気付かない振りをして歩いていった
一時の感情だけで死んでしまうだなんて哀れだと思った
少し時が経てば風化してしまう痛みに一生を潰されるなんて憐れだと思った
だから知らない振りをして走っていった
何もないし知らないなら、ないのと同じだから
だから振り向かず足を進めた
ただそれだけの話
疲れたって歩みを止めてはならない
まず疲れを知らなければいいだけの話
だから私は感じることが出来ないのだろう、と
一人納得して、前へと進む
気付いちゃいけないよ、そのとき私は倒れるよ
だから気付かない、知らないふりして
ギリギリまで溜め込んだら、おやすみすればいいだけの話
人の体はそうやわじゃない、とは
後になって、自身をもって知ったこと
気付いてはいけないよ
周りの空気も、相手の感情も、私の疲れも
知らなければいいだけの話
そう、知ろうとしなくていい話
全部全部、私のためだから
それだけの話なのだ
なんとも寂しい話だった。
私を軸にした都合のいい話