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よろず茶屋

エリーさんによる徒然なるままな日記です。日々のなんでもない事を綴っています。

読書録2-1

2009年02月11日 | 読書


「希望ヶ丘の人びと」重松清
※70年代のニュータウン「希望ヶ丘」に引っ越ししてきた田島家。その町は二年前にガンで亡くなった妻(母)のふるさとだった。希望ヶ丘での新しい生活を通して、本当の「希望」とはなんなのか....それを家族愛をベースに問う究極の愛の一冊です※こんな感じかね。

テーマである「家族愛」に関しては、先月読んだ「とんび」に通じるものがあります。境遇も「子供達は幼くして母を亡くす」という設定は類似してますし。ただその母の記憶が残っているかそうでないかで、子供達に落とす「母が不在」という陰が、これほど違ってくるのか...ととても切なくやるせなくなってきます。
自分たちの知らない母の想い出に触れるたびに、どんどん寂しくなる子供達。でも知りたい。何故ならこれからの未来の母の記憶を重ねていけないのなら、過去の母の想い出で埋め尽くすしかないから...。そうやって子供達は必死に亡き母に近づこうとする。
一方自分の知らない結婚前の熱い青春時代の日々を聞く度に、彼女は僕と一緒になって本当に幸せだったんだろか...と、不安になり、死に際まで何もしてやれなかったことに後悔し続ける夫。
子ども達の哀しみも夫の哀しみもどちらも愛する人の死を受け入れなければいけない現実を突きつけられているからだろうか....。
やぁ~今作もよく泣いた(笑)。ワンワン泣いたよ(笑)。最後は号泣でした(汗)。

子供達の為にと母の想い出の町に越してきたはずだったのに、結局はそのこのども達によって、父は愛する妻の死にやっと向き合う事が出来るんですよね。そう考えると子供は強い。人としてまだまだ経験値も不足しているし、当たり前だけど未成熟です。でも逞しいんです。何故なら子どもというのは私達大人の「希望」だからなんです。どんな時も輝く希望なんだよね。
「あなたは今子供達にどんな希望を語れますか?」帯にはそう書かれています。
う~ん(悩)難しいね。でもどんな希望を語れるかは分からないけど、「希望」は確かにそこにある。どんなに絶望していても世界のどこかに必ずある。目の前にちゃんと居るよ♪
最後は流した涙も忘れてしまうくらい笑顔にななれる一冊でしたよ。

「少女」湊かなえ
※高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ――「人が死ぬ瞬間を見たい」。由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てにむかえた衝撃の結末とは?※←裏表紙のあらすじ転載(汗)

衝撃的なデビューを果たした「告白」に続き、これまた読後感の悪い作品が登場です(笑)。
ほんと悪いの(爆)。凄くいや~なかんじになる。そうなる事も冒頭から分かってた。なのに途中棄権が出来ない。読者を引き込む術を心得てんだろね。凄いです。
一人称で語られているせいかな?一人称二視点というのがポイントかもしれませんね。
テーマは「因果」かな....「因果応報」なんでしょう。悪いことは必ず自分に降り戻ってくる。知らないうちに....音もなく....とても残酷な形で....(爆)。ね?怖いでしょ...(汗)。
興味深いのは、本作に挟まっていた作者からのメッセージでしょうか....
そこには、今作を通じて「命の大切さ」をもう一度知って欲しいと書かれてました。なるほど.....(悩)。
自分ではリセットと思って簡単に考えていた事が、実はゲームオーバーで再起できない事なんだというのはよく分かりました。人生はそんな簡単な事じゃないですもの....。
どうぞ体調が万全の時にでも読んでみて下さいな(笑)。

読書録1-3

2009年02月01日 | 読書

読書録は今回も2作品です。なんだか写真が下手っぴでごめんなさいね(汗)。

「悼む人」
天童荒太さんの新作です。ちなみに先日発表になった直木賞の受賞作品ですね。
まさか天童さんが受賞するとは...正直驚いた(汗)。でもこの作品というのなら納得ですね。個人的には天童作品は「包帯クラブ」ぶりです。ではでは....
「主人公の静人は、新聞の死亡記事欄で調べ、その人の亡くなった場所で亡くなった事を「悼む」為に全国を旅をするのだった。いつしか彼は皆から「悼む人」と呼ばれるようになる。そんな悼む人を介する事で、遺族はまた亡き人の想い出に触れることになる。でもそれは癒え始めていた遺族の哀しみや苦しみがまた蘇る事でもあるのだ。彼の目的は何なのか??今作は生と死が錯綜する人間ドラマです」概要はこんな感じ。
静人は亡き人を偲ぶために悼むわけではない。宗教的な意味合いもない。ただただ彼等がここに存在し、そしてここで亡くなった事を胸に刻む為に悼む。何度も何度も悼む。自分のために...。このコンセプトがはじめは理解できなかった。何がしたいんだろう...と(悩)。それこそ遺族の方と同じ目線で同じ事を考えた。何者だ?と...。
読み終わった後も正直この答えは出てません(汗)。ただ人々は彼に出会い触れる事で救われていってる。ならば彼は救済者なんでしょうね。
この小説の中には「死」によって既に時を止めてしまった人と、「生」の縛りによって時を止めてしまっている人(静人、蒔野、倖世)「限られた生」によって終末に向かい時を進めている人(静人の母)この三つの「生と死」を中心に話が進みます。必然的に読者は「生と死」に向かい合う事になります。とても難しいし、正直怖いです。ただそれは必ずやってくる。作者の仰っている「人の死に少し思いを馳せることで、命の重さのバランスが変わっていくはずだ」この言葉が重くのしかかったエンディングでした。
とても良い作品です。本作を読んで「生きることの意味」を今一度考えてみませんか?

