Lost And Found

人生失くしたもの・・みつけたもの・・

初めての交通事故

2020-05-20 12:32:17 | 僕がヤマトでウツになったワケ

入社してちょうど一年目のある日。

僕はトラックで配達中事故を起こしてしまいました。

細い裏道で僕は右折しようとしていたところ

本来駐車してはいけない場所に駐車していた車両に

オーバーハングで左後方をぶつけてしまいました。

とはいえ僕のミス。

 

その瞬間僕の頭にすぐよぎったのは、

自分はクビになるんじゃないだろうか

生活できなくなるんじゃないだろうかという不安、

そして事故相手にかける迷惑、

会社にかける迷惑。

仲間にかける迷惑・・。

僕は震えた声で上司に電話で報告して事故処理してもらうことになりました。

 

この場合ヤマトのルールではざっくり以下の通りだったように記憶している。

僕は即刻乗務停止。

僕の担当していたコースの荷物は他のコースが割り振りでしばらくの間で引き受けることとなり、

事故で空いたコースに他のセンターから応援に来ることなどない。

本部からいけ好かない事故調査担当の「背広達」がやってきて現場検証。

上から目線でありきたりな注意をされる。

事故を起こしたドライバーの名前は出ることはないが、

発生させたセンター名が即刻県内の全センターに緊急メールで知れ渡る。

センターに帰って当然車載ドラレコを隅から隅まで見られ、

重箱の隅を突かれまくる。

痛くもない腹を探られる。

事故当日の全ての業務が終了した夜、

連帯責任と言わんばかりに同僚全てをセンターに足止めして緊急の事故報告会議が開かれ、

「背広達」が中心となって僕への追及が始まる。

僕は同僚たちに顔向けができる、目を合わせられなかった。

僕は今回の件につき一筆かかされ、

同僚は翌日から明らかに増える荷物にため息をつき、

重苦しい雰囲気となる。

帰宅は11時過ぎに。

 

僕は翌日から仕事量を増やしてしまった同僚に申し訳なさを隠し切れず

それを横目に内勤命令。

受付業務、構内の掃除、草むしり、トイレ掃除・・

 

僕が再度乗務できるようになるには、

再乗務の実地乗務テストをクリアし、

「背広」のお墨付きをもらい、

その地域を管轄する本部の一番偉いさん、直属の支店長、安全担当の背広との4者面談。

一番の偉いさんの許可が下りた後です。

 

当然事故で起こした損害は会社と僕の負担に。

僕の負担は給料から天引きです。

薄給から3万円ほど引かれました。

 

とにかく、運転しなければ仕事が始まらないこの会社で

ドライバーが事故を起こした時のストレスは半端ありません。

プライベートでもそれは相当なものなのに、

それを会社で起こしてしまったとあってはさらにストレスが大きなものになります。

自責の念で自分がつぶされそうになります。

一方、同僚ドライバーはそんな僕に対して優しかったのを覚えています。

ドライバーなら些細な事故なら誰でもやってる、という理由からです。

 

しかし僕にはそれが慰めにはならなかった。

逆にハンドルを持つことは怖いことだという運転への恐怖に繋がった。

その感覚は正しいし、それを再認識したことは良いことなのだろうけど、

僕の恐怖はまた別のところにあった。

まず、事故を起こした時センター全員に迷惑がかかるヤマトの一蓮托生システム。

特に繁忙期に起こそうものなら同僚は表では何も言わないだろうが、

裏では言いたい放題、となっていたはず。

 

次に監視し、評価し、追及される。ヤマトの「恐育」システム。

個々の能力に関わらずたくさんの荷物を持ち出させ、

時間を厳守させ、交通法規を完全順守を要求され、

その上社内交通ルールも順守要求され、カメラで四六時中監視、

業務終了時には運転を採点される。

それが思わしくなければ呼び出し、面談、始末書、顛末書等の罰則の数々。

自分には社員を罰則という恐怖でルール順守させているように感じて仕方なかった。

 

僕はそんなヤマトを非難しているのではない。

残念ながらきっとこの会社は

そういう方法でしか人を管理するしか方法がないのだろう。

 

それまでフリーランスやってた自分にとって、

会社員であることの難しさ、息苦しさを改めて感じさせられた気がした。

 

 


