「おつかれさまです」
と診察室に入ってきたベンジャミンを迎えたのは看護士達の色目である。
「見ましたよ~木村先生。今日ミンメイさんと自宅で何してたんですか~?」
「?ケーキを食べてましたが、それが何か?」
「…は?」
「それより診察に入りますよ。次の人呼んでください」
そこにいたのはいたって真面目な医者の顔のベンジャミンだった。
ミンメイはベッドメイクを直し、洋服のしわを伸ばしてベンジャミンの家を出た。
なんとなく気が晴れなくて、未沙の電話番号をタップした。
『はい、一条です』
「あ、未沙さん突然ごめんなさい。今、話して大丈夫?」
『大丈夫よ。実は今、私の出る幕はほとんどなくて、定時に帰って来ているから』
「じゃあ、今、家?今から行ってもいい?」
ミンメイは手を挙げてタクシーを止めた。
「…って、いう訳なんだけど。私ってそんなに魅力ないかなあ?」
どこかで聞いた台詞だ。
「そうねえ…輝も結構奥手だったから、その気持ちは分かるわ」
「やっぱりねえ…私も未沙さんみたいにドーンっとぶつかって行かなきゃ駄目かしら?」
「いやあねえ、ミンメイさんたら」
未沙は真っ赤になった。
「私はただ待ってたわよ、ひたすら、ね」
「ひたすら待ってた人が2年足らずで出産するまでになったなんて言わせないわよ」
「…まあ…否定はしないわ」
藪から棒だったようだ。
「ミンメイさんを大事にしているんじゃないかしら?」
「もう充分大事にして貰ってる気がするけどなあ…」
ガールズトークはまだ終わりそうもなかった。
夜間診療が終わり、ベンジャミンは研究室にいた。
そのドアをノックする女性がひとり。
「はい、どうぞ」
招き入れると、彼女は以前ベンジャミンと街を歩いていたのをミンメイが目撃したその人であった。
「ずいぶんとお幸せのようですね」
彼女の口調は祝辞というより皮肉に聞こえた。
「グロリア…」
ベンジャミンの顔が真剣になった。
グロリアと呼ばれた女性は両手をポケットに入れ、カツカツとヒールを鳴らしながらベンジャミンに近づいて行った。
「そんなに彼女の蜜は甘いのかしら?」
「なんの事でしょうか?」
グロリアはベンジャミンの正面に立ち、両手をポケットからだしてベンジャミンの顔を引き寄せてキスをした。
だけどベンジャミンは何も感じない。
薄くまぶたを閉じて余所を見ている。
「…本気らしいわね」
「君とはもうだいぶ前に終わったはずだ、グロリア」
「あの時はアタシが悪かったわ、ベンジャミン。記者に追われる生活なんてあなたらしくないわ。もう一度、アタシとやり直しましょう。ベンジャミン」
グロリアはベンジャミンの首にすがった。
「病人を後回しにしろと言った君と、よりを戻す気はないよ。グロリア」
ベンジャミンは両手を解いた。
「僕達は戻らない。永遠に」
ベンジャミンは出入り口へと歩いて行く。
「僕はもう外科にも君にも戻らない。それだけが、今の僕に言える言葉だ。さよなら、グロリア」
ベンジャミンはドアを閉めた。
グロリアは、やりきれない思いを抱いてデスクに寄りかかっていた。
と診察室に入ってきたベンジャミンを迎えたのは看護士達の色目である。
「見ましたよ~木村先生。今日ミンメイさんと自宅で何してたんですか~?」
「?ケーキを食べてましたが、それが何か?」
「…は?」
「それより診察に入りますよ。次の人呼んでください」
そこにいたのはいたって真面目な医者の顔のベンジャミンだった。
ミンメイはベッドメイクを直し、洋服のしわを伸ばしてベンジャミンの家を出た。
なんとなく気が晴れなくて、未沙の電話番号をタップした。
『はい、一条です』
「あ、未沙さん突然ごめんなさい。今、話して大丈夫?」
『大丈夫よ。実は今、私の出る幕はほとんどなくて、定時に帰って来ているから』
「じゃあ、今、家?今から行ってもいい?」
ミンメイは手を挙げてタクシーを止めた。
「…って、いう訳なんだけど。私ってそんなに魅力ないかなあ?」
どこかで聞いた台詞だ。
「そうねえ…輝も結構奥手だったから、その気持ちは分かるわ」
「やっぱりねえ…私も未沙さんみたいにドーンっとぶつかって行かなきゃ駄目かしら?」
「いやあねえ、ミンメイさんたら」
未沙は真っ赤になった。
「私はただ待ってたわよ、ひたすら、ね」
「ひたすら待ってた人が2年足らずで出産するまでになったなんて言わせないわよ」
「…まあ…否定はしないわ」
藪から棒だったようだ。
「ミンメイさんを大事にしているんじゃないかしら?」
「もう充分大事にして貰ってる気がするけどなあ…」
ガールズトークはまだ終わりそうもなかった。
夜間診療が終わり、ベンジャミンは研究室にいた。
そのドアをノックする女性がひとり。
「はい、どうぞ」
招き入れると、彼女は以前ベンジャミンと街を歩いていたのをミンメイが目撃したその人であった。
「ずいぶんとお幸せのようですね」
彼女の口調は祝辞というより皮肉に聞こえた。
「グロリア…」
ベンジャミンの顔が真剣になった。
グロリアと呼ばれた女性は両手をポケットに入れ、カツカツとヒールを鳴らしながらベンジャミンに近づいて行った。
「そんなに彼女の蜜は甘いのかしら?」
「なんの事でしょうか?」
グロリアはベンジャミンの正面に立ち、両手をポケットからだしてベンジャミンの顔を引き寄せてキスをした。
だけどベンジャミンは何も感じない。
薄くまぶたを閉じて余所を見ている。
「…本気らしいわね」
「君とはもうだいぶ前に終わったはずだ、グロリア」
「あの時はアタシが悪かったわ、ベンジャミン。記者に追われる生活なんてあなたらしくないわ。もう一度、アタシとやり直しましょう。ベンジャミン」
グロリアはベンジャミンの首にすがった。
「病人を後回しにしろと言った君と、よりを戻す気はないよ。グロリア」
ベンジャミンは両手を解いた。
「僕達は戻らない。永遠に」
ベンジャミンは出入り口へと歩いて行く。
「僕はもう外科にも君にも戻らない。それだけが、今の僕に言える言葉だ。さよなら、グロリア」
ベンジャミンはドアを閉めた。
グロリアは、やりきれない思いを抱いてデスクに寄りかかっていた。
どこに書こうと迷ったけど、かっこいいベンジャミンがいるここに書きます(笑)
ガールズトーク、未沙かバンドメンバーのカレンしかいませんからなあ。
地球での事もすでに思い出になっているでしょう。
で、イワンと雅持ですが、番外編としては4で終了。
あとは本編の中でバカップルさく裂させていくわよー!(笑)
しかし、久々に18禁書くとすげー恥かしいわ。
と、思ったらまだ一組いたな…バカップル(おい)
朝チュンにしちゃおうっかなー。