中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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色々な方とお付き合いしながら登る丹沢;塔ノ岳(今年19回目)

2011年04月21日 20時31分48秒 | 丹沢の山旅

                                                           <花立山荘直下から富士山を望>

    色々な方とお付き合いしながら登る丹沢;塔ノ岳(今年19回目)
          (登りお付き合い;下り単独山行)
         2011年4月20日(水)
 後曇

■平日なのにバスは混雑
 4月も下旬になると,温かい日が連続するようになる.それでも,早朝はヒンヤリとしている.
 丹沢へ出掛けるときは,何時もそうだが,必ず“出掛けるか”,“それともやめるか”の葛藤がある.やっぱり,心のどこかに,丹沢へ出掛けるのは面倒だなという気持ちがある.でも,これも毎度のことだが,登山用の服装に着替えると,どういう訳か“行くぞ!”という気分になるから不思議である.
 定刻の5時10分,自宅を出発する.東の空から太陽が昇ったばかりである.キラキラと輝く太陽の光が街路樹に眩しく当たっている.もっとも日が遅い真冬の頃は,一番バスが大倉に到着する頃,ようやく朝日が射し込んでくるのに較べると,随分の朝が早くなったなと驚かされる.
 霊によって,小田原駅で東海道本線の電車からたった2分の乗り継ぎ時間しかないのに,ハアハアいいながら,階段を駆け上り駆け下りて,7時23分発新宿行き電車に乗り換える.まさに,心臓バクバク.塔ノ岳登頂で,ここの乗り継ぎかもっとも大変である.
 渋沢発大倉行1番バスは,平日にしてはまずますの繁盛である.軽く座席が埋まる程度の客で賑わっている.沢山の登山客に混じって,韋駄天のTさん,S藤さん,N村(弟)さん,カメラマンのMさん,S藤さん等々,蒼々たるメンバーが乗車している.
 6時58分にバスは大倉に到着する.例によって,私は一番遅く7時08分に大倉を歩き出す.

100名山完登の方が上から目線で・・
 今日も身体がやや重い感じがする.でも路面はまあまあ乾いている.数名の方を追い抜いて,登山口,克董窯,丹沢ベースと,それぞれの区間を(私の)標準所要時間4分で通過する.
 観音茶屋を過ぎると,路面の石が濡れていてヌルヌルと滑りやすくなる.観音茶屋を過ぎると登山道の勾配がややきつくなり.道幅が狭いジグザグ道になる.私は中年男性にだんだんと追いついてしまう.
 後ろに私の気配を感じた男性は,私の方を振り向きながら,
 「・・・私は100名山を終えて,今,200名山を登山中です.」
と話しかけてくる.私は,仕方なく,
 「そうですか・・凄いですね」
と返事をする.これで,私はこの男性を追い抜く切っ掛けを失う.再び私に聞く.
 「あなたはどの程度登っているんですか・・」
 「私ですか・・わたしは100名山に挑戦していませんが・・結果的に,登ったのは70座ぐらいでしょうか・・」
とありのままにお答えする.すると,突然,上から目線で,男性の自慢話が始まる.
 どこそこの山が一番きつかったとか,どこそこで遭難し掛かったとか・・話に切りがなくなる.彼は塔ノ岳には体力維持のために頻繁に登っているという.私は内心で,それにしては,お目に掛かったことがないなと,不思議に思う.
 雑事場ノ平付近で,彼は,
 「私は,年に数回は塔ノ岳へ登っていますよ・・あなたも時々,塔ノ岳に登るんですか?」
と自慢する.私は“何だ!・・年に数回で頻繁なのか”と呆れながら,
 「そうですね・・大体,週に2回程度でしょうか,他の山へ行っているときは回数が減りますが・・」
とありのままにお答えする.
 「へぇ~・・週に2回も! それじゃあ~・・なたに敵うわけはない」
と,ついさっきまでの上から目線が,見る見るうちに萎びる.
 そして,やっと私に道を譲る.
 彼は雑事場ノ平で休憩を取るというので,私は一気に加速して,7時43分に見晴山荘を通過する.ラップタイムを見ると,彼とのお付き合いで,心ならずも2分ほどロスしている.
 私は決して自慢しているわけではない.いや,むしろ,何時もお目に掛かっている常連と方々に比較すれば,登攀回数も,所要時間など,私は数段,劣っている.これらの方々の歩き振りを見て,ご常連の中での自分のポジションを十分理解しているし,それなりのコンプレックスも持っている.
 要するに,初対面の方とお話しするときに,かつてのサラリーマン時代の管理職気分のまま,すぐに上から目線で話をするのはヤメタ方が良いと言いたい.