神経質な客

2020-05-20 09:06:15 | 僕がヤマトでウツになったワケ

盆のある日、僕は中身が花と見られる

非常に縦長で底面に重心のない不安定な荷物の箱を

あるお宅に届けに向かっていました。

そのような荷物でしたから、センター到着時に

すでに底面角に少し水の滲みを確認していました。

花枯れを防ぐために入っている水が染み出ているのでしょう。

これは荷物受け人に軒下で中身を「現認」後、

受け取るかどうか決めてもらわなければならない案件です。

 

受け人宅に到着しました。

到着時には先ほどより水滲みが大きくひろがり、

底面一体を濡らしていました。

 

チャイムを鳴らし、

出てきた老夫婦に事情と経緯を説明の上お詫びしました。

するとどうでしょう。

荷物の状態を見るやいなや

 

 

「こんな荷物を持ってくるとは失礼だ!」

 

そう言って怒ってドアを閉めていきました。

荷物は一切中身を確認することもなく返品となりました。

 

私が見て思うに、外装のダンボールが内側から濡れているだけで、

中身の花は大丈夫なはずです。

まあ、でもそれが客には失礼に感じられたのだから、それはそれで仕方ない。

今回の荷物事故は不可抗力。

そういった認識で現場を離れたのでした。

 

のちに一件のクレームが端末に流れてきました。

さっきの客がご丁寧にサービスセンターに苦情を入れたのです。

その概要は、

 

「苦情・クレーム:

ドライバーが

外装の濡れた箱を持ってきた。

非常に失礼だ。

 

持ってきた

ドライバーを

出禁にしてほしい。」

 

もちろん荷物がそのような状態になってしまったのは僕としてもとても残念でした。

しかし中身が無事か確認せず、

その経緯も考慮せず、

ドライバーを出禁にしろ、

というのはどうなんですかね?

(別に自分的には出禁でも全く構いませんが。)

 

このようなことになるかもしれない可能性を感じながら

その荷物を梱包発送した客、それを受けたセンターにも疑問が残ります。

 

客にしたら非常に大切な荷物だったのかもしれませんが、

ぶっちゃけ言えば、

ドライバーにすれば一日に配るたくさんの荷物の中のほんのひとつ。

全てをあたかも「自分の荷物」かのように扱うのは無理があるってもんですよ。

人間ですから人為的なミスで荷物を損傷させてしまうことだってあります。

 

私も時に荷物を受け取る側の「客」となりますが、

たかが荷物。

されど荷物。

荷物には人間がかかわっているのですから、

そういったこともありうる、

そう考えています。

利用客はそんな寛容性を持っててもいいんじゃないですかね?

 

出禁を客に言い渡された後日談。

どうなったとおもいますか?

他コースのドライバーがその客のお宅だけに配達に行くわけにもいかないので、

ヤマト的には

 

「客も喉元過ぎれば熱さを忘れとるだろう」

 

ということでお前が引き続き行け、

ということになりました。

 

で、恐る恐るその客のところに配達に行きました。

 

客は完全に僕のことは忘れてました(笑)

 


横柄な障害者の客

2020-05-17 20:01:01 | 僕がヤマトでウツになったワケ

その障害者の客は主に低所得者層が住む地域のボロ家に住む

健常者をアゴで使う、大変気分の悪い客でした。

金があるのか通販をよく利用していました。

 

自分で決めた配達時間を電話でドライバーに直接命令してくる。

鍵を開けるのは10分間。

1分でも遅れたらその日の配達は中止、

そして翌日に持ち越し。

といったような面倒くさい客でした。

 

とはいえドライバーにも他にたくさんの客と荷物がありますので、

その方だけ特別扱いすることは難しいです。

 

ある日、その客から直接電話がありました。

僕は指定する14時半にちょうど配達できる距離にたまたまいたので、

また後日再配達でその客の顔を見るのも嫌だったこともあり、

他の配達もそっちのけで配達に行くことにしました。

 

この客は自ら玄関口に車いすで出てくることが可能なのに、

いつもお世辞にも綺麗とは言い難い部屋の中まで配達するように要求します。

荷物に荷造りのPPバンドがかかっていたら、

それをハサミで切断していくように「命令」をします。

その態度はさも「当たり前」かのよう。

ありがとうの言葉なんて一切ありません。

いくつかの職種を経験したことがありますが、

とりわけ「運送業」が下に見られていると感じる瞬間です。

 

この家には何度か行ったことがあるんですが、

応対している訪問介護スタッフもその態度にとても苦労している様子でした。

 

また別のある日、荷物の配達に行きました。

代引きのお釣りを荷物の上に置いた、

手渡しをしなかったという些細な理由で、

 

「ヤマトとは金輪際関わりたくない。

長い付き合いだったがもう来ないでくれ。」

 

と、大声で恫喝、ブチ切れました。

まさかの三行半、特に「長い付き合い」のくだりが個人的にうけました(笑)

 

僕的にはこの客の家に来なくてよくなるなら願ったりかなったりなんだけど、

通販に頼ってる生活で、配送業者を都合よく指定できるものなんかな?

