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Re・Birth ~No.15~

2004-07-30 10:36:49 | star spiritsシリーズ☆
 春休みに入ると、美麗はマンションの近くの中学校に行き、校長に事情を説明して小次郎の体の事は内密にしてもらい、転校手続きを済ませてきた。そこは、忍と洋次が通っている中学校だった。

 3月末頃、小次郎は一旦祖父母の住む町に戻り、同級生に見つからないよう自分の荷物を整理し(今まで着ていた服などは、姉や忍にあげる事にして)、必要な物だけダンボールに詰め、引っ越し業者のトラックに積み込むと、ひと足先に札幌に向かった。
 美麗は、今住んでいるマンションで一緒に住むには部屋が足りないからと、近くのマンションにもう一つ部屋を借り、そこに小次郎を住まわせる事にした…。
 引っ越しの荷物が札幌のマンションに届いたのは深夜だった為、小次郎は次の日から早速荷解きを始めた。忍と洋次も、春休み中という事もあり、朝早くから手伝いに来ていた。
 「春休みなのに、悪いな、二人とも…」
 「いいよ、どうせ何も予定入れてなかったし…。それより、俺と同じ中学校に転校するんでしょ? 同じクラスだったらいいね♪」
 忍は、何だか嬉しそうにダンボールの中から荷物を出していた。そして、小次郎の衣類が少ない事に気付いた。
 「…そういえば、植村さん、体の状態が落ち着くまで、新しい服とか買ってなかったんじゃない?」
 「そうだよな…。植村、普段着とか、まだ新しく揃えてないんじゃないのか?」
 「ああ、そういや…。母さんからは新しいの揃えろって言われてて、一応お金は貰ってたけど、通院とかで忙しくてまだ…」
 小次郎は、とりあえず姉のバンド仲間の着なくなった服を借りて着ていたが、体の成長が著しく、借りた服ももう小さくなっていた。洋次から借りようと思っていたが、洋次より背が伸びてしまったので、それも出来なくなっていた。
 「じゃあ、ひと通り部屋の中が片付いたら、一緒に服とか見に行かない?」
 「…そうだな、どっちみち俺一人じゃどういうトコ見に行ったらいいかわかんないしな…」
 「俺も♪ いつも行ってる店あるから、案内しようか♪ 忍だけの案内じゃ、不安だろ?」
 「…確かにな…」
 「ちょっと、何それ~っ! 植村さんまでっ!」
 忍は、プーッと膨れっ面をした。
 三人は、急いで荷物を片付けると、お昼を食べに行くついでに街に出る事にした。
 小次郎と忍が腕を組んで歩いていると、すれ違う女性達が振り向いて、小次郎を見て、頬を赤くした。
 「俺達、どう見られてんのかねぇ…」
 「案外と俺、植村さんの彼女に見られてたりして♪」
 「バカッ…!」
 小次郎が頬を赤くしたので、忍はクスクスと笑った。
 「ちょっと~、お二人さん~っ! 俺もいるんだけど~っ!」
 洋次は膨れっ面をして一緒に歩いていた…。
 その日、マンションに帰ったのは、午後8時近くになってからで、忍と洋次はマンションに泊まって、三人は夜中まで起きていろいろ話していた…。