ぷっつん
て
糸をきっちゃえば
凄く
ビックリするぐらい
楽になれた
と
思ったら
何で、私は
ハサミを手にして
この糸と
この糸を
切断したのか
わからなくなった
ぱっつん
て、きり過ぎて
覚えてたことも
すぐ忘れてしまって
いっぱい
誰かに
迷惑かけて
逃げるように
また、ぷっつんて
やってから思う
私は
誰に
迷惑をかけたの
か?
ぱっちん
ぱっちん
音がして
ふと見れば
両手にハサミ
見渡せば
たくさんの
糸の束
いったい何が起こったのか
なんて思いもした
けど、すぐ
掃除するのが大変ね
と
身体はころりと天気を変えて
心はちんぷんかんぷんかんで
私といえば
ただ
見てる
見てた
見てたの
この子はどうやら、疲れたらしい
あの子はどうやら、泣きたいらしい
その子はどうやら、逃げたいらしい
このあのその、子は
どうやら
消えたい
らしい
(それは誰も許しちゃくれないけど)
海でも川でも沼でも良いから
私を沈ませて
と
掴み叫ぶ
心が泣いてる
身体は慌てふためいて
あたふたと地面を蹴った
私といえば
見てるだけで
口も開かず
ただただ
鼻から空気を吸った
何処かへ行ってた身体が戻って
見ればビックリ
なんて大きな
ハサミ
でしょう
ボロボロの作りから
どーやら作りたて
らしい
心にひっつくように
絡まる、糸を
身体は
目をつむって
心ごと
ぷっつん
あれ
何があったのかしら
と
けろりと心は言ってのけた
一本の、こんがらがった
糸をきる
それだけのことなのに
慌てふためき
挙句、狂った
身体は心をきっちゃった
大切なことも
すっかり忘れて
楽しそうにスキップする
そんな彼女を
大きなハサミ片手に
ため息を吐く
その人を
私は
ただ
見てる
だけ
だった
の
記憶なんてとぎれとぎれで
また迷惑かけちゃって
また騒動起こしちゃって
またパニックになるんだ
知ってる
知ってた
よくあることだもの
サイクルも断ち切ることなんて出来ず
ただそのループも
止められず
止まらせず
安心とばかりに休む身体も
もしかしたら
あの切断式に
そのことと一緒に
きってしまったの
かも
しれない
それは
それは
大変 だ
見てるだけ
なんて駄目
動かない私を
私が
叱る
嘆く
笑って
泣いてた
どうしようにもどうしていいか
わからずにただ「わかんない」
なんて、喋って
どうでもいいこと言っちゃって
知ってるくせに
知ってたくせに
私が
一番の
悪い子、
だってこと
知ってる
け
れ
ど
それも、きったみたい
(私は動くことも忘れたよーだ)
誰か
この
矢印
を
(きって !)