「凍りのくじら」
辻村深月さんの作品は初めてです。ではでは....
「高校生の理帆子はある日図書館で「写真を撮らせて欲しい」という青年に出会う。戸惑いつつもいつもは固く閉ざされていた彼女の内面が次第に解き放たれていく。そんな彼女の視線で誰しもが知っている皆が愛するドラえもんの道具が私達を照らすとき、そこには究極の愛の形があった....」こんな感じでしょうか。
良かったです。作中にもよく出てきますがS・F(すこし・不思議)な話ですね。
何より、重くなりすぎなテーマなのに、ドラえもんの道具が要所要所に出てくるので、それが逆に良い緩衝材になってくれるんです。つくづくドラえもんって凄いね。
個人的には主人公の彼女と自分が時々重なって胸が痛かったです(涙)。「S・F=少し不在」これは私だな....。勿論こんなにお利口じゃないけどね(汗)。だからかな....母の最後の手紙、父のメッセージが強烈に滲みました。泣けたな....。おしむらくは主人公と同年代(高校生)の頃に出会いたかった一冊です。ただいま読んでもこうやって胸が熱くなれるという事は、まだ遅くはないのかも(笑)。皆さんも是非「S(少し)F(不思議)」な話に触れてみて下さいな。

読書録1-2

2009年01月25日 | 読書
なんだか最近、映画か本かのレビューしか書いてないような気が....(汗)
仕方ないです...岡田ライフがこうも暇なんだもの、ビタミンを他から摂取しないとね♪
ではでは....


「まず石を投げよ」
「廃用身」や「無痛」の久坂部羊さん最新作。今回も医療ミステリーです。
外科医・三木は自ら医療ミスを告白し、遺族に賠償金の支払いを申し出た。何故この医師は自らリスクを負いながらも告白をしたのか?果たしてこれは本当に医療ミスだったのか?それとも巧妙な殺人なのか?現代人の闇をえがく究極の医療ミステリー.....こんな感じです(汗)。
ただこうやってあらすじを書いてみると、医療ミスかそうでないか?ここに焦点が当たりそうだけど、実際はちょっと違いますね。要は「犯人はお前だ!!」的なミステリーでは無いって事です。なら何か?帯には赤字で「医者の好き嫌いで患者が殺されたら...」と書かれているのだけど、結局は医者も人間で神じゃない...という事なのかな(悩)。現役医師達は常に悲鳴を上げている...って事かな(悩)。
難しいな....ほんとよく分かんないのよ、この作者が言いたかった事が(汗)。ただこのタイトルの通り「石」は投げられたんだろうね。投げたけれど、投げた先は深い深い沼で、投げた石は波紋もなく静かにその沼の底に沈んでいった...そんなラストです。
う~ん....この本を読むと、病院不振、医師不振になっちゃうよ(涙)。健康って大事だね。

「とんび」
重松氏の最新作...と書きたいところだけど、実はもう次作が発売されてるんだよね。はい、そのうち買います(汗)。それにしてもえっらいペースで書いてんのね(笑)。
ではでは.....「我が子の幸せだけを願いながら悪戦苦闘する父親の、喜びと哀しみを丹念に書き上げた父親物語の最高傑作...と帯にはかかれてます(汗)。そうですね.....父親物語というより父と息子の親子物語ですね。いや違うかな.....早くに亡くなった母親も周りの人達もぜ~んぶ引っくるめた「家族物語」です。
やっぱ上手いですね~。泣けます。
愛する妻を突然亡くし幼い息子と二人きりになった父が、不器用ながらもただひたすら息子を信じ愛する姿に誰しも心打たれるんじゃないかな。息子も良いんだよね。またね、彼等の周りに居る人達がとてもあたたかいんだよね。優しくてあたたかい。一人で頑張らなくていいんだな...そう勇気づけられます。家族っていいね.....。

「悪党たちは千里を走る」
心優しき詐欺師達が、一世一代のコンゲームに挑む....。それは誰も傷つかない人道的な犯罪計画だった....こんな感じ。
キーマンは少年。この少年が良いんだよね。キャラ設定がお見事!!まんまと騙されたよ(汗)。
まぁ~とは言え、一世一代のコンゲームと大きく出てるけど、いう程大したことは無かったりします....(汗)。ただ「誰も傷つかない」は本当にそうで、詐欺なんだけど読後感もよく、罪のない作品です。ドラマや映画なんかに出てくる悪い人間って~のは、本当の所はそうは居ないのかもね....(笑)。

読書録(1-1)

2009年01月12日 | 読書
随分久方ぶりな読書録です(汗)。去年は半期を残して挫折しちゃったからな(笑)だって~レビュー書くの時間かかるんだもん(笑)。
よし!だったら方法を変えよう♪一度に10冊前後のレビューを載せようとするからしんどくなるんだ、きっと(理由はそれだけか?)。ならちびちび書いちゃえ(笑)。いつまで続くことやら....あは(笑)。