と、少し疑問に思っていました。

 

しばらくして、この客宛に配達すべき荷物がやはり届きました。

ヤマトを都合よく排除することはできなかったようです(笑)

しかしその日をもって僕は直接その客に荷物を手渡しすることはほぼなくなりました。

よほど自分の発言にバツが悪かったんでしょうね。

その日から玄関口の訪問介護サービスのスタッフに手渡しすることになりました(笑)

 

自分的には世の中にこのような横柄な態度の障害者がいるとは驚きました。

自ら持ってた障害者のイメージと真逆でしたので。

こういった人にはたとえ障害者であっても親切にしたいと正直思えない、

そういう出来事でした。

 

 

 


自分ルールを押し付ける客

2020-05-17 12:32:58 | 僕がヤマトでウツになったワケ

正月三が日の夜間配達のこと。

僕はあるクレーマー(歳は50前後、女っけのない独身)の家に配達に向かっていました。

配達指定は19-21時。

但し書きには

 

「最終希望 なるべく遅く」

 

とありました。

時間は19時5分。

なるべく遅く、とありましたが、

残念ながらその日はこれが最後の荷物でした。

正月の夜間配達は荷物の数が少なく、

このようなことも珍しいことではありません。

 

軒先でチャイムを鳴らしますが、不在。

在宅の気配もありません。

僕は荷物を手渡しできなかったことを詫び、

その理由を不在票に書いて投函し、

センターに帰庫しました。

以前にも「最終で」と依頼がありましたが、

それが叶わなかったことが一度あったため、

念のため丁寧にメッセージを残しました。

 

帰り支度をしていた8時半ごろ、

ある客が烈火の如く怒った様子で怒鳴り込んで

センターに荷物を引き取りにやってきました。

 

 

「なあ、

なるべく遅く配達してくれと

書いてあっただろう!?

 

 

センターに怒号が響き渡ります。

客の声はどんどん大きくなる一方、受付の女は対応に困っています。

 

パーティションの裏側で、

ただならぬ空気を感じた僕は嫌な予感がしました。

表の様子をうかがったところ、

先ほど不在だったその客でした。

僕の横には支店長もいましたが様子をうかがうだけ。

誰もこの状況をおさめようともしません。

 

「僕の担当の客なので、僕が出ていきます。」

 

そういって僕は表に出ていきました。

 

「いらっしゃいませ。先ほどお届けできない理由を書いた不在票を入れたのは僕です。

お詫びのメッセージを残したはずですが・・」

 

 

「何がお詫びだ?あ?

お前なあ、

最終で配達しろと

指定してあっただろ?」

 

 

「ですから、最終でお届けしてもあの時間だったのです。すみません。

お帰りがいつになるとも分からないお客様のお帰りを待ってお届けするわけにもいかず・・

 

 

「ふざけんな!

俺は8時回らないと帰れないんだ!」

 

 

(そんなの知るかよ・・・)

 

 

センター止め、コンビニ受け取り、置き配、宅配ボックス設置・・

帰宅の遅い客にも受け取れる方法はいくらでもあるはずです。

 

 

「ですから、正月の夜間配達は荷物の量が・・」

 

 

「ああ、もういいっ!」

 

 

ウンザリしたように客はこう吐き捨て、

店内の横断幕を指さしてこう言いました。

 

 

 

あれはなんだ!?

うそばっかりじゃねーか!」

 

 

 

横断幕には「お客さんに期待以上のサービスを」と書いてありました。

 

 

 

「いいから荷物をここに持ってこい!」

 

 

 

僕は配達できなかったその荷物を客の目の前に差し出しました。

120サイズはあろうかという重たいダンボールです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、こ、こんなもん持って帰れるか!!!!ボケ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は

 

 

 

 

 

自転車で来てるんだ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

(知らんがな)

 

 

 

 

 

「ほんま情けなくなってきたわ・・

毎晩夜遅くまで仕事して帰ってきて、・・

 

 

ほんま・・

 

 

 

 

ここで暴れてやろうか!!!!!」

 

 

 

 

 

 

これは明らかな恫喝、脅迫罪、威力業務妨害に相当します。

しかし支店長はパーティションの裏から出てきません。

 

僕は冷めた目でクレーマーを見ていました。

 

端末も終了し、トラックのシステムもシャットダウンした後。

トラックでの配達は無理です。

客のクレームはループし、収拾がつかなくなってきました。

客は気がおさまる様子はありません。

ゴネる客に僕は、

 

 

 

「・・・わかりました。帰宅途中、自家用車で荷物を置いていきます。」

 

 

 

 

「当たり前だ!!!」

 

 

客は愚痴りながらセンターを後にしました。

 

自分はなんでこんな惨めな思いをしているのだろう?

