goo blog サービス終了のお知らせ 
見出し画像

hitonohuukei

人の風景 emiko life 287話 大切な雑誌『暮しの手帖』

病院に受診予約を入れている日は、朝から、いいえ前夜から緊張気味です。

なぜ緊張するかと言えば、検査結果の数値が気になるからです。

「食生活がきちんと管理できなかったなぁ・・」

宿題をしなかった子どものように、先生の言葉が恐い訳です。

それでも病院に行き、血液検査の採血や心電図を取り終わると、受診の順番が来るまで、1時間は待ち時間になるのでのんびり気分に・・

そこで、いつも行くのが病院の売店です。

雑誌や病気に関する単行本が売られています。

本の種類や冊数は少ないのですが、結構、買ってしまいます。

今回買ったのが、『暮しの手帖11』と『100kcalがめやすの糖尿病予防・改善メニュー』、『糖尿病の予防と改善に役立つ食べ物』。



今日は、この3冊の中の暮しの手帖について話題にしたいと思います。

『暮しの手帖』この大切なる雑誌

私的には、「私たちの生活文化の宝物」と言えます。

結婚して、家庭生活や子育ての知恵袋的に手元に置いていた暮しの手帖ですが、自分なりの生活ができるようになってからの長い年月、手にしませんでした。

病気になって、定期的に病院に行き、長い時間待合室に座るようになって、再びの出会いです。

久しぶりに手にして感動しました。

文章は少し硬いし、写真はめっちゃきれいなのです。

雑誌の形態ながら、文学的な雰囲気がプンプン。

良い香です。



表紙も良い写真です。

なにを表現している写真なのか、手に取って開いてみないとわかりません。

今号の主企画記事は、「生きることは、楽しいことばかり」

「えっ、何言っているの⁉」

買ってから、待合室の椅子に座ると、ワクワクして開きました。


編集者の巻頭文より転記

「どんなに みじめな氣持でゐるときでも
つつましい おしゃれ心を失はないでいゐよう
かなしい明け暮れを過ごしてゐときこそ
きよらかな おしゃれ心に灯をつけよう」
      『スタイルブック』1946年夏より

これは、初代編集長の花森安治が、
『暮しの手帖』の前身である雑誌に記した言葉。
ああ、なんだかいい言葉だな、と響くのは、
私たちが去年から、胸に陰りを抱えながら、
うつむき加減に歩いてきたからかもしれません。
たぶん、贅沢をしなくたって、
毎日の暮らしに「おしゃれ心」は見いだせる。
装いはもちろん、食卓にも、会話にも。
ささやかな工夫と、よく働く手、そして、
人生を楽しもうという気持ちを失わない限り。
今号は、こんな言葉を掲げた記事から始まります。
生きることは、楽しいことばかり。


「生きることは、楽しいことばかり」と話されているのは、童話屋書店 田中和雄さんです。

そんなことはない、辛いことも、悲しいこともあると筆者が言えば、

「でも、何のために
生きているかといったら。
楽しむためでしょう?」

童話屋書店を開店してから、谷川俊太郎や茨木のり子、石垣りん、安野光雅など、多くの人たちと出会い、詩の世界に深く関わっていったとのことです。

田中さんが開けた詩の扉の向こうには、たくさんの大きく深く、美しい言葉があったと言っています。

―――詩人たちは自分が自分でいることの大切さをくり返し書いてきた。懸命に。時に切実に。「自分が自分でいることを喜べたら、人生は大成功」と田中さん。大切なことは何か、詩が教えてくれた。ーーー

「”楽しいこと”は何も、豪華なことや贅沢なことに限らなくて、生きている、そのものの中に山ほどある」

そうですね。

生きる中に楽しいことはたくさんあって、その楽しさを楽しむ心を動かしていないだけなのでしょう。

自分が自分であることを喜び、その自分を楽しませる行動があれば

「生きることは、楽しいことばかり」

表紙の写真は、銅版画家・南 桂子さんの作品でした。

銅版画家・南 桂子 夜中にとびたつ小鳥のように




42歳でパリに渡り、芸術の才能を開花させた女性・南 桂子さん。

明治に生まれ、女性が自分を生きるのには厳しい時代に、芸術を志し、パリで28年間、サンフランシスコで14年間創作活動に取り組んでいます。

銅版画は、大変な手仕事で制作される作品のようです。

・・・きっちりとした線で描かれた作品は、叙情性、メルヘン、切なさなど、どんな言葉で摑むのもむつかしい、不思議な力をたたえています・・・

南さんが晩年、いつもいつも仕事と一緒の道であった事が本当に幸せだったと、『南桂子全版画作品集』に綴っています。

本当に一途に銅版画の制作に取り組まれた幸せな人生だったようです。
 
良い情報がありました。


展覧会情報のお知らせ

南桂子生誕110年記念「蝶の行方」展
会期:2021年4月10日(土)~8月9日(月・振休)
   前期 4月10日~6月6日、後期 6月12日~8月9日で作品の入れ替え
場所:ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
  (東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7)
電話:03-3665-0251


読み物記事がもう一つあります。

詩が悲しみに寄り添えるなら    若松英輔

この記事は、読み物として掲載されていますが、純文学(?)に近くて、気楽には読めませんね・・

頭が痛い思考回路になってきましたので、ここは読まれた方の判断にお任せすることにします。

私も、随分、詩の本を読みました。

涙しながら詩を書き留めた小さな手帳は、今どこにあるのだろう・・

投稿記事なのか、編集者の記事なのか、「すてきなあなたに」も面白い。

おーなり由子さんの「朝を見に行く」を読みながら、

「そう、その瞬間しか見ることのできない、事象に出会うことがあるのよねー

ミロコマチコ 奄美大島新聞 も楽しい。

どの記事も楽しく、私の生活の知恵となる情報でした。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「emikoの風景」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2023年
人気記事