さて、今年最初のラインナップは....お正月からこっちに読んだ5作品。ただ実はこれ、「イノセントゲリラ~」以外はお正月用に用意していた小説じゃなく、去年一年で読みそびれていた落ちこぼれ君な~のだ。あっ!作品の善し悪しではありません(汗)。まだ手を出していないうちに、ふと本屋で面白そうな本を見つけたりすると、どーしてもそっち優先になってしまって後回しの本が出てきたりするでしょ。それがこの子達だね(笑)。なもんで、作品的にはち~っともお目出度くもないし、新春っぽくもないし....どちらかというと結構ダークな作品が揃ってしまったかも(汗)。まぁ~いっか(笑)



【イノセントゲリラの祝祭】海堂 尊
「チームバチスタ~」でお馴染みの海堂氏の最新作です。
今回の舞台は病院ではなく、厚生労働省。それも場面は殆どが会議室でそこでの議論がメイン。ミステリーでもない。過去作の「ジーンワルツ」のミステリーの部分を取り除いた感じかな。
現状の司法と医療が分離できていない歪んだ医療制度に対するアンチテーゼですね。
やぁ~それにしてもここで描かれている事が事実なら、霞ヶ関の住人はが相当えげつない人達の集団なんだろな。確実に日本の未来は無いね(涙)。
作品としては正直ちょいと読むのに疲れます。会話劇を映像ではなく文章で向き合うと、結構疲れちゃうんだな~。あとエリーさんお気に入りの白鳥さんがあまり活躍してないのが残念ね。

以前からこの方の作品を読んでいると、小説の向こう側にある彼の主張を、なんとな~くではあるけど感じていた。簡単にいうと医療現場の清浄化。でも清浄化するには莫大なお金がかかる。霞ヶ関は動かないよね。だったら危機感を煽って世論を動かし、政治的介入を試みよう....。その煽りが小説という形だったんじゃないかな~と思っていたのね。海堂さんがやりたい事は政治なんだと...。で、今まではそんなのが裏テーマだったのが、今作ではそれがメインとして前面に出てます。きっとこの本(若しくは今後出されていくだろう今作の答えになるだろう作品)を書きたいが為に、今までの小説はあったんだろうなとも思う。是非頑張って私達世論を動かして貰いたいね。

【ジョーカーゲーム】柳 広司
スパイミステリー。もしかしたら日本にはこんなスパイ養成学校があって、こんな凄い人達が居たかもよ~こんな凄い人達が自国を他国から守っていたのかもよ~そんな話(笑)。やぁ~まぁ~そう....なんだな....マンガっぽいっちゃぽいね(汗)。いやしかし....お話がよく出来てんのよね~これ。だからもしかしたら本当にあったのかも...と思うの。入り込んじゃうよ。
是非映像化して下さい。出てくるスパイ達が凄まじく格好いい事ったらないです。痛快だしね。映画にすると面白いと思うんだけどな~。

【バスジャック」三崎 亜記
面白い!!短編なんだけどどれも楽しめました。特に表題作「バスジャック」はなんか....ちょっと...笑った(笑)。あったら面白いな~と思うもの(オイオイ!!キケン!キケン!)。
最後の「送りの夏」は結構きちゃったな....泣けました(涙)。そうそう....短編中の短編!!なんと4P足らずのお話もあります。5Pのもあったかな....。これがね~また良いんだ!

【ストロベリーナイト】誉田 哲也
帯には「警察小説」となっていたので、内部の組織的な歪みにメスを入れる作品なのかな~と思って読んだのだけど...違った(笑)。結構エグイミステリーですね。
タイトルに騙されちゃいかんな。相当えげつない。冒頭から凄いです。犯人はすぐ分かっちゃうけどね~(笑)。まぁ読後感はとてもとてももの悲しい一冊でした。

「レイニーレイニーブルー」柄刀 一
主人公は車いすの名探偵。えっれ~切れ者なの。ワトソン役には介護福祉士の女性。この女性がちょいとお間抜け設定なのな。
もうこの設定だけで、映像化しましょうよ~~~♪となるよね(笑)。是非して下さい。准ちゃん主演でお願いします。だって~車いすなら長身女優とも支障なく共演出来るよね?よね?(爆)。
ただお話があんま面白くないんだな(爆)。そこが問題。

6月度本の話

2008年07月06日 | 読書
6月分の読書記録

今月は6月最後の週に読む予定にしていた小説を来月に持ち越しし、その枠に急遽プリズンブレイク(シーズン2)を持ってきた。やぁ~面白かった.....詳しい感想はまた後ほど♪

★BOX!(著;百太尚樹)
スポーツ青春小説。そのスポーツとは....ボクシングです。
なるほど~ボクシングってスポーツなんだ(爆)。知らなかった。
エリーさん、格闘技って好きじゃないのね。その中でも(言葉は悪いですが)見せ物的な要素を多分に含んだものって、ダメなんだ...今まではね。
でもこの小説を読んでみると、ボクシングというのがただ殴り合いをする競技ではないというのがよく分かります。ちょっとやってみたくなるもの(笑)。
まぁ~青春小説なので、どこかしら甘っちょろい流れではあるんですが(汗)。ただ作者は闇雲にボクシングを推奨してる訳でもないんだろな。それはエンディングを読めば頷けます。
結果も大事だけどそれ以上に大事なのが過程なんだな...とつくづく思う一冊です。

