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空風

詩&小説や日常生活を書いたりしています。
只今短詩に挑戦中。
目標:一日一更新。

切断メモリーズ―詩

2009年09月30日 17時39分21秒 | 




ぷっつん



糸をきっちゃえば

凄く

ビックリするぐらい

楽になれた



思ったら

何で、私は

ハサミを手にして

この糸と

この糸を

切断したのか

わからなくなった





ぱっつん

て、きり過ぎて

覚えてたことも

すぐ忘れてしまって

いっぱい

誰かに

迷惑かけて

逃げるように

また、ぷっつんて

やってから思う

私は

誰に

迷惑をかけたの

か?





ぱっちん

ぱっちん

音がして

ふと見れば

両手にハサミ

見渡せば

たくさんの

糸の束

いったい何が起こったのか

なんて思いもした

けど、すぐ

掃除するのが大変ね



身体はころりと天気を変えて

心はちんぷんかんぷんかんで

私といえば

ただ

見てる

見てた

見てたの





この子はどうやら、疲れたらしい

あの子はどうやら、泣きたいらしい

その子はどうやら、逃げたいらしい

このあのその、子は

どうやら

消えたい

らしい


(それは誰も許しちゃくれないけど)





海でも川でも沼でも良いから

私を沈ませて



掴み叫ぶ

心が泣いてる

身体は慌てふためいて

あたふたと地面を蹴った

私といえば

見てるだけで

口も開かず

ただただ

鼻から空気を吸った

何処かへ行ってた身体が戻って

見ればビックリ

なんて大きな

ハサミ

でしょう

ボロボロの作りから

どーやら作りたて

らしい

心にひっつくように

絡まる、糸を

身体は

目をつむって

心ごと



ぷっつん











あれ

何があったのかしら



けろりと心は言ってのけた

一本の、こんがらがった

糸をきる

それだけのことなのに

慌てふためき

挙句、狂った

身体は心をきっちゃった

大切なことも

すっかり忘れて

楽しそうにスキップする

そんな彼女を

大きなハサミ片手に

ため息を吐く

その人を


私は

ただ

見てる

だけ

だった









記憶なんてとぎれとぎれで

また迷惑かけちゃって

また騒動起こしちゃって

またパニックになるんだ

知ってる

知ってた

よくあることだもの

サイクルも断ち切ることなんて出来ず

ただそのループも

止められず

止まらせず

安心とばかりに休む身体も

もしかしたら

あの切断式に

そのことと一緒に

きってしまったの

かも

しれない

それは

それは

大変 だ





見てるだけ

なんて駄目

動かない私を

私が

叱る

嘆く

笑って

泣いてた

どうしようにもどうしていいか

わからずにただ「わかんない」

なんて、喋って

どうでもいいこと言っちゃって

知ってるくせに

知ってたくせに



私が

一番の

悪い子、

だってこと





知ってる











それも、きったみたい
(私は動くことも忘れたよーだ)





誰か

この

矢印





(きって !)


短217

2009年09月26日 23時53分19秒 | 



風船ふくらませて浮かばせるこの街が好きなの

夜のカーテンが閉められたら、この空をカラフルに彩ってくれて

私と君はその風船の上に乗って遠くに行けるの

とっても素敵で、優しい、空気だと思わない?

・・・え?風船の上なんて乗れるほど体重軽くないって?


やだねぇ、夢のお話よ!

(だいたいこの街に『風船』なんて何処にもないじゃない!)




コンタクトはもちろん、特注品(私が作りました)

まえのみち―詩

2009年09月21日 09時02分22秒 | 




君と一緒に来れたことを嬉しく思う

なんてかたっ苦しい言葉を最後に

『だれか』はきえた

『だれか』はいなくなった

ちょっとの生きた痕跡を残して

笑って、何処かへ



もうすぐさよならなんだなあ

なんてことを思っていた直後の夜のことで

気づけば星がぴかぴか光って

黒を一層濃くさせたころに

さっきまでなかった冷たい風が

わざとぶつかるようにこの体に当たって

痛かった





何年一緒にいたんだろう

そんなどうでもいいことを二人は尋ねることもせず

疑問に思うこともなかった

なのに

今になって不思議で疑問で仕方ない

思えばどう会ったのかさえわからない

それだけ、印象薄い皆と同じようなことだったのか

逆にそれだけ、インパクトがありすぎて忘れてしまうような

皆と違う出会い、だったのか


(どっちでもいいや)