■ご常連と一緒に・・
 見晴山荘からの急坂に差し掛かる.ふと前方を見ると,お馴染みさんお三方の後ろ姿が見える.すぐ先にご常連女性2人,少し離れたところにカメラマンのMさんが居る.
 モミジ坂に差し掛かるところで,まずはお二方に追いつく.この中のお一人,F田さんは外国の旅に出掛けていたという噂を聞いていたので,お話を伺いながら,お二人と一緒に歩く.そして,もう今日はラップタイムを記録するのはヤメにようと思う.
 F田さんが行かれたコースは,ネパールの有名コースである.たまたま私も10年ほど前に歩いたことのある.
 仕事では,これまでにも何回も海外へ出掛けているが,純粋の山歩きとしては,私にとって初めての経験だった.
 このコースを歩いたことが切っ掛けになって,翌年,キナバル山へ,さらにはキリマンジャロ,モンブラン,ユングフラウ,メンヒ,アパチャ山,ウイルヘルム山,ツブカル山等々,4,000~5,000メートル級の山へ出掛けるようになってしまった.
 その意味で懐かしいコースなので,話は尽きない.

<ご常連が登る>

■駒止茶屋
 ノンビリご一緒しながら,8時15分に駒止茶屋を通過する.歩き出してから,1時間07分経過している.随分と時間をロスしているなと思っていたが,実質のロス時間は,せいぜい3~4分である.
 駒止茶屋の階段で,上から駆け下りてくるY沢さんとすれ違う.


<Yさんが下る>

■堀山からの富士山
 駒止茶屋で,お二人とお別れして,先を急ぐ.
 8時24分,富士山が良く見える堀山の尾根に到着する.雲一つない青空に,山麓まで雪で真っ白な富士山が良く見えている.ここで,1~2分写真タイム.近くの豆桜も丁度見頃を迎えている.

<左から突き出た枯れ枝が堀山のシンボル>

■堀山の家
 8時31分,堀山の家に到着する.小草平のベンチでカメラマンのMさんが給水休憩を取っている.
 「・・なんだ,今日は遅いじゃないですか・・」
 「はあ・・M田さん達と一緒にのんびり歩いてました・・」
 小草平からの富士山の写真を撮ってから,一足先に行かせて貰う.
 ようやく私の前後に人の気配がなくなる.今日は幾分気温が高いので,ちょっと歩行速度を上げると汗をかいてしまう.できるだけ幾分汗ばむ程度で済む歩行速度で登り続ける.当然速度は遅くなるが,これが長時間持続させる登山の極意である.
 今年の夏も,外国の山へ登るつもりである.その予行演習を兼ねて,マイペース登山の練習を積もりで登り続ける.

<小草平からの富士山>

■静まり返った萱場平
 8時51分,萱場平を通過する.私の標準所要時間より4分余計に掛かっている.気温は13℃.かなり高い.辺りには人の気配はなく静まり返っている.地面はほどほどに乾いている.


■後7分坂
 9時06分,後7分坂に到着する.私の遙か先を歩いていた男性に,ここで追いついてしまう.私は男性に目礼をしてから,山麓に雲が出始めた富士山の写真を撮る.
 すると,男性から話しかけてくる.
 「今日は,雲があって富士山が良く撮れないですね・・」
と言う.話し好きの方のようなので,二言三言雑談しただけで敬遠して,階段を登り始める.でも,お陰ですっかりリズムが狂ってしまう.
 坂道を半分ほど登ったところで,下山してくるN村さんとすれ違う.それにしても,N村さんは凄い.

<後7分坂を下るご常連>

■花立山荘で道草
 9時14分,花立山荘に到着する.歩き出してからの所要時間は2時間06分.私の標準より6分超過.メチャメチャ.
 下山してくる韋駄天のSさんとバッタリ.早速,雑談開始.
 「・・1月に小田原経由で来たけれども,(藤沢経由)小田急よりも500円も高いね・・

 「そうなんです.でも(所要時間が)30分も違うので,ついつい小田原経由にしちゃいますよ.まあ,特急料金を払っているようなものだと思っています・・」
 雑談をしながら,富士山をバックにSさんの写真を撮る.Sさんの了承を得て,この写真を公開する.
 さらに..Sさんと2~3分,立ち話を続ける.Sさんが,
 「百名山はやらないんですか」
と私に聞く.
 「百名山は余り興味ないんです.ただ,今年も海外の山へ行きたいなと思っています.どうですか,一緒に行きませんか・・」
などと雑談していると,ベンチで休憩を取っていた男性が,私達2人の話を小耳に挟んで話しかけてくる.彼は100名山を登ったと自慢する.
 今日の私は100名山自慢の方,2人に拉致されたような気分である.
 私は100名山には興味はないが,それは人それぞれ.別に100名山に登ったからと言って,他人に自慢するほどのことではないと思うのだが・・
 彼が雲が掛かっている富士山など写真に撮る価値がないと言い出す.私は,多少雲がある方が,写真として面白いのではないかやんわり.
 そこへ,カメラマンのMさんが花立山荘に到着する.
 「(雲のあるなしは)要するに人それぞれ・・」
とMさんがいう.これで雲談義はお終い.

<超韋駄天のSさん;ご本人の了承を得て掲載>

■怪しい雲が湧き上がる
 9時18分,Mさんと一緒に,花立山荘を出発する.
 9時28分,花立山を通過する.花立山荘から10分もかかっている.かなり遅いペースだが,今日の私は,Mさんに付いていくのが精一杯.
 何時の間にか辺りには雲が立ちこめていて,富士山も殆ど雲に覆われている.


