私の故郷ですなどと、お話をしても迷惑なだけですね。
でも、先の24話、25話で宮崎の話をして、私の故郷を話さないのも変ですし、何よりも聞いて欲しい気持ちになっています。
宮崎県西都市は田舎です。見上げる山脈は、九州山脈です。大人になって関東地方に住むようになり、見渡す限り山がないという経験に驚きました。筑波山に行き、遠くに山が見えた時は、「本当に関東平野って広い!」と思いました。
西都市は田舎ですが、自慢すべきものがあります。それは市の中心地に位置している大きな古墳群、「西都原古墳群(さいとばるこふんぐん)」があることです。古墳群の中心には『前方後円墳』があります。西都原は台地になっていて古墳が点在していました。現在は、歴史的なものは整備されています。資料館や県立西都原考古博物館があり、博物館には学芸員もいて、古墳のことを学ぶことができます。
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宮崎県立西都原考古博物館 館内には古墳から出たものなど豊富に
展示されています。
私の中に息づく西都原の原風景は、男狭穂塚・女狭穂塚を有する前方後円墳と黒土の台地、桜並木、黄色一色の菜の花がその全形です。当地は郷土の人々に愛され、春の桜まつりの賑やかさは、子ども心には、お正月並みの喜びでした。
現在は観光地としての知名度も上がり、市政としても観光客の呼び込みに力を入れているようです。四季のイベントも盛んに行われ、古墳の周辺はひまわりやコスモスが花盛りになります。
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鬼の窟(おにのいわや)古墳。 石室の様子。
唯一横穴式石室を持つ古墳です。
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鬼の窟の周囲は墳丘になっています。 墳丘を孫が走っています。周囲は一面、ヒマ
ワリが咲いています。
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秋はコスモス祭り。 鬼の窟の周辺にある古墳
遠方に鬼の窟の全様が見えます
😃私の思い出
小学生の時、先生に鬼の窟に関わる神話を聞きました。詳細を思い出すことはできませんが‥
この地にコノハナサクヤヒメとイワナガヒメの姉妹がいました。そこに、ニニギノミコトが現れ
美しいコノハナサクヤヒメと結婚することになりました。父親のオオヤマツミノカミは姉のイワ
ナガヒメとも結婚するようにと説得しますが、美しくないイワナガヒメとの結婚は断りました。
イワナガヒメにとって、あまりの悲しさです。ある日、イワナガヒメは鏡で自分の姿を見て、そ
の醜さを悲しみ、鏡を遠くに投げ捨てました。その鏡が飛んだいったのが銀鏡(しろみ)でし
た。(上記の見出し蘭の写真は、西都市を流れる一級河川の一ツ瀬川です。この川のずっと上流
に、銀鏡という地域があります)ここに銀鏡神社があり、イワナガヒメが投げ捨てた鏡が祀られ
ています。
コノハナサクヤヒメの神話を調べてみると、姉妹二人の結婚については、美しいコノハナサクヤ
ヒメは桜が散る如く短命であり、岩のようなイワナガヒメは長寿だということで、二人と結婚す
るようにオオヤマツミノカミは説得しようとしたとあります。
それにしても、美しくないために結婚できない女の人が、悲しくて投げた鏡が銀鏡まで飛んだ
ことは衝撃的だったのでしょう。あのとき、あの場所で聞いた言葉が、私の頭から忘れられるこ
とは、ありませんでした。
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日々、紫陽花の花が色づいてきます。 満開のつつじです。