日々・戯言の叫び

感じた事とか色々、表に出せない事を吐き出す独り善がりで嘘つきな日記

正月気分はぬけたかなー!?

2016-01-11 14:55:27 | 小ネタ
まだTVの番組は特番が多いですが。
でも大体通常運転。
個人的にはじ○てのおつ○いは好きです! ほっこりする。
某デパートで食品解体セールをやってたので行ったんですが、正直買いすぎた。
おぅいえー…。
本日も血と血で戦うあれです。

日曜日にやってた映画のVS戦隊物。
見てたんですが…はしょりすぎぃ!!
これは酷い。
なんでよりにもよって醍醐味!なところばかりはしょるかなー。
子供戦隊による戦闘とか、恐竜と列車の共闘とか。
そこは映画の目玉だった所ですよ…?
編集した人はわかってないと思うの!!


BBB。
元愛玩生物な弟弟子と疑心暗鬼な兄弟子の話。
当たり前のように腐ってるから注意してね☆


名も無き毒


薄いカーテンがかかった窓から入り込むのは夜の闇と目に痛いネオン、そして日が沈んでも鎮まることの無い喧騒。
どこかで鳴った車のクラクションに、誰かの怒声。怪しげな言葉の羅列に正体不明の鳴き声が響く。
人界と異界が混ざり合いヘルサレムズ・ロットになる前、既に失われたニューヨークであった頃からこの街はずっと騒がしい。
室内は暗く、しかしくっきりと浮かび上がる陰影に明かりをつけなくとも不便は無い。
ベッドの上に腰掛けるだけならば、何一つ不足は無く。
だから部屋の主は何もせず。
最低限キッチンとバス・トイレがついた部屋。
一人暮らしならそれだけで充分。荷物は少なく、備え付けのクローゼットだけで事足りる。
そんな部屋。
薄暗いそこで、ベッドの白いシーツと床に投げ捨てられた白いジャケットだけが浮き上がる。
沈黙だけがのしかかる室内に時折響くのは小さな笑い声。声、と言うよりも音か。
それだけが唯一空気を揺らす。
部屋の主ザップ・レンフロはベッドに腰掛け、同僚であり弟弟子であり恋人であるツェッド・オブライエンを己の膝に抱いていた。
体格差から少々負担があるため、平時ならばこんなことはしない。
何よりツェッド本人が嫌がる。
彼はプライドが高いうえに甘え下手だから、例え恋人であろうとも同門であるザップに弱みを見せるのは好まない。
そのツェッドは今大人しく――そういうと多少語弊があるかもしれないが――膝の上に乗っている。
目を細め、ザップの肩口の顔を擦り付け、時折口から漏れるのは子供のような無邪気な笑み。首に腕を回し、とてもご機嫌な様子。
吐息に含まれる酒の匂いで酔っているのは一目瞭然。
酔っ払いの素直さで彼は子供みたいにザップに甘えている。
くすくすと笑いながら絡みつくツェッドにその身体を抱きしめるだけのザップはまともな反応を示さない。けれども意に介した風も無く身体を擦り付け甘えるツェッドと言う光景は普段の彼らを知る者からすれば異常の一言に尽きる。
ツェッドに対しては酒に酔っているから、で説明はつくがザップは違う。
彼ならば例え酔っていようがいまいがツェッドの甘える姿に反応を示さないのはおかしい。揶揄するなり押し倒すなり、なんらかの行動を起こすはずである。
それらを、していない。
ただ只管無言でツェッドを抱きしめている。
離すまいとするように、奪われまいとするように。
縋るように、牙剥くように。


