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空風

詩&小説や日常生活を書いたりしています。
只今短詩に挑戦中。
目標:一日一更新。

短194

2009年06月22日 19時06分16秒 | 



貴方まで押し入れに入っちゃいけないでしょ

真っ暗闇はとても落ち着くけどそこは光も欲しているのよ

そんな所にいたら、ただでさえ小さい貴方の身長は伸びもしないわよ


私の後ろに来なさい、なんてことは言わないから

全て忘れなさい元気になりなさい、なんてことも言わないから


(まずはそこで目でも開けてみたらいかがかしら)




遠くて他人で知らない貴方に出来る私の出来る限りのこと(とは言わないけれど、)

花生無わぁタシ―詩

2009年06月17日 17時23分07秒 | 






花弁に埋もれて窒息死しちゃえばよかったのに

けらけらと笑う命知らずの剥き出し胚珠

そうなのかなと何も考えず私という人は

落ちたものをたべることだけに専念した

がり、という音に舌を噛んだかと思ったけれど

嗚呼と気づくそれは胚珠のお子様でした



舐めて転がして噛んで砕いて飲み込む

その際にも花弁は私へと落ちてきて

けらけらと胚珠は雄蕊も揺らしながら

全てを胃から腸へと運ぶ処まできた時

どうも有り難うと花はお辞儀して

意味が分からず私はただ流し込んだ



花弁は尚も落ちる

落ちた一枚を手に取りふと考える

これは私をころそうとしてるのかもしれない

私の目か鼻か耳に入って詰まらせてやろうか、と

私の喉にすっと入って突然大きくなっちゃって

酸素二酸化炭素その他を閉じ込めてやるぞ、と

そっかあ、と私がけたけた笑うと

貴女に似合わないわと胚珠は嘲笑ったから

そっちに身体を向けて、微笑んで

たべさせてと了承を得る前に胴体とを

ぷっつり可愛い音を立ててちぎった





もしかしたら

さっき飲み込んだ

あのまる裸胚珠

あれが私の喉を詰まらせるかもよ



それでもいいかと思ってしまう頃には

私はこの嘘はき植物を愛してしまったのかもしれない



(ああ、うん。もうそれでいい)




それで、いい。

短193

2009年06月12日 21時43分41秒 | 



貴方は「今を変える」ために武器を手にする

しかしもしも、貴方が一国の王を倒したなら

その瞬間に貴方の望む「変化」が現れはしない

現れたとして、それが「再生」と「破滅」

どちらに転ぶかなど誰も決めれはしない


予想もしないものが貴方を襲ってもその現実を「受け止める」というのなら、


(進んで御覧なさい。未来は誰にもわかりはしない)



どのものをよりも変わりやすく脆く強い、それを壊すというのなら。

短192

2009年06月09日 21時41分19秒 | 



一人ぼっちだけど、さみしい

ここの脱出路をまだ理解していないから


一人ぼっちだけど、後悔してない

後悔したらあの日の自分を否定することになるから


(私は私というヒトを 肯定する)



私という存在にせめて自分だけでも 喜んで

短191

2009年06月07日 11時17分35秒 | 


姿かたちそっくりな、血の繋がりのないお姫様二人

お互いの黒い手袋に包まれた指と指をからめて

また何時か会いましょう、同時に笑った


また会えたその時

一人のお姫様はウイルスに蝕まれた自国を滅ぼしていました

一人のお姫様は悪い国王に騙されその復讐を行えた後でした


ドッペルゲンガーって貴方かもしれない、と

二人は汚れた手袋をはめた手と手を合わし失笑した


(私たちはどこまで堕ちていけるのかしらね?)



また会えた時は黄泉の国かも知れない

P.S.詩じゃないです。申し訳ありません

ウイルスに~のお姫様と騙されて~のお姫様のお話、書いてます。脳内で。

何時か公開できる日が来たらいいなと思っています。ブログとかwebとかじゃなくて。

いつか「お金を出してでもそのお話が見たい・聞きたい」と思えるような物が書きたいです!

・・・まだまだ、ですが(汗)

短詩190

2009年06月03日 18時23分08秒 | 



身体を拘束し笑い続ける憎たらしい痛感を

共に引きづり独り言のように幻覚だと呟いた

痛みに耐える私の「体」と「心」、何故其処までするかと尋ねられた

意味が分からなくて少々の空白、その後にのんきともとれる笑みを


(私頭良くないし運動神経もよくないけど譲れない「夢」だけはあるの)


(君も付いてくる?)



痛覚も何時の日か愛おしくなる時が来るわよ ね?


P.S.短詩190つ突破!更新さぼって申し訳ないです

短詩200つまであと10つですよ・・・!