■数ヶ月ぶりの知人にバッタリ・・
 9時32分,下山してくる韋駄天のTさん,さらに,9時33分,馬の背で三角髭のTさん,直ぐその後で,Kさんとそれぞれすれ違う.皆,同じバスに乗り合わせたご常連である.そして,情けない私は,まだやっと金冷シである.
 9時40分,山頂直下の階段で,数ヶ月ぶりに会うヤマカガシ氏とバッタリ.相変わらず愛犬を連れている.
 「やあ,やあ,お久しぶり・・」
とお互いに挨拶.もう所要時間などどうでも良い.暫くの間,立ち話をする.
 ヤマカガシ氏は,水曜日に登っておられるようだが,言われてみると,最近,私は火曜日,木曜日,土曜日に塔ノ岳に登ることが多くて,水曜日はほとんどご無沙汰のようである.

<愛犬を連れたヤマカガシ氏>

■塔ノ岳山頂
 立ち話をしている内に,Mさんの姿が見えなくなった.
 ここまで登れば,もうどうでもいいやと気楽に登り続けて,9時51分に漸く塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は+8℃.温かい.
 辺り一面に真綿のような雲が沸いている.富士山は殆ど見えなくなっている.それでも,暫くの間,山頂をウロウロしながら,あちこちの写真を撮りまくる.


■尊仏山荘
 山頂からの写真を一通り撮り終えてから尊仏山荘に入る.先客は先ほどまでご一緒したカメラマンのMさんだけ.小屋番はOさん.またもや例によって300円也のお茶を所望する.
 とりとめもない話をしている内に,M田さん一行も尊仏山荘に到着する.
 私はOさんにお願いして,ネコを呼んで貰う.Oさんが,
 「ミャ~や,お出で・・」
と控部屋で寝そべっているネコを呼ぶ.
 ミー君は,トコトコと土間に出て来る.ミー君の素直さが良い.
 土間で立ち止まった後,水の入ったバケツに首を突っ込んで,何時までもピシャピシャと水を飲んでいる.私はネコが水を飲み終わるのを辛抱強く待つ.水を飲み終わると,ネコは大きく背伸びをして,また,控部屋に引っ込む.


■ユックリと下山開始
 私は大倉発12時52分のバスに乗ろうと思う.十二分に時間の余裕を取って10時16分に山頂を出発する.雲
 が多いものの,先ほどまで見えていた青空が全く見えなくなっている.どうやら,私は今雲の中に居るようである.気温が下がって先ほどより随分と寒くなってくる.枯れ木が霧の中でシルエットのように見えている.美しい.
 途中,何人かの顔見知りとすれ違う.
 10時34分,花立山を通過する.花立山のガレ場を下っていると,重たそうな荷物を背負った尊仏山荘のオーナー,Hさんとすれ違う.
 「・・先ほど,山頂の気温は+8℃でしたよ・・」
 「そうですか.随分暑いなと思っていました・・」
 「また,土曜日にでも登ってきます・・」
 「どうぞ,お待ちしています」
で,お別れする.


■チャンピョンが登る
 10時42分,花立山荘を通過する.山荘前のベンチでは数人の登山客が休憩を取っている.登りでは見事に見えていた富士山も,今は完全に雲の中である.
 後7分坂を慎重に下り始める.すると下から沢山の荷物を背負ったチャンピョンが登ってくる.私の顔を見ると,チャンピョンが,
 「やあ,こんにちは・・」
と声を掛けてくる.
 このところ,チャンピョンとは,何時もこの坂ですれ違う.
 「まるで,小田急電車みたいに,(すれ違う)時間が正確ですね・・」
と苦笑する.


■雲の中を大倉へ
 大倉尾根の山麓近くまで下ると,木々の新緑が実に綺麗である.今日はバスまでの時間がタップリあるので,美しい新緑を愛でながら,ユックリペースげ下山する.
 予定通り12時41分,バス停大倉に到着する.
 何時ものように小田原経由で,14時30分頃,無事帰宅する.

<ラップタイム>

 7:08  バス停大倉歩き出し
 7:28  観音茶屋
 7:43  見晴茶屋(8℃)
 8:15  駒止茶屋
 8:31  堀山の家
 9:14  花立山荘
 9:30  金冷シ
 9:51  塔ノ岳山頂 着(+8.0℃)
=============================================
10:16  塔ノ岳山頂 発
10:29  金冷シ
10:42  花立山荘
11:17  堀山の家
11:35  駒止茶屋
12:00  見晴茶屋
12:17  観音茶屋
12:41  大倉 着

[山行記録]

■水平距離
       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉  発       7:08
   塔ノ岳 着       9:51
 (所要時間)  2時間42分(2.70h)
 水平歩行速度  7.0km/2.70h=2.59km/h
 登攀速度       1269m/2.70h=470.0m/h

■下降所要時間
  塔ノ岳 発      10:16
  大倉  着      12:41
 (所要時間)  2時間25分(2.42h)
 水平歩行速度  7.0km/2.42h=2.89km/h
 下降速度       1269m/2.42h=524.4m/h
                               (おわり)

「丹沢の山旅」の前の記事
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