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普段の生活で見逃しがちな面白いことを書いていく
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Vガンダムは古くならない

2007-07-11 08:23:02 | ガンダム
"それがVガンダムだ"という本に次の一説がある。
放映時あまり熱心な視聴者でなかった私にとって『Vガンダム』という存在が急速に大きくなったのはここ数年のことだ
それがVガンダムだ ササキバラ・ゴウ 銀河出版 P11より
私もこの言葉に共感する部分がある。
放送されてから14年たった2007年にVガンダムを改めてみると、そこに描かれているテーマはいささかも古びていない。
逆に今、この時代だからこそ、Vガンダムがリアルに感じる。
ファーストガンダムの"ニュータイプ"という言葉がオウム真理教の事件、ノストラダムスの予言が外れたことで力を失ったのとは対照的だ。
Vガンダムが今になってリアルに感じられるようになったのはなぜだろう?
と考えていくうちに、"それがVガンダムだ"という本の中で富野監督がVガンダムを評して語った次の言葉が目に止まった。
分裂症状を自覚して生きていこうとしたら、
カラッポの理が走る。カラッポの知が走る
それがVガンだ
それがVガンダムだ ササキバラ・ゴウ 銀河出版 P151より
確かに、Vガンダムに登場する大人たちはカラッポの理、カラッポの知を掲げて戦っている。
あるものはマリア主義による女性中心の社会を作るために
あるものは地上をバイクの楽園にするために・・・。
しかし、彼らが掲げる価値観は人の命を賭けてまで成し遂げるものだったのだろうか?
Vガンダムが放映されていた1993年当時、ザンスカール帝国の連中のような馬鹿なやつはこの世の中にいるまいと、誰もが思っていた。
だけど、私たちは1995年のオウム真理教の事件、2001年の同時多発テロを経験してしまった。
ザンスカール帝国の連中のようなイカれた連中がいることを知ってしまった
ばかばかしいことで人が死んでしまったり、殺してしまうという不愉快な現実があることが露見してしまった。
その不愉快さはまさにVガンダムを見ているときに感じるものだ。

そして、今の日本はどうだろう?
某政党の首相は叫ぶ。
"日本を美しい国に!"
"成長を実感に!"
ちょっと、待ってください
美しい国って具体的に何?
成長とは具体的に何?
美しい国、成長、これらの言葉は体で実感できないものなのではないの?
まさに、カラッポの理、カラッポの知から導きだされた言葉にしか見えない、聞こえない。
Vガンダムに妙なリアリティを感じるのは、Vガンダムで描かれるザンスカール帝国に今の日本がダブって見えてしまうからかもしれない

そういえば、Vガンダムのザンスカール帝国の人たちは"地球クリーン作戦"*1)という"地球を美しくする"作戦を実行した。
もっとも、この作戦は核戦争を誘発し地球を汚染してしまう結果に終わってしまったが。
くしくも、日本にも"国をクリーンにすること"を公約に掲げる某政党の党首が総理大臣をやっている。
そして、彼の政策も"美しい国"という言葉とは裏腹に、ザンスカール帝国の"地球クリーン作戦"と同じような"醜い"結果になりそうなのは皮肉な類似なのだろうか。

*1)地球を汚染している人々を殺してしまって地球環境を維持しようという、まさに"クリーンな"作戦


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