Fallen leaves

心に浮かんだよしなしごとを。

ある冬の朝の出来事。

2018-08-09 20:46:26 | ポエム

 今年の1月の大寒を過ぎて間もない日のこと。その日は朝から北風が強く、戸外にいるとコートを通して寒さが体にしみ込んで息が苦しくなるほどだった。
 午前11時頃に携帯が鳴り、突然従姉妹の死を告げられた。当然のことながら全く信じられないことであった。というのは前の日に彼女と会って話をしたばかりだったから。
 後になって知った状況だけど、彼女の日課である朝の散歩中の出来事で、その日はいつもとコースを変え、海沿いの道を選んでいたようだ。第一発見者が(実は彼女の知人だったのだが彼女であることを気づかなかったらしい)、雪に覆われた道路脇で横たわっている彼女を見つけ、警察や救急に届けたが、すでに心肺停止状態だった。聞きつけて病院に行ったが、随分待たされた。それは、場所が場所だけに事故と事件の両面から調べが入りそうで、ことによると司法解剖をされる可能性もあったかららしい。結局現場の状況から事件も事故もなさそうだということになり、彼女は戻ってきた。

 彼女の葬儀の日。その日はその時期にしては穏やかな日であった。参列者から彼女の生前の徳のある行いを聞き、改めて周りの人にとってもとても大切な存在であったということを気づかされた。友人の弔辞で心に残っているのは、「親を献身的に看取ったあとも、地域や私たちにとってなくてはならない人になっているあなたが私たちを置いて逝くことは今はとても受け入れられないけれど、きっと天国でもやることがあって呼ばれて逝ったのね」というような言葉であった。喪主挨拶では、夫婦仲が良く、旅行の計画もしていた旦那さんの言葉は、とてもシンプルで、それだけにいっそう胸に迫るものがあった。

 あれから半年。彼女のことは色褪せもせず変わらずに思っているけれど、またいくつかのことを考えたりしている。あの時はそう思った、というように少しずつ人の見方は変わっていくんだろうとか。
一番感じていることは、死は一つの象徴であって実際は生と死は隣り合わせに同時に存在していること。生と死を分けて捉えるよりも一緒のものとして、一つのものとして捉える方が僕には必要で大切な気がする。多分生と死どちらにも意味をつけるためだろうね。この出来事で感じたこと。
 

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