そういえば今日、再心臓検査がありました。

うわあちょっと不謹慎だけどこれで何かあったらネタにとか思ったら正常でした


・・・うん、喜ぶべきなんですよね・・・うん・・・

短189

2009年06月03日 18時19分32秒 | 



夢を見るのが早すぎたなんて言われて

現実を見るのが遅すぎたなんて言われて

蔑むような目線、態度も屈せずわたしはただそいつらを睨みつけた


(夢にも現実にも目を背けた様な貴方達と私を比べないで)



強がってる?違うわ、貴方達の好きな「真実」よ

短188

2009年05月31日 23時07分47秒 | 



ハニー ハニー ハニー

私はここでしか存在維持できない

ハニー ハニー ハニー

貴方はその世界でしか生きられない


ハニー ハニー ハニー

それでも私は貴方が※きなのよ

ハニー ハニー ハニー

※き※き※き、ねえだから貴方も、私を


(私が消えちゃう前に、早く!)




ハニー、 データは完全に削除されないのよ


BGM「惨事のハニー」初音ミク、梨本P

狂女と根本可笑しな子(詩物語)

2009年05月28日 12時51分11秒 | 
(詩物語・グロ注意)






こんなの食べれないよ、とその子は言った

その言葉にニッコリ笑顔を作ってあげれば

その子は不思議そうに首をゆっくりかしげ

目を細めてそのぼさぼさの髪を引っ張った



「痛い?」

「痛いよ」

「そっか」

「どして」

「もっと」



「もっと痛がっていいよ」

「いやだ、やだやだやだ」

「我儘はそろそろ止めて」

「やだ、やだやだよおお」

「コロシタクナッチャウ」




ニッコリ笑顔の裏には猛毒を秘めて

常人なら見ただけで怯え逃げ出すよ

なのに貴方は見つめ返してくるもの

汚い顔を洗おうともせずに私をねえ

(う、わぁ、汚 ナ ラ シ イ)




でも最近知ったこと

この子の瞳は綺麗。

きらきら輝いてる

他の人間と違って

これが無垢なの?

これが純粋なの?

中々、好ましいわ

もっと見たくなる




他の、逃げ出す者どもは

どれも黒くくすんでいて

隅から隅、汚れちゃって

見るのも嫌になっちゃう

気分が悪くなる、何故?




「私は嫌い?」

「好きだよお」

「どうして?」

「好きだから」

「…自分は?」

「大っきらい」




目を見開いた

その子は笑い

こちらを見る

きらきらと、

ぴかぴかと、

無垢な瞳の奥




「泣いてるの?」

「うーうーんー」

「どっちなのよ」

「そう、だよお」

「涙は出てない」

「ほんとうだね」

「何故泣くの?」

「わかんないよ」




少しわかる

ほんの少し

瞳の奥でね

この子は、

(泣いた)




どうして?

どうしてよ

わかったの

この子のね

考えわかる

どうして?

どうして?




「貴方は、」

「んーん?」

「汚いのよ」

「そっかあ」

「綺麗なの」

「そっかあ」

「どっちよ」

「え、ぇー」

「どっち?」




汚らしくも綺麗な人

なんていう、矛盾。

なんていう、笑顔。

なんていう、涙顔。

なんていう、涙腺。

なんていう、脳髄。

なんていう、ねえ、




「心が痛いわ」

「そうなんだ」

「答えは何よ」

「え、えぇ?」

「教えなさい」

「わかんない」

「教えなさい」

「わかんなぁ」

「言いなさい」

「む、りぃい」

「言 え 。」




胸の辺りが刺されたわ

でも何も刺されてない

……可笑しいわ、ねえ

確かにズキズキ痛いの

どうしてなのかしら?

胸というより、心臓が

爆発しちゃったようで




(酷く虚しい)

(酷く寂しい)

(何故かしら)

(…わかった)

(今まで一人)

(一人だった)

(でも、今は)

(この子が、)




「聞きなさい」

「う、うー?」

「私の言葉を」

「な、ぁにー」

「これで最後」

「…………?」



ぽかんと口を開けて

私を見つめるその瞳

知ってるかしらねえ

無垢な子がこんな事

知っていたら笑うわ




「聞きなさい」

「はぁー、い」

「これで最後」

「最後なの?」

「そう、ねえ」

「ちょっと、」

「どうしたの」

「寂しいよお」

「大丈夫よ。」




私を捕らえた

綺麗な綺麗な

愛おしい人に

貴方に贈るわ











「死ね。」




ニッコリ笑った頃には私の指がその子の首の皮膚を裂いていた

(大丈夫よその瞳、全部私が美味しく食べてあげるから、ね)





汚くて綺麗で愛おしくなったから食べてあげた (喜びなさい)

BGM(雰囲気だけ):「ペテン師の笑う頃に」(初音ミク・梨本P)