中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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秋の信濃路:北国街道・浅間山・海野宿を巡る(4):秋の浅間山(1)

2009年11月06日 05時58分46秒 | 関東・伊豆箱根・上信越

                <浅間山中腹から湯の平を望む>

    秋の信濃路:北国街道・浅間山・海野宿を巡る(4):秋の浅間山(1)
                    (単独および家族旅行)
            2009年10月9日(金)~12日(月)

第2日目:2009年10月10日(土)

<小諸の朝>

■今日は忙しい

 昨日,湘南新宿ライン,信越本線,JR関東バス,しなの鉄道を乗り継いで小諸に到着した私は,市内の弟の家に泊まった.
 今日は,横浜から自家用車で駆けつける息子と合流して,弟,息子,私の3人で,浅間山を周遊する予定である.息子は某大手自動車メーカーの社員である.連休を利用して,明日,明後日の2日間は,家族とともに秋の信濃路を楽しむことになっている.一方,同じく横浜在住の次女一家と家内も,息子の発案で,明日,明後日を一緒に過ごす予定のようである.
 今日は忙しい.
 まず,息子の到着を待って,浅間山を一回りする.その後,JR佐久平駅近くにある弟の別荘へ移動する.明日,明後日は,弟の別荘を借りて,一族全員で宿泊する予定である.そのために,今日中に受け入れ準備をしなければならない.
 それに,久々の弟,息子の組み合わせで登山するので,夜は是非懇親会を開きたい.
 「こりゃ~・・・大変だな」
 昨夜は,こんなことを考えながら就寝.

■横浜の息子が到着
 息子が横浜から自家用車で来るとなると,どんなに早くても8時頃だろうと思いながら,馴れない寝具でウトウトしながら過ごす.その内に明け方近くになって,ぐっすり眠り込んでしまう. どのくらいの時間,熟睡したのだろうか,
 「・・・兄貴,××ちゃん(息子)が,もう着いたよ・・」
と,弟に起こされる.まだ,6時前である.
 「え~ぇ・・・! 偉く早かったな・・・」
すると,息子は,
 「昨日,夕食後直ぐに寝たら,午前2時に目が覚めた・・・6時間ほど寝ているので,大丈夫だと思って,直ぐに出発したんです.途中,渋滞が全くなかったので,結構早く着いちゃった・・・」
という.
 早いに越したことはない.
 私たちは,早々に朝食を済ませ,登山の準備に取りかかる.

<浅間館から高峰高原ホテルへ>

■2台の車で浅間山荘へ

 朝食を終えて,7時03分に,2台の車に分乗して,小諸市内の弟の家を出発する.私は,土地不案内の息子の車に乗車する.途中,小諸市内のコンビニに立ち寄って,昼食,非常食を購入する.序でに,火山館の管理人,K田さんへのお土産に少しばかりの食料を仕入れる.
 小諸市郊外から,チェリーパークラインを走る.途中の三叉路で右折して枝道に入る.そして,7時21分に浅間山荘(天狗温泉)無料駐車場に到着する.

                 <車坂高原から佐久地方を見下ろす>

■浅間山荘から高峰高原ホテルへ
 ここで,息子の車を駐車場に置いて,弟の車に3人が乗車する.7時26分,浅間山荘を出発する.往路を分岐までもとって,ふたたびチェリーパークラインを登る.高度が高まるに連れて,視界が開けてくる.この辺りの紅葉は,まだ早くて,1週間後ぐらいが見頃になりそうである.
 7時47分,高峰高原ホテルに到着する.観光シーズンなので,駐車場は満杯に近く,結構混雑している.ホテルオーナーのY岸さんに,挨拶してから登山を開始しようかと思ったが,まだ朝が早いので,出勤していないだろう・・私たちは帰りにY岸さんに挨拶をすることにして,7時52分,高峰高原ホテルから歩き出す.

<第2外輪山を周遊>

■高峰高原ホテルから歩き出す

 登山をする前に,高峰高原(標高約1000m)の中を,少し散策する.そして枝道を通って,第2外輪山の蛇骨岳(標高2359m)に抜ける裏コースに合流する.
 暫くの間,高峰高原沿いのなだらかなトラバース道が続く.空は晴れている.暑くも寒くもない.高原の空気は,さすがに美味しい.森の木々の間から高峰山が見えている.
 やがて,登山道の勾配がきつくなり始める.登山道の状態も悪くなる.朽ち果てた倒木や苔だらけの溶岩が露出している悪路を登り続ける.

               <心地よいトラバース道の裏コース>

■蛇骨岳
 8時49分,標高2070メートル付近で小休止.一息入れる.辺りは白樺の林に囲まれていて,見晴らしはない.
 8時51分に,再び歩き出す.相変わらず悪路の連続である.朽ち果てた倒木の上を歩いたり,ドスンと落ち込む大きな岩の間をすり抜けたりしながら,黙々と登り続ける.息子は若いだけあって,余裕綽々である.辺りには登山客の姿は全くない.シ~ンと静まりかえっている.
 やがて,シャクナゲの群生地に入り込む.シャクナゲをかき分けるようにして,踏み跡程度の頼りない山道を登り続ける.そして,9時49分,第2外輪山の尾根にある蛇骨岳山頂に到着する.
 尾根に出た途端に,視界が開ける.ゴツゴツとした外輪山から数百メートルの断崖の下に広がる湯の平,その向こうに浅間山(2569m)と第1外輪山の前掛山(2493m)が聳えている.