とは、お前の口癖だと乱暴に『誰か』は言ってた

思い起こせば確かにそうだったかも知れない

それだけ、どうでもいいことで

それだけ、酷く混乱することで

今自分は何も考えること出来ずに

地面にぶすっと刺された細い棒のように

ゆらりぐらりとその場に立ちぼうけ

それじゃあ、この別れは

どうでもいいことなのか

どうでもよくないことなのか



(頭、混乱)

(よくわかんないわああああ)



ぐしゃぐしゃに人がぶつかり絡まる所にいても

風はこの体を凍らせようとするじゃないか

あのときと違う

まるで避けるように、怖れおののく様に

悲しいぐらい冷たい氷の剣は

斬るという本来の存在理由も忘れて

遠くのほうで違う人を斬っていったのに




久々に傷つけられた部分がじんじんときた

泣いちゃいそうで、ぐっと目を思いっきり瞑る

泣くのは弱い子ぶって誰かに馬鹿みたいに助けを求めることだ

とは、知らない人の言葉

その言葉を聞いて誰が否定するようなことを言っただろう

ああ確かに、その通りだよねと笑って皆知らない所へ行った

違う、と叫びたかった

どうして、と殴りたかった

叫べやしないんだけど

殴れやしないんだけど

こんな小さい、口と声でそんなこと出来るわけなく

こんな弱い、力と心でそんなこと出来るわけなく

口も声も力も心もある『親友』は

そうのうのうと言って遠くへ消えた





思いだして気づけばもう泣いてた

ああ駄目だって言ったじゃない、と言った後

この言葉は独り言というんだろうなあと

前は二人言だったんだけどなあと

そう考えて思わずぷっと笑った

泣いて、笑ってる

見た人はびっくりしてどっか行っちゃうかもね

うん、どっか行って

もう自分が滑稽で滑稽で笑うしかないの

だって、何時も隣にいた『誰か』は





『わたし』なのだから




消えるんだろうなあ、馬鹿だ、自分がそう考えてたから

泣いたら駄目なのかなあ、阿呆だ、自分がそうじゃないと言いたいんだから

誰か助けてと頼ったのは自分でした、なんて誰が信じるの?

可笑しさにああまた涙が出る、大粒の涙が

潰れたにきびの跡の上をぬるりと伝って

下へ落ちる

下へ落ちる

下へ落ちる


落ちたい






月がぱっくり笑ってるように見える、とは『わたし』の言葉

おれこの小説と音楽合うと思うんだ、とは『わたし』の言葉

お前は本当に空気読めない馬鹿者だ、とは『わたし』の言葉

とりあえず近くにいるから行ったら、とは『わたし』の言葉

分からない者同志でいいじゃないか、とは『わたし』の言葉





違う癖に

違うのに

確かに『わたし』は『わたし』だった

でも『おれ』という人であった

『かれ』という人であった

なのに

知ってたのに

もうよくわからなくなってくる

どうやってこの、ぐちゃぐちゃの所を

一人で生きていけと、言うのだろうか

どうやってこの、ふわふわ遠くへ行く体を

この場にとどめさせろと、言うのだろうか

どうやってこの、狂いそうで苦しい心を

ゆっくりじっくり落ち着かせろと、

言うのだろうか

言うのか





(嘘つき)

(『わたし』は『わたし』で)

(自立しなきゃいけないんだって、思ったのは)

(・・・『わたし』のくせに)



(『わたし』が『わたし』を追い出したくせに)






月が

落ちてくればいいのに








少し落ち着いたころで気づいたら

あの、人の集団は何処にもいなかった

剣を片手に飛び交う風は今も私を傷つけはするけど

行かなきゃいけない

言わなきゃいけない

生きなきゃいけない

それ以外なにもない




これだけの、大切なものを手放して

『誰か』は

いってしまったんだから



その分『私』は

一人、もしかしたらもう一人と

歩むということをする







月明かりも星も電灯もどれもこれも暗闇にさせるだけのものだけど

見えない細い目で『私』は一人で見つけることが出来たんだから





(ああ、別にひとりで行ってもよかったんだ)





