仮タイトル

『超時空要塞マクロス』(初代)輝×未沙中心だが
美味しい所はミンメイが持って行く二次創作(SS)ブログ。

UMUI(54)

2016-03-30 | メガロード編3
それからミンメイは月に一度、婦人科を訪れるようになった。
生活が不規則なミンメイには決まった時間にピルを飲むのは難しいだろう、と考え、月に一度ホルモン注射をして生理を止める方法を選んだ。
「大丈夫かい?痛いだろう」
「大丈夫よ。ベンジャミン注射が上手いのね」
正直、これがあと5年続くと思うと気が重い。
だけどベンジャミンも、いつ間違いを犯すかわからないので、念には念をと言ったところだろうか。


ある日、イワンと雅持はふたりで街に出ていた。
何をする訳でもなく、ショーウィンドウを眺めたり、イワンがスリットの深く入った洋服を雅持に勧めてふざけてみたり、公園のベンチでアイスクリームを食べたりしていた。
「世の中のカップルってーのはこういう事すんのかー」
夜に女をひっかけて遊んでいたイワンには新鮮な事だった。
そんな事言うイワンに雅持がくす、と笑った。
「あら、イワンじゃない?」
そんな時、一人の女性がイワンに声をかけてきた。
「えーと…どちらさんでしたっけ?」
と、とぼけているように聞こえるが、雅持との生活が幸せで過去に遊んだ女の事など本当にキレイさっぱり忘れていた。
「いやあねえ、最近ご無沙汰だと思ってたら、こんな所で日向ぼっこ?イリーナよ」
「あー、イリーナさん」
イワンは雅持と二人の時に遊びの女と顔を合わせるなんて思ってなかったので、冷や汗が止まらない。
「バーの方にも顔を見せないからどうしたのかと思ってたけど、なあに?その女、あなたの好みと丸っきり正反対じゃない」
雅持はそう言われて、恥かしいように顔を伏せた。
なにしろ彼女はボン、キュ、ボンの見事なスタイルの持ち主だったからだ。
「イリーナ、俺の事はなんとでも言っていいが、雅持の事を言うのは許さない」
「…びっくりした。本気なの?そんなのつまらないわ。前のあなたに戻って、今夜一晩遊ばない?イワン」
「残念ながら夜遊びは卒業したんでね。なんならウチのモテない隊員レンタルしてやってもいいぞ」
雅持は耐えられなくて踵を返して歩いて行った。
「あ、雅持!待てよ!」
イワンはそれを追いかけて行く。
「つまんない男」
イリーナはイワンの携帯番号を消去した。
さすが軍人と言うべきか、雅持はすたすたと早足で歩いて行く。
それをイワンが走って追いかけてきた。
「待てよ雅持」
「どうせ私は胸もないし、くびれもあやふやだし、お尻も薄っぺらいですから」
「何そんな事ですねてんだよ」
「…せっかくのデートだったのに」
「雅持、俺は今は雅持一人だよ」
ちら、と雅持はイワンの顔を見上げた。
ほっぺを赤くしてぷうっとした顔をしている雅持を見て、本当に可愛いと思った。
―――萌える。
「来い、雅持」
イワンは雅持の腕を引っ張り、すたすたと歩いていった。
行き着いた先は…ラブホテル。
目が点になった雅持は断固入るのを拒否した。
が、雅持はひょいとイワンに抱きかかえられ、否応無く入店する事となった。
鏡張りとはいかないが、ピンク色に染まる部屋に入れられ、ベッドに落とされた。
「きゃあ!」
「雅持ちゃ~ん」
イワンは雅持の服を一枚一枚脱がしていく。
「こんな所じゃ、嫌だってばっ!」
「お前が可愛い事するから悪い」
「何よそれ?!とにかくどいてってば!」
「それこそ嫌だもんね~」
いつの間にか雅持の上半身はすっかり裸にされている。
「イワンったら!…あん」
この様子をみて八咫烏は自分があほらしく見えたとかなんとか。
『とりあえず、こちらは心配ないな』
そう言って飛び去った。