見出し画像

本と音楽とねこと

現代の貧困

井上達夫,2011,『現代の貧困――リベラリズムの日本社会論 』岩波書店(文庫,¥1,365)'11.1.22

 ワーキングプアや社会保障の不備による貧困問題ではなく、日本社会における思想・信条のあり方や政治体制の貧困を論じた本だ。読みとおすのには忍耐が必要だが、ところどころにはっとさせられる至言が散見され、それらを発見し反芻するだけの価値が本書にはある。

目次
第1部 関係の貧困
天皇制を問う視角―民主主義の限界とリベラリズム
付論 補足と解題―天皇制・民主主義・リベラリズム
第2部 共同性の貧困
個人権と共同性―「悩める経済大国」の倫理的再編
第3部 合意の貧困
合意を疑う
政治的知性の蘇生に向けて
コンセンサス社会の危機と変革

私たちの生を包む諸関係は、深刻な病理を抱えているのではないか。象徴天皇制が象徴する「関係の貧困」、会社主義が具現する「共同性の貧困」、五五年体制の遺産たるコンセンサス原理が孕む「合意の貧困」、この三つの病因から、日本社会を構造的に診断。リベラリズムに基づく社会の再編へむけて、ラディカルな思想的処方箋を描く。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「本」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事