透かし織模様の夏用マフラーの話題です。
emikolife 284話、285話で作り方につきましては、お話ししましたので、今回は前作との違いについて話題にします。
今回で同じ模様の夏用ショールの作成は、3枚目になります。
前作は、ショールとして幅が広くなっていますが、今回は、幅を狭くしてマフラーとして作成しました。
作成の方法は、ショールと同じなので、その中で数字などが変わった所を直して、同じ情報を記載していきます。
制作過程におきましては、画像共に284話のものを、再度、記載します。

目 次
1.道具と材料について
2.デザインは透かし織りを模様にする
3.制作過程
4.まとめ
夏用マフラーは、織物の作品として制作します。
「織機は持っているけど、随分やっていないわ・・」
という方には、再度、織機に触れていただきたいし、織物をやってみたいと思っていた方には、チャレンジの機会になって欲しいと考えます。
では、始めましょう。
1.道具と素材について

先ず、道具は機織り機を使います。
機織機と言うと、部屋いっぱいの大きさを考えますが、現在は、卓上に置いて使えるコンパクトな織機があります。
机や作業台に置いて、手軽に作業が出来ますのでお勧めです。
私が使っているのは、オープンリードの織機です。

画像は【楽天市場】手織り機40㎝Clover咲きおり 参照資料
卓上式 オープンリードです。大きさとして幅40㎝と60㎝があります。最初だからと40㎝を選びましたが、ショールなど幅広の物を作りたくなり、60㎝が必要になりました。最初から60㎝を選ぶ方が賢明です。
道 具
織機:卓上式 オープンリード Clover 咲おり 40㎝
ソウコウ:30羽
材 料
糸:綿と麻の混紡糸
コットン100%
サイズ
織りサイズ:幅24㎝×長さ160㎝(房の長さ10㎝×2は含まない)

2デザインは透かし織りを模様にする
夏ですから暑苦しいデザインは、避けたいと思います。
肝心の首筋の周りをしっかり覆い、日射しを避けることと汗取りを目的にデザインを考えます。
首筋の周囲の織り地は、平織りで織り、それ以外の部分は模様が重なって厚地にならないようにします。
選んだ模様は、透かし織りです。
上記のサイズの全体図で模様の部分に、透かし織りを入れていきます。

完成した作品です。
この模様を主に考えて織っていきます。
3.制作過程
1.道具と材料の画像で、使用する物を明示しました。
整経台・30羽ソウコウ・シャトル・クシ・スティック・ワープスティック・マジックテープ・ハサミ・定規・・・
たて糸とよこ糸の必要量を計算してみましょう。
⒈たて糸
①たて糸:綿60% 麻40%の混紡糸
②密 度:30羽ソウコウの場合は3本/㎝
③たて糸の本数:24㎝×3本=72本
④たて糸の長さ:160㎝+30㎝(ムダ糸)=190㎝
190㎝×1.1(縮む分)≒2.1m
⑤たて糸の量:2.1m×72本=151m
⑥たて糸は整経台の穴、中央の穴からサイドの穴は20㎝ サイドからサイドまでは40㎝の長さとして、1本210㎝の長さで72本かけます。
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↓
●ソウコウから中央の穴まで20㎝+中央の穴からサイドの穴まで20㎝
●スティックのサイドからサイドまでの長さは40㎝
1図は、1本のたて糸の長さを(20㎝+20㎝+40㎝+40㎝+40㎝+40㎝
+10㎝)を示しています。
2図は、たて糸が全てかかった状態です。
この時、たて糸の端はオレンジ色のホルダーで挟み込むようにフロントローラーに取り付けます。
竿ソウコウからフロントローラーに取り付けたたて糸の張りの強さは、均等にします。
たて糸がかかったら織り始めましょう。
2.よこ糸
①よこ糸;コットン100%
②密 度:58段/10㎝(平織りの部分)
③よこ糸の段数:128㎝×58段=743段(平織りの部分)
19段×4か所=76段 (模様の部分)
743段+76段=819段
④よこ糸の量:幅24㎝×819段≒197m
197mk×1.1=217m
3.よこ糸の織り方
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↓
①フロントローラーと織り始めのソウコウの間の5㎝ほどのたて糸は、房になる部分です。
②棒状に折った紙をたて糸に通して、たて糸と一緒にフロントローラーに巻き込みます。
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③織り始めます。
ほつれ止めを別糸で3段織ってから、コットン糸で平織りを5㎝織ります。
※平織りの部分は、強く打ち込み過ぎないようによこ糸の密度に注意します。
打ちこみが強すぎると糸の間が狭くなり、途中で糸が足りなくなり、出来上がりサイズが短くなります。
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④5㎝の平織りの最後は、一番右のたて糸がよこ糸の下を通っている状態で終わらせます。
⑥最初の透かし織りを織ります。
透かし織りは、隣り合う2本のたて糸を絡めて、模様にします。
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⑦最初の透かし織りは、1本右回りで絡ませます。
4 3 2 1

●隣り合う1番の糸と2番の糸を絡ませます。2番の糸が1番の糸の下を通って上糸になり、その隙間によこ糸を通します。
●平織りを2段織ります。
⑧2番目の透かし織りは、1本左回りで絡ませます。

●隣り合う1番の糸と2番の糸を絡ませます。1番の糸が2番の糸の下を通って上糸になり、その隙間によこ糸を通します。
●平織りを5段織ります。
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⑨3番目の透かし織りは、2本右回りで絡ませます。

●1,2,3,4の4本並んだたて糸で1組の模様を作ります。
3,4の糸が1,2のの糸の下を通って上糸になり、その隙間によこ糸を通します。
●平織りを5段織ります。
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⑩この後は、⑧を織り、最後に⑦を織りますと透かし織りの1模様ができました。
⑪透かし織りが終わると平織りを12㎝織り、2つ目の透かし織り模様1つ目同様に織ります。
⑫織り始めから2つの透かし織り模様を入れ終わると35㎝になります。
⑬次に平織りを90㎝織ります。
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⑭ ⑬の平織りが終わると片端の模様を、織り始め側と同様に⑦、⑧、⑨、⑩の手順で2個目の透かし織り模様を入れながら35㎝織ります。
⑮ここで、本体は出来上がりました。
⑯残ったたて糸をバックローラーから切り離します。
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⑰ショールが整経台から、切り離されました。
房を整える
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⑱房は4本ずつのネクタイ結びで整えます。
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⑲全ての房をネクタイ結びをしたら、10㎝の長さに切り揃えます。
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⑳房ができました。
㉑最後は、柔軟剤を加えた40℃のお湯に30分つけ、ネットに入れて脱水してから、乾かします。
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㉒仕上げに軽くアイロンをかけて、整えます。
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4.まとめ
夏糸マフラーが出来上がりました。
使用した糸です。


●糸紹介:パピー イタリア製 ザンビアプリントコットン100%
●先の2枚の夏糸ショールとの幅の違いです。

さあ、強い日射しに、この一枚が大活躍することでしょう。
日射しから皮膚を守ると共に、汗を拭いても大丈夫です。
夏糸で仕上げていますので、洗濯も大丈夫。洗うとさらに、生地が柔らかくなり、使い心地が一層よくなることでしょう。
洗濯は優しく手洗いをしていただき、仕上げにアイロンをあててください。
汗をかきますので、洗濯の回数が多くなりますが、仕上げにアイロンをかけていただくと、いつまでもおしゃれにお使いいただけると思います。



この夏糸ショールは、Marchel マルシェルに出品します。
お値段は、送料込みで4000円です。
夏の日射し対策のお役立ちグッズとしてご愛用頂けると嬉しいです。