涼しい風の気持ちの良い夜、とあるバー。
エアギルス強奪の一件から酒を控えているツェッドを無理やり連れ出したのはザップだ。
赤い糸で縛って引きずるように連れてくれば、最初は何を考えているんだ非常識だと文句を言っていたツェッドも静かにジャズの流れる店の雰囲気が気に入ったのか大人しくなった。
先日街をぶらついている時に見つけたこの店はなんとなく、本当になんとなくだが弟弟子が好みそうだなと思ったのだ。
だからと言って弟弟子のために連れて来てやった訳ではない。自分が来たかっただけだ。
そんな風にザップは自分を誤魔化した。恋人同士なのだから誤魔化しなど必要無いような気がするのだが、それでもそうせずにはいられないのがザップである。
酒で失敗したからと酒を遠ざけても何の解決にもならないぞとそれっぽい事を言いながら、二人で飲んだ。
なんとなくいつもみたいに売り言葉に買い言葉で争う気はしなかったので、静かに。
ザップも浴びるように飲みたい気分ではなかったからウィスキーをなめ、ツェッドは女が好みそうな甘いカクテルで杯を重ねた。
悪い酔い方をしないように気を付けてやったおかげで、程好く酔ったツェッドはそれはもう素直になった。
素直になって、普段は決して口にしないことを口にした。
自身の出生に関することがその最たるものだ。
血界の眷族に作られたこの世に唯一同胞をもたない存在。それが彼のアイデンティティーでありコンプレックス。
余計な誤解を招かぬようにとライブラのメンバーには事務的に、当たり障りの無いよう己の出生を告げている。
けれど深い部分は話していないし、仲間も踏み込まない。
とてもデリケートな問題だと知っているから。それはザップも同様だった。彼の場合はデリケートとは無縁であったがその問題に首を突っ込んでも自分にとって面白いことにならないという勘が働いたのだ。
そんなザップの内心など知らず、ツェッドが口にしたの伯爵のことだ。
ライブラの、現在彼が属する組織の敵である血界の眷属であり彼のとって『親』。
どんな人物であったかは聞いた。
一人屋敷に引き篭もり、人類の哲学や芸術を好む変り種。
けれどそこにツェッドの個人的感情は伴わなかった。
彼は淡々と静かな口調で語っただけ。
ザップはツェッドが伯爵に対して何らかの情は持っているだろうと思っていたし、それを咎める気などなかった。
彼にとって親と呼ぶべき存在であり、ツェッドを育てたもの。品行方正で絵に書いたように生真面目な彼が情を抱かずにいられるわけがない。何よりなんとも思っていないのならば自分自身の存在についてあんなに悩むわけが無い。
それでも、それでもだ。
過去だと割り切っている、そう思っていた。
ツェッドの口から漏れたのは思慕だった。それは敬愛を含み、また親愛でもあった。
未だに彼は伯爵のことを過去にしていなかった。いや、もういないと理解してはいるのだろう。
それなのに、まるで忠実なペットが帰らぬ主人を待つように想っている。いつか姿を現すのではという夢想を抱えている。
どこか遠くを見ながら夢現で語るツェッドの視界にザップは既にいない。
ただひたすらに伯爵への想いを吐露していた。
ぞっとした。
同時に、胃の底に火が灯った。それは深い怒りだ。
ツェッドが自分を見ないことに、その心に自分以外がいることに。
乱暴に恋人の腕を引き、自宅に連れ帰った。
抵抗などはなかった。若干不思議そうに首を傾げただけで大人しく。
そして自室に連れ込み彼を抱き上げ、現在に至る。
ツェッドは時折甘えた声でザップを呼ぶが、彼は返事をしなかった。
今、ザップの頭を占めるのは一つの思考。
以前ツェッドは言っていた、己は元々愛玩生物だと。
外見からして伯爵の気に入るように設定され、造られたものだと。
その、愛玩生物としての範囲は、外見だけだろうか?
彼の中身は、性格や人格は? 本質はどうなのだろうか?
やはりそれらも愛玩生物らしいものではないのだろうか?
ツェッドはHLにくるまで一対一のコミュニケーションしかとってこなかった。
そもそもコミュニケーションをとる相手が極端に限られていたし、与えられる知識は偏ってばかりだった。
それが彼の純粋さや真っ直ぐさに繋がっているのだろうと思っていた。
もしかしたら、その性情さえ伯爵に創られたものではないだろうか?
伯爵や師を慕うのは彼にとっては親代わりだから。
だから、伯爵はともかく師にどれほど拷問めいた修行を課されようと尊敬の念を抱いている。他を知らないから、外の世界に連れ出し生きる術を与えた相手だからと。
そう思っていた。
本当にそうなのだろうか?
彼は愛玩動物として、その本能で自分の主人を慕っているだけではないのだろうか?
庇護してくれるモノを、可愛がってくれるモノを。
伯爵を亡くして師が新しい主人になった。その主人がこの狂った街に己を置いていったからライブラにいる。そしてライブラの仲間の中で偶々ザップが主人に成り得た。それだけの理由でツェッドはザップの傍にいるのではないのだろうか。
今こうして甘える仕草すら愛玩生物故の性ではないだろうか?
ツェッドの認識はそうなのではなかろうか?
恋人だと思っているのは自分だけなのだろうか。
考えれば考えるほど疑わしくなって。
抱く手にギリギリと力が篭る。

「んぅ~、いたいです」

少しだけ顔を顰めて訴える恋人に、のろのろと顔を上げて力を緩めるがそれも僅か。

「……ツェッド」

「? はい?」

とろりと蕩けた瞳がザップを映す。
何も言わずに見詰めれば、焦れたのか青い腕がきゅっと首筋にきつく巻きついた。
ザップはそのまま体勢を変え、ベッドへと押し倒す。

「おい、魚類。お前は俺のもんだよな」

「はい」

額をツェッドの胸に押し当てて問う兄弟子にくすくすと子供みたいに微笑んで頷く。響く振動が心地良い。
その答えに唇の端を吊り上げて。
――俺がいなくなったらこいつはきっと他の誰かを主人にするんだろう。誰が手放してやるものかよ。俺が死ぬなら…道連れだ。
そうして彼は暗い瞳で愛しい愛玩生物に口付けた。


鎖で繋ぐ言の葉よ。見えざる枷はすでにお前の心に根を張った!!

コメントを投稿