仮タイトル

『超時空要塞マクロス』(初代)輝×未沙中心だが
美味しい所はミンメイが持って行く二次創作(SS)ブログ。

こんにちは

2016-04-05 | ウムイ星編
首里城から帰って2ヶ月。
ミンメイは忙しく、ライブも近づいていた事も重なって、帰りは夜遅かった。
「お帰り、ミンメイ。夕食は?」
「もうお腹ぺこぺこ~~」
ベンジャミンはくす、と笑った。
「今、温めてあげるから、着替えておいで」
「は~い!」
ルームウェアに着替えてくるとちょうどテーブルに夕食が並べられている所だった。
「本当、ベンジャミンて器用ね。私、奥さんとしてどうよ?って悩んじゃう…」
「気にする事ないさ、一人暮らしが長かったからね。ほら、座って」
ミンメイはベンジャミンの言葉に甘えて夕食をごちそうになった。
食器の片付けだけはミンメイがやると言ってきかなかった。
「大変なんだろ?リハーサル」
「うん。でももうホールでは歌わないし、大げさな演出がない分、楽なのよ」
下洗いした食器を食器洗浄機に入れて、終了。
「明日も仕事なのかい?」
ベンジャミンの表情は少し曇っていた。
「明日はオフよ。いくら芸能人と言っても休みがなくちゃ身体がもたないわ」
ベンジャミンの表情から曇りが取れた。
「そうか!そうだよね!」
ニコニコ笑顔になったベンジャミンを見て『今晩も眠らせてもらえなさそう…』と感じたミンメイだった。

それから更に2ヶ月。
ライブも無事終わり、長期のオフがやってきた。
が、ミンメイはカレンダーをじっと見ている。
「どうしたんだい?ミンメイ、そんなにカレンダーをじっと見て」
洗濯物をたたみながらベンジャミンが訊いた。
「ベンジャミン…」
「なんだい?」
「出来たかもしれない…」
「なにが?」
「赤ちゃん」
ベンジャミンは持っていたTシャツをポロッと落とした。
「&%$#|‘*}…ミンメイ!行こう!」
「い、行くって、どこへ?」
「病院に決まってるだろ!」
「ちょっ、引っ張らないで!危ないわ!」
ベンジャミンは冷静さを取り戻した。
「あ、ごめん…。とにかく、行こう!今スグに!」
そう言って、無理やりミンメイを病院に連れて行った。
とは言え、診療時間はとうに過ぎている。
が、そこはベンジャミンの職権乱用(笑)とミンメイが視線を浴びないようにとの配慮で病院も一応許してくれた。
ベンジャミンが下腹部にゲルを塗り、超音波検査をする。
ベンジャミンは目を凝らした。
そして発見する。
「いた!」
「え?!」
「ほら、ミンメイ、見えるかい?ここに小さな黒い点があるのを!」
「よく…わからないけど、ベンジャミン本当に?」
「ああ!胎のうが見える!僕たちの赤ちゃんだよ、ミンメイ!」
ミンメイは喜びで涙があふれた。
ゲルをふき取り、服を正してあげると、ベンジャミンとミンメイは抱き合って喜びを分かち合った。
「さ、行こう、ナースステーションに行けば看護士長か誰かいるはずだから、母子手帳作ってもらわなきゃ」
「うん」
二人は手を繋いでナースステーションに向かった。

翌日、ミンメイは未沙に電話をかけた。
「もしもし未沙さん?今、大丈夫?」
『ええ、大丈夫よ。もうきっぱりと退役届けを出して自由の身ですから』
「つわりは無いの?」
『そうねえ、未来の時は酷かったけど、今回は何もないわね』
「ふ~ん。実はね、未沙さん。私も未沙さんの2ヶ月後に出産する事になったの」
『え?!それじゃあ、ミンメイさんに赤ちゃんが?』
「うん、まだ実感がわかないけどね」
そこに玄関の鍵を開けて入ってくる音が聞こえた。
「あ、ベンジャミンが帰って来たわ。それじゃあね、未沙さん」
『お大事にね』
「お互いにね」
そうして電話を切って、玄関へとベンジャミンを迎えに出た。

おしまい