★白の闇(著;ジョゼ・サラマーゴ)
それはある日突然前触れもなく始まった。視界が真っ白になるという原因不明の伝染病に次々冒されていく人類に生き残る道はあるのか....。
すべての人々の視界を奪ったパニックサスペンスですね。
いやぁ~凄かった....。壮絶ですよ。極限の状況が理性を奪い、道徳も人間の尊厳も簡単に奪っていく様は、人間という存在そのものの意味すら奪っていくようで、単純に怖かったです。
この小説の恐ろしいのは、その伝染病そのものに殺傷能力が無い事なんです。視力は失うのだけど、命には別状なんの問題もない。逆に言うと奪われるものは視力のみなんです。なのに、その視力を無くしたが為に全てを無くしてしまう人間の愚かさというか、無力さというか...そんな事を考えてしまいますね。ここで聴力でも言語力でも嗅覚でもなく視力を選んだのが凄い事なんだろな。
何か不可思議な事がどこかで起こるとするじゃない。そんな時、人はよく「自分の目で見るまでは信じない!!」というでしょ。伝聞では信じない。何故なら何より信じているのは自分の目だから...。そう考えるとこの小説の中の状況は、全てが信じられないという事になる。怖いですね。怖いけど考えさせられます。というか考えなくちゃいけない事です。人間は獣では無いです。ならば獣ではない人が人で居る為に失ってはならないものはなんであるかを...。
余談だが、この小説はこの秋に映画化されるそうよ。凄い画になるんだろうな~。

★忍びの国(著;和田竜)
「のぼうの城」の作者ですね。確かここでも2月くらいに紹介したはず。その作者の次なる作品も歴史エンターテイメントのようです。
面白かったですよ。なんせ今回は伊賀忍びが織田軍を打ち破る!!ですからね~「のぼう~」より突飛な設定だよ(笑)。その分、史実というよりファンタジー的要素大で読んでいけるので、読み物として面白かったです。
ただまぁ~忍びですから(笑)。えぇ~忍びですよ(笑)。かな~りマンガっぽいかな...(爆)。
映画化はまず無理でしょうね。アニメ化なら結構いけると思うんだけど、どーでしょ。

★ひなた(著;吉田修一)
4人の若者それぞれの視点で、春夏秋冬を描き出した作品。
淡々と紡ぎ出す日常に、お互いが少しずつ関わっているのだけど、でも決して踏み込めない領域がそれぞれにあるが為に、その先の一言が言えないでいる4人の葛藤と苦悩を描いている...感じかな。
なかなか面白かったです。ここに出てくる登場人物の悩みや葛藤が、作り物っぽくなく身近なんだよね。多分この4人(正確には6人くらいいるんだけど)のうちのどれかに必ず当て嵌まるんじゃないかな。

★僕の行く道(著:新堂冬樹)
離れて暮らす母に会うために、小学3年生の主人公・大志はひとり旅に出るのだけど、その道中で出会う人々とのふれあいから、少しずつ成長していく様を丁寧に描いた作品ですね。
まぁ^大志の旅行記な訳だけど、そこで出会う人々が良いんだ。出会いには必ず意味があるんだな~と思うよ。それは大志にとっても、偶然出会う人々にとってもね...。
親子愛はどんな長い年月も飛び越えるもんなんだな~。

★蓬莱(著:今野敏)
主人公の渡瀬が開発した「蓬莱」という名の家庭用ゲームには、日本が封印されていた...。
とまぁ~なんだか仰々しい物言いですが...(笑)。これもなかなか面白かったです。
10年以上前に書かれた今作なのに、今現代の日本で問題視されてる歪みがつぶさに書かれていてね....ちょっとびっくりした。逆に言うと10年もの間、なんらこの日本は変わってないのか..という事になるのだけど。歴史は繰り返されるモノなんだな。
バーチャルなゲームの中のリアルなニッポンが垣間見れて、どっちがホント?と、ふと混乱してしまいそうになった。う~ん...なんだか不思議な感覚でしたね。

★名もなき旅(著:東直巳)
主人公ユビひはある特殊なチカラを持っていた。そのチカラを使い折井という謎の男の仕事を手伝っていたある日、ユビは大企業の女性社長を一週間の旅に連れ出すという依頼を受けることになるのだが....。
これも旅行記...みたいなもんかな(爆)。今月は「旅」がテーマの作品が重なったね(爆)。
そうですね~画にすると面白そうね。映像化向きの作品かも。シリーズになるだろうし、ジャニーズの誰か....若い子なら向いてそう。
まぁ~簡単に言っちゃうと「心を動かす」事が出来る能力を持った男の子の話なので、その結末は良くも悪くもどちらにも転がすことが出来るので、話の広げ方は沢山ありそうね。今後に期待。

