな中、昨日も手合いがありまして、

残念ながら負けてしまったのですが、

少し詳しく解説したいと思います。

性根が負けず嫌いなので、負けた碁を振り返るのは悔しいものですが、

負けた碁ほど、研究する価値があるのは間違いないと思います。

こないだの棋譜は総譜だったので見づらかったなーという反省もあるので、

手順を少しずつ載せていきます。

 

(王座戦研修予選、黒マイヤーフランシス初段 白佐藤優太初段 )

(第一譜、1~9)

5手目ですぐに星からシマるのはあまり見ない布石かと思いますが、

実は前からちょいちょい試している形です。

「マイヤー流」です(笑)

ちなみに勝率は良くないですww

黒9のオオゲイマは三々を誘ったような意味があります。

(参考図1)↓参考図は碁盤の色を変えてます

参考図1のように白が三々に入れば、14までのような進行が一例として挙げられます。

黒もなかなか手厚いので、このような図を目指していました。

(第二譜~27)

実戦は白10と穏やかにスベリました。

黒11の打ち込みは白14とただ取られたようですが、まだ味を見ています。

以降、かなり淡々とした布石です(笑)

布石は何が正解なのかわかりづらくはっきりしたことは言えないのですが、

黒23のツメは27と守る調子を求めました。

白24のオサエに石がくると、左辺が薄くなっているので3ー九などの打ち込みを許すわけにはいきません。

(第三譜~35)

黒29はどう打っていいかわかりませんでした。

30と守らせてもったいない気もするし、、、

ほんとは、

(参考図2)

せっかく打ち込んだので、黒1、3の出ギリをやりたかったのですが、

白6とコスまれて良い図が浮かびませんでした。

シチョウが良ければ7と押す手が有力ですが、あいにくこの碁は14と逃げられてしまいます(笑)

 

ということで実戦は29と飛びで決めて、31とツメたのですが、

この手は力を溜めたあとにまた力を溜めたようなおかしな手でした。

(参考図3)

なぜ黒1と打ち込まないのか(笑)

ここで戦いになれば飛んだ手も活きてくるのですが、、、

実戦は32とコスミツケられて右上に手がかかりすぎです。

そのわりにまだはっきり地ではないので、明らかに判断を誤りました。

白34のハイは黒の薄みを睨んだ好点。

黒は受ける形もないので、遅ればせながら35と打ち込みました。

(第四譜~46)

黒35から45まで、なかなかの稼ぎだと思います。

白としては部分的に多少損しても薄くならないような形で収めて、先手を重視しました。

というのも46が厳しい。

ここに打たれると黒としては頭が痛いところです。

(第五譜~59)

この譜は本当に悲惨なことになってしまいました。

お見せするのが恥ずかしいぐらいです、、、

黒59まで、この一団は一眼もなく、

しかも白の壁に向かって逃げるしかないという投了したくなるような状況です。

お昼ごはんを食べたら帰ろうかと思いました(笑)

こうなってしまった原因は47手目と53手目にあります。

(参考図4)

実戦47のケイマでは参考図4、

黒1とコスミツケるのが形でした。

白2のノゾキには黒3などで軽くサバいて、この方が勝りました。

しかしこの手よりもむしろ53手目のサガリの罪があまりにも大きかったです。

(参考図5)

黒1とグズむ手が一番しぶとかったようです。

この部分は相当真剣に読まなくてはいけないところなのに

あまりにも安易に着手をしてしまいました。

グズミの変化も相当難解ですが、

(参考図6)

(6=16)

白2のサガリに3のコスミツケがシャレた手。

白4は最強の抵抗ですが、

黒9のハネ出しからコウにして黒17のソバコウを利用して、

この図は白がもちません。

もちろん白はどこかで変化することになりますが、

黒はこう打たなくてはいけませんでした。

実戦でははっきり黒ダメです。

(第六譜~75)

ところが、黒敗勢だったのが

この譜で急に元気を取り戻します(笑)

白74まで何故かこの白がヨリつかれて辛い生きを強いられることになってしまいました。

黒75までこの一帯が猛烈に厚い形になり、もはや形勢は黒良しです。

原因は、白60、64とここに二手かけたのがそっぽだったからです。

(参考図7)

白60で白1とここにカケられていたら黒は戦意喪失していたと思います。

白7まで、この後黒はつながることはできますが、

黒は一連の着手が何も生み出していないダメ場ばかりを打たされています。

(参考図8)

また、白64でも

封鎖されないように白1と押しておくのが大事な手でした。

ここで頭を出しておけばまだまだ黒が大変な碁です。

(第七譜~94)

白は80から中央の削減に向かいます。

黒も無理をせず、92、94のような辛い手を打たせて満足です。

 

さてこの辺りで弱い石もなくなったのでヨセに入ったとみていいでしょう。

感触としては正しくヨセれば黒盤10ぐらい勝てそう。という感じだと思います。

少し長くなってきたので、この続きはパート2に譲りたいと思います。

パート2ではヨセの良くない見本がみれるので(笑)

総譜はパート2の最後に載せようと思います。

 

それではまた後ほど(笑)