ため息がでました。

 

今になって思えばこの対応は仕方なかったのかなとも思います。

怒りで我を忘れている客にはルールを説いても無駄ですもんね。

 

ただ、このようなわがままな客がいること、

支店長が弁護、バックアップしてくれなかったことに

当時とても残念な思いがしました。

 

そして、担当するコースにこのような客がひとりやふたりではないことを後に知るのでした。

 

「俺は客だぞ?客は神様だろ?」

 

残念ながら現実的にそういった態度の個人客は多く、

これが個人客のモラルの現状なのです。

 


過失を転嫁する客

2020-05-17 10:24:57 | 僕がヤマトでウツになったワケ

配達運転中のある日、僕の業務端末にメールが入りました。

 

「苦情・クレーム:

xxコースのドライバーが

チャイムも鳴らさずに

不在票だけを入れていったと

ひどくお怒り。折電希望。

現在ご在宅。」

 

読んでみると僕のことのようです。

こんな時、ドキッとして変な汗がでます。

しかし、たくさんの荷物を配達しているので

記憶にありません・・。

一つでも荷物を減らして早く帰りたい僕としては、

客の不在を確かめずに不在票を入れていくなんてありえません。

 

恐る恐る折電し、客の言い分を聞きます。

客はクレームで流れてきた主張を繰り返します。

住所と名前から軒先の姿をまだ連想できない新人の僕は、

とりあえずそのお宅に再配達に行くことにしました。

 

到着してみると、記憶が鮮明に戻ってきました。

たしかチャイムを鳴らし、

反応が無いので引き戸に手をかけ、

閉まっていたので不在票を切った記憶があります。

(ヤマトのルール的には後者の確認方法はアウト。非常にストレスです。)

 

こういった場合、

不在のお宅には一軒一軒電話をすればいいのかもしれませんが、

荷台に残荷もたくさんあり、

不在の家々もたくさんある中、

そのような家々にすべて電話をかけていては

配達が時間内に終わらないとの思いから

僕は特別なことがない限り、

不在と思われる家には電話を差し上げることはしていませんでした。

 

僕はそのお宅の軒先で再度チャイムを鳴らし、

やはり反応が無いので恐る恐る引き戸に手をかけました。

今度は開いていました。

 

「ごめんくださいー」

 

奥から激怒した様子の気の強そうな老婆が意気揚々とやってきて、

 

「私はチャイムが聞こえる位置にいたの。

チャイムを鳴らせば聞こえないはずはない。

鳴らなかったのは

あなたがチャイムを鳴らさなかったから。」

 

という主張を繰り返します。

 

「いや、今も鳴らしたんですけど出ていらっしゃらないから声掛けしたんですが・・」

 

「そんなはずはない」

 

「じゃあ今押してみますね。(ボタンを押下)」

 

チャイムが鳴りません。

 

(ほら、みたことか・・)

 

僕の心の声がささやきます。

 

 

「あれ・・?

 

いいから届いた荷物をちょうだい!」

 

 

老婆は自らの過ちに謝ろうともせず、

私を悪者にしたまま

不遜な態度でドアを閉めました。

ありがとうのことばさえありません。

 

ヤマトのサービスセンターは

このようなクレームが入った場合、

客の言い分を鵜呑みにし、

ドライバーに過失があるとの前提で客に応対しています。

またヤマトは重大な過失以外は事実関係を後に確認することもありませんので、

一件落着したとしても当然サービスセンターに寄せられたクレームは履歴として残ります。

 

後に僕は会社を辞めることとなるのですが、

その時にこの事実を思い知らされることとなります。

それはまたいつかのエントリーで。

 

とにかくドライバーをしていると、

このような不本意なクレームが普通に起こります。

そんな場合も、会社も上司も盾となって守ってくれることはありませんでした。

 

客の主張はいつもただしい

 

そうでも言いたげな会社の態度に毎回ストレスがたまる一方でした。