★プリズン・ブレイク(著;ポールTシェアリング)
何軒もはしごしてやっとの思いで見つけたあの話題作のノベライズです。感慨深い!
話はシーズン1で脱獄したその後...なんですが、今回は逃走になるのかな?想像以上に面白かったです。脱獄後の逃走だから絵がシーズン1の刑務所オンリーじゃないから動きもはっきり読み取れるしね。何より暗くてじめ~っとしたあの閉鎖感が無いのが良い(笑)。
そして映像じゃなく小説なのに、マイケルは相変わらず格好良かった(笑)。ノベライズなのに格好いいってのもどうかと思うけどさ....でもほんと格好いいんだもん(笑)。逆に兄ちゃんの株が急落です。元々好きじゃなかったけど、今やどんな敵より嫌いかも(笑)。味方なのにね~。
それにしてもこの作品に出てくる嫌なヤツはとことん嫌なヤツだよね。期待を裏切ることなく嫌なヤツで居てくれるから、逆に好感がもてるかも(笑)。いや、そりゃ言い過ぎか(笑)。
がしか~し!!予想はしていたけど、やはりシーズン1同様「続きはシーズン3へ」....な展開だった。なんだとぉ~~~このモヤモヤをどうしてくれようか!
まぁ~でも後味的にはシーズン1のラストよか良いです。..で、どうなるの?今度はまた脱獄篇に戻るってかい?(爆)。シーズン3ももう発売されてんのかな(悩)。う~ん....DVDが全部レンタル開始されてからノベライズって発売になる?ならもう数ヶ月待たねばならんのか...とほほ(涙)。

とまぁ~今月はこんな感じです。ではでは、また来月もここでお会いしましょう♪

5月分本の話

2008年06月09日 | 読書
月初めから随分経過してしまいましたが(汗)気にせず紹介しちゃいましょう(笑)
いつものように今回は頭からお尻まで「本の話」ですので、興味のない方には退屈な日記ですよ(笑)。
ではでは早速....(向かって右から)

★ブルーベリー(著:重松清)
憧れと怯えを抱えて18歳で上京した「僕」は、色んな場所で、色んな人と、色んな時間を過ごし、
色んな経験をした。だが哀しい事も楽しい事も苦しい事もその時その場所で分かち合ってき人達なのに、
今ではいつの間にか会わなくなってしまった。彼等は今何をしているのだろう....。
え~これは帯に書いてある紹介文を少しアレンジしたものです(爆)。
パクって申しわけない(汗)。
やぁ~相変わらず幸せになれないお話です(爆)。
人生そんなに甘くない!!を突きつけられ、そこに答えが無いのもまたいつもの事(笑)。
でもだからこそ目を背けちゃいけない事がこの中(重松作品全般に言えることですが)に
書かれているのかもしれませんね。
本来は僕=作者なのだけど(恐らくね)、僕=あたしとして読んでみるのもいいでしょう。
絶対お薦め!!ではないですが..(爆)
ただ処方の注意事項としては、気分が滅入ってない時のみに効果があります(笑)。

★食堂かたつむり(著:小川糸)
う~ん....これもまた難しい本を選んでしまった。ぶっちゃけよく分からない(爆)。
料理本としても成立するんだろうな...。レシピも丁寧に書かれているし。
ただ、これをみて○○の料理を作れ!と言われても間違いなく作れない(笑)。
これは料理の腕前云々のはなしじゃないですよ(爆)。
人間ドラマとして読んでも、決定的に「情」が抜け落ちているので、なんとも刹那なんだよ...。
なのにても優しくてあたたかいお話です...。それはどんな料理にもその作り手の優しさが
調味料として足されているせいなのかな...。
この本を読むと、食することの意味を考えさせられます。、
勿論生きるための食というのもありますが、そこに幸せになるための食、若しくは幸せにする為の
食もあっていいはずですよね。だから一つ一つ大切に頂かなきゃいけないんだろな。

★雲の上の青い空(著:青井夏海)
日常のちょっとした謎を主人公がさりげに解き明かしていくというお話。
う~ん.....(悩)これも感想が難しい(爆)。
そうね....主人公は自身の一風変わった前職のスキルを最大限に生かして謎を解いていくあたり、
なかなか面白かったのだけど....ただその謎がち~っとも謎らしくないのが難点(笑)。                                                                                                                                                
そうそう!!装丁が非常に爽やかです(そっちに逃げるか)。絵本みたいでどことなく懐かしい。
じめじめしていや~な梅雨が間近だな...なんて憂鬱な気分で本屋に入ったら、
そこにこの本があったので思わず手に取ったのな。
でもあら不思議....なんだか手に取っただけで気分が晴れたのです。
なのでこの本のお役は充分果たされた訳です(爆)。

★姥捨てバス(著:原宏一)
「床下仙人」に引き続き、この方の作品は今作で2作目です。..で、たった2作ですっかりファン
になった(笑)。
今回も非常に面白い。そして前作同様、骨董無形な設定でありながら、現実にも恐らくあり得そう
な話な上、相当ブラック入ってます(爆)。
それはこのタイトルからも察しが付くと思います。なの~に!!ネガティブとは対極な所に着地さ
せてくれます。まぁ~一度読んでみて下さい(出来れば「床下仙人」からどうぞ)。
ちなみにタイトルは「姥捨て~」になってますが、最終的には姥達が子供を捨てるんだけど
(ネタバレ失礼...でもこの一文は帯に書かれているので勘弁して下さいな)

★悪夢のエレベーター(著;木下半太)
コメディだね~(爆)。なのに何げにラストが怖い(爆)。
エレベーターという閉ざされた空間を最大限に利用した究極のコメディサスペンスなんだろうな。
伏線の張り具合も絶妙で面白かったです。まぁ~どちらかというと文章ではなく劇で見たかったかな。
面白いと思うんだけど...。

