彼らの骨はここにない
彼らの骨は彼らに組み込まれている
今も彼らの体をしっかりと支えて
知らない何処か、地を踏みしめているのだ
そんなことぐらい
どっぷり沼につかった私でもわかる
汚い私を皆心配するけど
それぐらい、そんな 常識は
おかしな私の頭にもちゃんとある
それでも。
悲しい、と思う
いかないで、と叫びたい
期待を胸に足を踏み入れてみれば
以前まで賑やかだった家は跡形もなく
平らな地面にささった看板と文字
彼らは生きているのだ
彼らは死んではいないのだ
それでも悲しいのだ
この世界に「永遠の別れ」など存在しないことは
この世界に通いつめて、いたいぐらい知っているのだ
いたいぐらい、泣いてきたのだ
それでまた、私は泣く
干からびた目の奥の泉が潤って
ぼろぼろと、滝のように落ちる水
塩分含んだそれを私はなめて、また泣く
可笑しいことは重々承知で
それでも、私は泣くのだ
消えた家の前で泣きわめいて
どうして、どうしてと叫ぶんだ
おかしな子
おかしな子
おかしな子
そんなおかしい子である私は
せめてもの、『はなむけ』として
私の家に、名を残そう
(0と1の間のこの世界で 確かにあの子は『存在した』のだ、 と。)
...Hello! Do you remember?
I who am stupid remember it!
(何処かへ消えた方々と、それを嘆く方と、 お友達の彼女に捧げます)