お手紙―物語詩

2009年09月16日 18時39分00秒 | 






私 は あの人 が 大好き なんです

だから その 気持ち を お手紙 に しよう と 思った んです。




あの人 に お手紙 を だした

どうやら ちゃんと 届いて いなかった ようだ 。



あの人 に 直接 渡して みた

考えて いた 対応 と 違って ちょっと(すごく) とまどう 。



あの人 に 出した 手紙 を 見つけた

公園 の ゴミ箱 の 中 に しわくちゃ な 私の お手紙 。






あの人 に お手紙 を だした

郵便受け に いっぱい 送れば きっと 知って くれる よね 。



あの人 に また お手紙 を だした

一体 誰なの 私 の 思い を あの人 に 伝えたいのに 。





あの人 に また ね お手紙 を だした

郵便受け いっぱい で 何時 に なっても 家 の 電気 が ない 。



警察 に SOS を だした

あの人 が 消えた ん です 探して 助けて 下さい !



警察官 が 私 に いう

この家 は 今 売りに出されて 、 家主 が 言う に は 、









『不気味で可笑しい女が家に大量の変な紙を送りつけてくるんです』












ずっと 待ってた 彼 から の お返事


言葉 が 心 に 染みて


ただ 笑う 。


だって 彼 から の お返事 が 来た もの !







それは凄く残酷な凶器だったけれど 。




彼女 の 愛 は 狂気 と いうの か ?

二人比べ―詩

2009年09月07日 19時43分01秒 | 



丸く帯びた足で地面の上に立つ人



何かを掴むような突起を5つ足に生やしている人




無機物を使って歩く・走るという動作をする人



棒のような足を棒のように前後ろと動かす人




抱きしめるための腕がない人



抱きしめようと思わない人




笑えるほど肉がない人



涙腺を売り飛ばした人




大切な部品がない人



大切な部品を落とした人




傷を受けた人



傷を与えた人








ヒト




それ



これ




あちら



こちら




あなた



わたし




はじまり



おわり




ぱーん



おわり





(『だから?』で返さないでと目で訴えるソレを視界から今すぐ消すしか私の幸せはなかった)




これ で おしまい。


P.S.比べてしまって後悔、なんてよくある事です。月空もよくあったり。

更新遅れててスミマセン・・・ウサビにハマって手のつけようが(略)

短215

2009年08月29日 22時39分56秒 | 



電車にのって遠いとこ行こうか

そう、うんと遠いところ

歩いてた間に捨てちゃったもの拾い集めながら

途中で綺麗なところを見つけたら

そこにばらまいてみるんだよ

すごく素敵で切ない、地面と空のたびへ


行こう!



夏休みの間にうんと遠くて綺麗なところ行ってみたかったです

まあ夢でも見れるけどね!見るの難しいうえに覚えてないけどね!

短214

2009年08月28日 19時56分33秒 | 



さんさんと輝くお空の球がもうすぐ赤い大地とこんにちわする

みんな泣きながら地面の上で赤ちゃんみたいに転がるし

あの子は食べかけの林檎を何事もなく齧っていって

当の私の胴体には知らない間に鉄の棒が刺さっちゃっているけど


まあ、大丈夫だよね。




大丈夫じゃない。大丈夫じゃない。

P.S.とある有名ゲームの可笑しな町の話を聞いて。

そこではYESがNOになるそうですよ。

短213

2009年08月26日 19時47分57秒 | 



生まれたとき私はね、電柱に引っ掛かっていたの

うそだよ。

先月に友達がね、地面の割れ目から宝石を見つけちゃった

嘘だよ。

昨日には君が、可笑しな花を千切って私にくれたの。

ほんとうよ。

そのあと嬉しそうに、しんじゃったけど。

ウソダヨ

ウソダヨ。



「本当なの?」




嘘か本当か、さあみなさい。

P.S.『可笑しな花』は、黒種草という実在する花です。面白いですよ

短212

2009年08月24日 23時26分39秒 | 



自分のことがすごく好き、というわけではないんだけど

自分のことがとても、一番、大切なんです

理解しろ、とも受け止めろ、とも言わないから

どうか 拒絶だけは、


(傷つくのが一番怖いんです)



そんな人こんな人。