★悪夢の観覧車(著;木下半太)
シリーズ第2弾。個人的にはこちらの作品の方が好きです。主人公になんの繋がりもないですが、
出来ればエレベーターとセットでどうぞ。
ただこちらは確実に舞台化は無理だね(爆)。
だって観覧車はセットで作れないしな...残念。

★脳男(著:首藤瓜雄)
何年か前に話題になった本ですね。そ
れが文庫化になっていたので買ったのですが....やぁ~なかなか読み応えがありました。
先天的に感情を持たない男が(実質の)主人公。
そうですね~悪意の無い和製レクター博士(羊たちの沈黙)といった所でしょうか....。
その男がある殺人犯を追いつめていくという話なんだけど、その追いつめる手段が冷酷非道といい
ましょうか...。なんせ感情が無いからね、情も慈悲も無い訳よ(爆)。
ニューヒーローなのかな...それは流石に乱暴すぎますか。
それにしてもね、これなんで映像化しなかったんだろ....。
映画にしたら面白そうなのに!!その時は主人公は勿論岡田准一で!!(笑)
その前にまずシリーズ化かな。

★破裂 上下(著:久坂部羊)
「無痛」「廃用身」もそうでしたが、流石に現役?医師ですね........医療モノは強い。
事の発端は医療過誤。ただ今作はそれだけには止まらず、医療による国家統制!!に纏わる様々な
官民の陰謀が入り交じっていて、ひゃぁ~えげつない程怖かったですね。
タイトルも考えれば考えるほどえげつない(悩)。
これを読むと簡単にお医者にかかれないな。

★証し(著;矢口敦子)
先月に読んだ「償い」も良かったですが、今作もそれに匹敵するぐらい良かったですね。
ただこの「証し」には救いがないのが難点。
この違いは大きいです。
元来「人間」というのは、とても怖く残酷な生き物なのかもしれません。
そんな事をふと考えてしまいます。

ふぅ~とまぁ~こんな感じです。今月はあまり纏まりのないラインナップだったように思う。
来月に期待!!

【業務連絡】
どうも自動改行出来ないようです。手動で改行しているので読み辛いちょ思いますがご勘弁を。

4月期本の話

2008年05月05日 | 読書
月初めですので先月読んだ本の紹介♪
今日も岡田関連の話はありません。興味の無い方には退屈な日記ですよ~(と自己申告)

先月は10タイトルで12冊ですね。
いやはや文庫率がこんなに高い月も珍しいかも(汗)。お財布が心細かったんだろな~(爆)
それでは~向かって右から順番に紹介します

★サクリファイス(著:近藤史恵)
先日発表された「本屋大賞」二位の作品です。ちなみに一位は「ゴールデンスランバー」だったそうよ(一月期で紹介してます)。という事は「ゴールデン~」は映像化決定ですね。野望が膨らむぞ...ニンマリ(謎)。
おっと~話が逸れてしまった。軌道修正。
内容は「自転車のロードレースに人生を、命をも懸けた男達の青春小説」です。
うん、良い!!上半期一番の秀作かも(記憶が新鮮なせいかもしれませんが)。
ただここでいう「青春」に、その言葉そのものが本来もっている「甘さ」や「ほろ苦さ」なんていう優しい響きはありません。とても痛いです。辛いです。読後、物語の中の彼等と同じように私の体も心も傷だらけになった気がします。なのに決して後ろ向きな感情が湧いてこないのです。むしろ清々しい。一方青春という一時期だけにとどまらず、人生における凄く重い命題を問われた感じもします。
それはつまりこの作品のタイトルで、恐らくテーマだろうと思われる「サクリファイス=犠牲」についてなんでしょうね。
自分以外の誰かのために、自らをどれだけ犠牲に出来るのか...。そこに「見返り」が入る余地は全くない。ただただ我が身を捧げるという行為を果たして私に出来るのだろうか...と。難しいですね。
作中「生きる」方法と「生かす」方法とが幾つか出てきます。人によってその方法は違う。ただどちらの「生」も「覚悟」が必要なんですね。そんな覚悟を持った人々はとても美しくとても尊かった。
必ず読んで下さい(笑)。損はさせませんから...。

★阪急電車(著:有川浩)
いきなりでなんですが....てっきり男性作家だと思ってました(汗)。「塩の街」「空の中」「海の底」ときて、自身トップセールスかな?「図書館戦争」シリーズ。そして有川浩というお名前。思い込みとは恐ろしいもので、作風からも女流作家というキーワードは微塵も頭に浮かばなかったです。通りで女性の心理描写が上手な訳です。
さて、今作「阪急電車」ですが...関西に住んでいる皆さんならご存じだろう....あのエンジ一色の電車を...(笑)。その阪急電車にたまたま乗り合わせた様々な人々の人情恋愛物語...という所でしょうか。
素直に面白かったですね。
歌のように線路は「どこまでもは続かない」です。だから必ずまた同じ駅に戻ってくる。でも戻ってきたときの自分は以前とは何処か違うはず。そんな少しずつ変わっていく(成長していく)人々を描いたとてもあったかい短編集でした。関西圏にお住まいの方限定といわず、阪急電車などてんで馴染みのない皆さんにも読んで頂きたいな...。是非どうぞ。

