オタクでもマニアでもないが、戦前の建築設備を
追いかけているので、資料はそこそこある。
このブログでもわからないことに対して面識のある人ない人、
いろいろな方が答えを出してくださるので(ありがとう)、
私も他人の「わからない」に対しては、微力ながら対応したい
と思っている。
数年前からちょっとしたご縁で、メーカーさんとメールの
やりとりをさせていただいている。わからないという事項に
ついては、そこそこある資料などをお送りしていた。
素人なのにメーカーさんに教えたり、資料を送るのはすごいね
という評価?をいただくが、本当にすごいのはメーカーのほう。
なぜならば世の中にはアカデミックな立場、あるいは専門家の
言うこと以外信用しない、という人は珍しくないからだ。
私はオタクでもマニアでもないが、アカデミックでもない。
しかも職業等も教えていないので、メーカーからすると
「どこの馬の骨かわからない」という立ち位置だ。
なんでこんなことを考えたのかというと、最近チョイチョイ
登場する赤門卒ちゃん。「わからない」「知らない」という
ので経験者なりに描ける「近道マップ」を渡すと、これに
逆らうというか、抵抗してくる。この抵抗は何かきっかけが
あったからじゃない、と気づいたからだ。
書類をどうまとめて、どのように格納するのか。この概略を
赤門卒ちゃんが決めてくれない。で、こちらから前の担当者と
うまく回していた方式を提案をしたんだが、思い起こせば
着任時から既に強く抵抗していたんだよな。結局赤門卒ちゃんを
説得する形で進めたが、非正規雇用が正社員総合職を説得して
までやる仕事かいな、と課長に相談して先日これをやめた。
同僚に話すと
「それは非正規に言われて面白くないんじゃね?」
これは考えにあったけど、一番出したくない答えだったんだよ。
で、メーカーの話。
そんなどこの馬の骨の話(資料)を受け入れてくれて、ありがとう。
役に立てば嬉しいが、それよりも立場抜きに信頼していただけたのが、
何よりも嬉しい。しかも論文に謝辞まで頂戴して、こそばゆい。
真偽不明ながら私の好きな話。産業革命発祥地のイギリスで、
産業遺産を観光資源として活用するのに政府がまずやったことが
それぞれの道に精通しているマニアやオタク集めて、彼らの知識を
吸収したこと。
日本だとたぶんアカデミックな立場、あるいは専門家に声をかけて
それから調査が始まるんだろう。でマニアやオタクは利用されると。
イギリスの最短で目的を達成するために手段を見失わないという
姿勢、マニアやオタクに対して敬意を払うのは凄いなと思う。