            <蛇骨岳付近から剣ヶ峰方面を望む>

■群馬県側の眺望
 9時51分,蛇骨岳山頂を出発する.第2外輪山のリムに沿って,尾根歩きを楽しむ.進行方向左手には,浅間山脈の山々から谷川岳付近まで広々とした展望が美しい.眼下に田代湖や集落が点々と見えている.


■湯の平を見下ろす
 進行方向右手には,丁度紅葉の見頃を迎えた湯の平高原が見下ろせる.湯の平の向こうには,浅間山と前掛山,その右手にゴツゴツとした第2外輪山の剣が峰,牙山(ぎっぱやま)が聳えている.
 小さな上り下りが連続する.

          <第2外輪山リムから湯の平を望む:前方は剣ヶ峰>


               <第2外輪山のリムを進む:右手に浅間山>




■Jバンド突端で一休み

 10時20分,湯の平への下り坂,Jバンドに到着する.
 そのまま,Jバンドを下っても良いが,折角なので,Jバンド下山口を通過して,第2外輪山の突端まで行ってみることにする.
 ゴツゴツとした岩稜は歩きにくい.踏み跡程度の道を10分ほど歩いて,10時30分,第2外輪山の突端に到着する.ここは浅間山が最も近く見える場所である.
 目の前一杯に浅間山が大きく見えている.
 浅間山の火口は,群馬県側に傾いているので,ここからは火口そのものは見えないが,火口の位置はハッキリ分かる.山頂から群馬県側に視線を移すと,一番高いところから数百メートル離れたところに大きな岩があるのが分かる.この岩は,俗に千トン岩と呼ばれているが,火口の群馬県側の一番低いところにある岩である.
 昨日までの大雨が火口に堪っているのか,火口からモクモクと水蒸気が湧き出すように出ている.

      <Jバンドの先端:左が浅間山,右が前掛山:千トン岩が見えている>


        <Jバンド付近から湯の平を望む:中央付近に三っ石が見えている>

<紅葉の湯の平>

■Jバンドから湯の平へ下る

 10時39分,突端部から往路を引き返す.
 10時50分,Jバンド下山口に到着する.ここで数名の登山客とすれ違う.
 Jバンドを下り始める.第2外輪山の火口壁をヘツって作られている急勾配の道である.万一,火口原側に転落したら,ほぼ垂直に近い崖を,一気に数百メートル墜落することになる.とはいえ,結構道幅があって,転倒さえしなければ,決して危ないところではない・・・が,下り始めて直ぐの所の様子が,以前とは一変している.
 頭上からおびただしい落石があったらしくて,鋭い角を持つ板状の岩が,登山道を埋め尽くしている.私たちは落石で道幅が狭くなっている所を,崖下に転落しないように,最大限の注意をしながら通り過ぎる.
 後で,火山館のK田さんに伺うと,最近あった地震で,この辺りの岩石が崩落したとのことである.
 これから,Jバンドを歩く予定の方々は,くれぐれも足元に注意して欲しい.

                   <Jバンド下山口>

■三っ石
 11時頃,険しいJバンドを下りきって,湯の平に到着する.ここで,中年女性の登山者とすれ違う.
 湯の平の一角に立って,今,下ってきたばかりの第2外輪山の山々を見上げる.屏風のような絶壁が黒斑山,トーミの峰辺りまで続いているのが見える.
 湯の平の草花は,すっかり紅葉している.私たちは,周囲の風景を眺めながら,ゆっくりと湯の平を火山館方面に向けて歩く.
 途中,三っ石で休憩を取ろうかと思ったが,数組の先客が居るので,三っ石を通過する.左手に浅間山を眺めながら,南へ向けて歩き続ける.

                 <湯の平から第2外輪山を望む>

<前掛山(第1外輪山)>

■浅間山登山ルートへ
 弟が,疲れたので,このまま火山館に下って,昼寝をしているというので,私と息子の2人だけで,浅間山,前掛山方面へ行けるところまで登ってみることにする.
 弟と別れ,ショートカットをして浅間山登山ルートに出る.そこで,NPO浅間山クラブの監視員に出会う.監視員は,某大学の地質専門家を数人連れて,調査のために浅間山頂に向かうとのことである.
 「防毒マスクを持っていれば,浅間山頂まで行っても良いですよ・・・」
と,監視員が言う.
 私たちは,当然,防毒マスクなど持っていない.そこで,第1外輪山の前掛山の山頂を目指すことにする.
 とはいえ,今日の私は,何となく調子が良くない.そんなに速い速度では登れないので,終始,私のペースで登り続ける.私の後から登ってくる息子は,さすがに現役の登山家なので余裕綽々である.

■浅間山登山道を登る
 急勾配のザレ道を,少しずつ登り続ける.高度が上がるに連れて,段々と寒くなる.やがて,登山道は群馬県側に回り込むようにして山頂に向けて直登に近いルートになる.多分30度近い急坂である.
 上空に雲が出てくる.ますます寒くなる.

                 <第1外輪山:前掛山>

■前掛山へ
 12時14分,浅間山火口(釜山)と前掛山への登山道の分岐点に到着する.一息入れて,前掛山を往復する.残念ながら雲が沸いてきたので眺望は利かない.山頂から直ぐに引き返して,12時38分に分岐点に戻る.
 そのまま往路を辿って,湯の平まで降りる.

                   <前掛山山頂に立つ息子>

                               (つづく)
「関東・上信越の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/825d06fcb8f943dc316f8747fc9a0e1a
「関東・上信越の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/8a3b78df7004a1335b312d74c4fb270b
 



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