ノンフィクション失楽園

昨夜テレビをつけっぱなしで眠っていました
途中で目が覚めたのですが、映画失楽園をやっていて。
ああ～そういえば大流行したなぁ～なんて思いつつ画面を
ぼんやり見ていたのですが。
あれって中年Ｗ不倫カップルが毒入りワインを飲んで
心中するという物語でしたよね。
（手短に説明すると、すっごく短絡的になっちゃいますが）

失楽園というのは、もともと創世記に登場するアダムとイヴの物語。
蛇に唆されたアダムとイヴが禁じられていた善悪の知識の実
を食べたために、エデンの園から追放されるというお話。
それを叶わぬ恋に溺れて心中するという男女に重ね合わせた
ものなのでしょうか・・・

映画の画面はとても美しくてロマンチックでした。
ドラマ化もされましたが、こちらはかなり生々しかったような
そんなことを考えていたら以前聞いた心中事件のことを
思い出しました。

ある小さな街での出来事でした。
既婚者会社員Ａ氏は部下の女性Ｂさんと不倫関係に。
不倫が会社員の奥様に発覚して破局を迎えると
誰もが思っていたのですが
２人は彼女のマンションの一室でガス自殺を図り、
（都市ガスではないので安全弁が閉じるという
機能はなかったそうです）
異臭に気づいた住民が管理人さんに部屋を開けて
もらったところ、既に２人は亡くなっていました。

ご遺体はそれぞれの家族が引き取りました。
そして荼毘にふされる日。
小さな街ですから、同じ火葬場に２人の遺体は運ばれ
共に煙となって冥府へと旅立って行きました。
そこで涙に暮れていた会社員の奥様は
『煙になってまで、２人一緒だなんて・・・』と
呟いたそうです。

心中するしかなかったのでしょうか。
死ぬ気になれば２人で夜逃げ、という方法も
あったかもしれないのに。
でも死を選択するに至るまでには、複雑な気持ちの変化が
あったに違いありません。

私にもそんな心境になる日が来たりするのでしょうか・・・