★狐火の家(著:貴志祐介)
先々月くらいかな....同著の「硝子のハンマー」という作品を読んだのですが、その時「絶対シリーズかされるぞ!!間違いない」なんて予言まがいの事を偉そうにここに書いてました(笑)。お恥ずかしい...反省してます(汗)。だって「硝子~」発売時にはもうシリーズ化されていた訳ですから、予言でもなんでもないって話です(爆)。無知の恥ですね(汗)
とまぁ~反省文はこのくらいにして.....今回は主要人物据え置きの短編ですね。無論「密室」に拘った展開も据え置き。ただ「硝子~」程、掘り下げてないので、あっちゅ~間に読めてしまいました。シリーズ短編の宿命ですね。う~ん....(悩)文庫まで待てば良かったかも...(爆)。暇つぶしにどうぞ...。

★「ダーク」上下巻(著:桐野夏生)
こちらもシリーズもの。村野ミロシリーズです。
相変わらずなドロドロの愛憎劇...。そしていつも以上に主人公の村野ミロが、愛すべきキャラとは程遠い場所に居ます(爆)。個人的にはミロみて~な女はで~っきらいです(爆)。なら何故読むのか....「こんな女は認めない」という感性が鈍ってないかどうか確かめるために読むんです(爆)。まぁ~それは半分冗談ですが、まぁ~シリーズものですからね、手を出した限りは最後まで見届けないと(笑)。
そうですね....読んでも読まなくても、なんらこれからの人生に変化をもたらさない本なので(爆)、この世にこの一冊しか本が無くなってしまった時にでもどうぞ...。

★「すべての雲は銀の...」(著:村山由佳)
うって変わって、とってもゆる~~いラブストーリー(笑)。私はこっちの方が好きですね。
大きな事件が起こるでなく、燃えるような恋をするでなく...かといって「小さな恋の物語」という訳でもないしな....。なら何か?ゆる~いラブストーリー(爆)。どこにでもある話...でも無いしな...なのになんだか懐かしいの。
まぁ~読後感はとても良いけど、だからといって後々心に残る話ではないので、大きなイベント...例えば長旅のお供にでもどうでしょうか....。

★マドンナ(著:奥田英朗)
サラリーマンを主人公にした短編集。男ってバカだな....(爆)ついついそう思ってしまう作品でした。とはいえ、「終わったな...日本の男」と落胆する方向ではなく、「バカやな~」と思わず笑って済ましそうな方向ですけど(笑)。諦めの境地かもしれないけどね(爆)。
ここにお越しの岡田ファンの皆さんには「ボス」の章だけでも読んでみて欲しいな(笑)。立ち読みでもいいよ。ある登場人物がご自分と重なる方多数じゃないかしら~と思うんだよね(笑)。是非どうぞ...。

★ウェディングドレス(著:黒田研二)
また帯に釣られて買ってしまった....(汗)。まぁ~確かに伏線の回収方法には驚かされました。こんなの見たことが無い。だから帯の言葉に偽りは無いのでしょう。
そうですね....もしかしたら人というのは見えない部分の方が見えている部分より遙かに大きく、その見えない部分を意図的に隠す行為というのは、この世で一番罪な事なのかもしれない...とかそんな事かな(爆)。強引に引き出してみた(汗)。
帯に釣られ、ジャケ買い上等!!なタイプの方の中で、「また外れた...」と落胆するのもまた一興...なんていう慈悲深い変わった趣味の方はどうぞ...。

★ビフォア・ラン(著:重松清)
作品そのものの感想が思い浮かばないぞ(笑)。青春小説...なんだけど、爽やかさはないし、共感も出来ないな...(爆)。
一つはっきりしている事は重松信者のエリーさんがはじめて外した作品という事でしょうか(爆)。ただ長編ではこれがデビュー作になるので、彼のルーツを知りたいと思う方はどうぞ。

★黒笑小説(著:東野圭吾)
ぶっちゃけすぎだよ東野さん(笑)。まぁ~このシリーズではいつもの事だけど(笑)。特に出版業界を舞台にした前半はタイトル通り黒いです(謎)。後半何編かは....なんかね~コントみたいだった(笑)。
通勤のお供にするなら、前半だけにしましょう(謎)。じゃなきゃ後半2編はこっそり読む羽目になりますよ(謎)。天地無用!!取り扱い注意ですよ。

★東京バンドワゴン(著:小路幸也)
気になっていたのだけどタイミングを逃してしまっていて、気付いたらこのシリーズも3作目が平積みにされてました(汗)。なので慌てて1作目を読んだ次第です。
なんかいいな~♪下町のホームドラマですね。世知辛い今の時代だからこそ、こんなホームドラマが必要なんだろうな。
登場人物はひと癖もふた癖もある変わり者揃いです。なのに基本は古くさくて王道のところがいい。是非映像化(連ドラだね..)希望します。というかそのうちするんじゃない?
どうですか?ワーキャーバカ騒ぎしてる流行りの学園物もいいけどさ、そろそろ家(ホームドラマ)に戻ってみませんか?だって基本はやはり「家」でしょ。「行ってきます」と「ただいま」が言えるのは家だけだよ?そんな当たり前の事を忘れてしまってるあなたにどうぞ...。

とまぁ~こんな感じです。最後までお付き合い下さってありがと~♪ではではまた来月頭にここでお会いしましょ。

3月期の本

2008年04月06日 | 読書
月初めですので先月分の読書よもやでも...

