仮タイトル

『超時空要塞マクロス』(初代)輝×未沙中心だが
美味しい所はミンメイが持って行く二次創作(SS)ブログ。

Lover's bed

2016-07-29 | ウムイ星編
時は遡り、ミンメイとベンジャミンが一緒に暮らしてから数日経った頃のお話。
ある日、ベンジャミンは夜勤で、ミンメイが一人寝する時であった。
ふとミンメイは両手を横に伸ばしてみる。
「このベッド、こんなに広かったっけ?」
そんな台詞はよくある話。
しかしミンメイの台詞はそうではなく、物理的な広さを感じていた。
よくよく考えるとこのベッドはダブルサイズだ。
「………」
ミンメイは一瞬、ネガティブな事を考え始めてしまったが、訊いてみたい人物はお仕事中なので、諦めて眠ってしまった。

翌朝、眼が覚めてベッドを整える。
「やっぱりダブル…よねぇ」
まだパジャマのままで腕を組み、考え込んでしまった。
とりあえずは着替えて洗顔し、朝食を作ってベンジャミンを待った。
そしてちょうどいい所にベンジャミンが帰ってくる。
「ただいま~。もうクタクタだよ」
「お帰りなさい、ベンジャミン。どうしたの?」
「うん、三人の妊婦さんがほぼ同時に分娩室に入っちゃてね」
「大変だったわね。コーヒー飲む?」
「冷たいカフェ・オ・レが飲みたい…ガムシロップたくさんいれてね」
「わかったわ」
そう言ってミンメイはキッチンに戻った。
木村家のガムシロップは箱買い対象品だ。
ミンメイも最初は引いたが、ケーキをよく食べたりするのは疲れているからだ、と一緒に暮らす時に初めて聞いた。
「はい、シロップたっぷりのカフェ・オ・レよ」
「ありがとう」
ベンジャミンは甘さを確かめるように一口飲んだ。
「ふーっ。やっぱり疲れを取るには甘い物が一番だな」
「朝食も食べてね」
「うん」
ミンメイもテーブルにつき、一緒に朝食を食べた。
そして、訊いてみた。
「…ねえ、ベンジャミンのベッドってダブルよね。…どうしてか、訊いていい?」
「ん?ただ単に僕が寝相が悪くてシングルだとよく落ちてしまうからだよ」
納得できるようで、出来ない答えが返ってきた。
「…そう」
「ふう、ごちそうさま。僕はこれから眠るから、出かける時は何も告げなくて出かけていいよ」
「うん…」
府に落ちそうに無いミンメイの表情。
「…ミンメイ」
呼ばれてミンメイは顔をあげると、軽く触れるキスをされた。
「大好きだよ」
「…うん、私も」
「じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」
そしてベンジャミンが寝室のドアを閉めた。
ベンジャミンはドアに寄りかかった。
「…何も知らない方が良いって事もあるんだよ、ミンメイ」
このベッドは地球を飛び立つ時、マンションと一緒に購入したダブルベッドだった。
地球にいた頃からの恋人、今や元恋人であるグロリアとの生活の名残り。
メガロードが出航して2ヶ月で終わった同居生活の名残り。
ベンジャミンは下着一枚の姿でベッドに潜り、思い出していた。


グロリアとの最中に掛かってきた緊急連絡。
すぐに着替えて病院へ向かおうとするベンジャミンを引きとめようとしたグロリア。
「アタシと患者とどっちが大事なの?!」
「君も医者ならわかるだろう!患者の方だ!」
このひとつの会話で僕らは終わった。
なにより、同じ医者の立場であるグロリアが患者を投げようとした事が許せなかった。

ベンジャミンは目をつぶった。
「…ベッド、取り替えようかな」

そしてミンメイはスタジオでうなっていた。
「どうしたん?ミンメイ」
「ねえジョージ。あなたも恋人と同棲していたわよね」
「いきなり何言ってんだよ…」
「ベッドはダブル?シングル?」
ジョージはコーヒーをふきそうになった。
「あのなあ、そりゃあ、シングルで密着もいいけれど、毎晩それじゃ疲れちまうだろ。セミダブルだよ。なんだ?あのお医者さんは未だにシングルベッドなのか?」
「ううん。ダブルよ」
「ならいいじゃねえか。ったく、惚気話しかよ」
ミンメイはやはり、納得していなかった。
結局ミンメイの気が乗らず、早めの解散となった。
なんとなくまっすぐ家に帰りたくなくて海が見える丘公園に立ち寄った。
「そりゃあ、さあ。私もカイフンがいたし…ベンジャミンなんて一回り年上なんだから、過去に恋人がいても不思議はないんだけどさあ」
外の海が見える展望デッキのベンチに座って色々考えていた。
「でも…前の人の匂いが残っているベッドで眠るのも…面白くない」
ミンメイは涙をこらえて座っていた。
そうしてしばらくの間、海を見ていた。
やがて閉園時間が来ようとする頃、やっとミンメイは家に帰った。
ベンジャミンの待つ家に。

「ただいま」
考えすぎて疲れた頭をガムシロいっぱいのアイスコーヒーで癒したいと思いながら玄関を開けた。
「おかえり、ミンメイ。夕食できてるよ。…どうしたの?」
ベンジャミンはミンメイの目元が赤いのに気がついた。
そんなミンメイはベンジャミンの事を上目遣いに見た。
「ベンジャミンのせいよ」
と、ミンメイは膨れっ面を見せた。
「僕?何かしましたか?」
「寝相が悪いなんて、嘘でしょ。私、そんなベンジャミンの寝相見た事ないもの」
「…ミンメイ」
「わかってる。私だって、ベンジャミンが初めての人じゃないから、こんな事言う資格なんかないって。でも、ベッドの中で前の人の匂いがするのは、嫌なの!」
とうとうミンメイの眼から涙が零れ落ちた。
「…おいで、ミンメイ」
そんなミンメイの手を取り、ベンジャミンは寝室へと向かった。
ドアを開けるとそこには新しいセミダブルベッドがあった。
「…ベンジャミン、これ…」
「ごめんねミンメイ。もっと早くこうするべきだったね」
「なんで、セミダブル?」
「もっとミンメイと密着していたいからさ」
「もう、ベンジャミンたら!」
「早速寝心地を試してみようか?ミンメイ」
そう言うとベンジャミンはミンメイをお姫様抱っこをしてベッドに運んだ。
そしてキス。
「夕食は?」
「後で温めなおせばいい」
「ベンジャミンのエッチ…あ…」
こうしてふたりのベッドへのわだかまりが解けた。
その日のベンジャミンはより一層の熱い行為に没頭していった。





1 コメント

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拍手レス (かりな)
2016-07-31 19:15:39
>ゆばさん
未来ちゃんの能力は修行させてもっと強くなる予定です(^^)v
ミンメイとベンジャミンは今や一緒に風呂入ってても当たり前のラブラブっぷりwww
主人公バカップルがマグロな為、こっち書いてる方が楽しかったりして(爆)
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