今月は.....う~ん(悩)取り立てて可もなく不可もなく(爆)とても穏やかな読書ライフでした。
さて、それでは~感想いってみまひょ♪

★福袋(著:角田光代)
な~んて事ない日常のちょっとした出来事を、ごくごく普通に淡々と描いた短編作品です。
共通項はなんだろ....強引に繋げればモノ(者・物)かな(謎)。
主人公がそれらに遭遇する事で、少しだけ人生の軌道修正がなされる。ほんの少しだけね(笑)。かといって幸せになる方向に向かう訳では無いんだけど...(爆)。
表題作の「福袋」がなんとなく頭に残りました。物語にではなく、人生を福袋に準えた所がです...。
全ての人はそれぞれ福袋一個持ってこの世に生まれる。そこには生まれ落ちて以降味わうすべてのものが入ってる。喜びも苦悩も、笑い声も泣き声も、愛する気持ちも憎む気持ちも、全部入ってる。ただ福と書かれているからと言ってすべてが福とは限らない。気に入る気に入らないは関係なくその時々で折り合いをつけて肌に馴染ませていくのだ...。
こんな感じの事が書かれてたのが印象的だった。きっと聞き分けの良いきちんと経験を積んだ大人なら、それで納得出来るんだろね。私も多分納得してる。ただ心の何処かでは、それでも敢えて贖っていきたいというとても幼い気持ちもあるんだよね(笑)。

★いのちのパレード(著:恩田陸)
最近多い連作物ではなく、完全なる独立した短編ですね。先述の「福袋」と同じ。
ただ趣はかなり違う。こちらは....なんだろ(悩)ホラー?とても不思議な話です。
あまりに奇怪な世界だったもんでエリーさんよく分かんなかったな(爆)。なので感想も書けない...というのが正直な所です(汗)。是非読んでみて下さい。言葉(文章)では表現出来ない、なんとも表現できないイマジネーションが湧いてきますよ。う~ん...説明できないのが残念です(汗)。

★ツバメ記念日(著:重松清)
これも完全なる独立した短編作品ですね。今月はこのスタイルが多い。
..で、この作品ですが....今エリーさんが最も敬愛している重松氏の新作ですね。やっぱいいわ~♪
しつこい?毎月毎月、どんだけ重松好きアピールなんだ..って感じですね(笑)。
今作は特に今の季節「春」に相応しい作品が並んでます。要約するとテーマは人生の節目ですね。ただ自分が今人生の節目の真っ只中だったら、この作品はチョイスしないかな...。というのも、この作品は、自分を振り返るのにとても適したソフトだと思うんだよね。そんなあなた、是非どーぞ。

★流星の絆(著:東野圭吾)
惨殺された両親の復習を誓った幼い3兄妹。14年後、彼らが仕掛けた復習計画の最大の誤算は、妹の恋心だった....といのがこの本の帯に書かれたあらすじだった。
ほっほ~~なるほど。テイスト的には同著の「白夜行」なのかしら~と思うよね。「涙が止まらない」とかさ「すべての東野作品を超えたエンタメ」だとかさ、トドメは「この小説は私が書いたのではない。登場人物が作り出したのだ」とか本人が語っちゃってるんだもん...。期待するって。
う~ん...悪くは無いんだけど、読後どうしても残念な感じが拭えないな。もっと面白くなると思うんだよね。途中で息切れしちゃった感じがします。
なんだか最近東野作品にはまれないんだよね。「夜明けの街」かな...「ダイイングアイ」あたりかな...。

★ジーン・ワルツ(著:海堂尊)
怖かったな~。私が女性で尚かつ子供を産んだことがない...というかこれから産むかもしれない...というかもうタイムリミットになりつつある(爆)そんなとても微妙な位置に居るからだろうね。現役医師の著者が今の日本医療の歪みにメスを入れた!!そんな作品です。
この方の作品は今までもメスを入れてたんだよ。でもそれはとてもやんわりとオブラートに包まれてた。今回は違います。メスが本物でした。
海堂さんはきっとメディアの力を借りて今の日本医療の歪みを修整していこうとしてるんだろな。

★パーフェクトワールド(著:柳原慧)
代理母として生計を立てていた良江はかつて出産した息子を救うためある犯罪を企てた。そしてはじまる「身代金0せしめる金は5億円」という前代未聞の誘拐劇だった。
「ジーンワルツ」に続き奇しくも代理母を取り扱った作品が続きました。意図的じゃないです。
なんか凄く贅沢な作品です。代理母しかり、幼児虐待しかり、オンライントレードしかり、ES細胞・美容整形....このどれも一つで物語りが成立する。なのにこの作品はぜ~んぶ詰め込んでます。贅沢ですね。ただそのせいでちょっと散漫な感じかな。

★ブルータワー(著:石田衣良)
ターミネーターと風の谷のナウシカとループ(小説版「リング」の完結編)を足したストーリーですね(笑)。もうね~まんまでした(爆)。面白かったけど....う~ん(悩)やっぱ反則よね(笑)。

★償い(著:矢口敦子)
切なかったな....。隠れた傑作!!なんで今まで読まなかったんだろ。というかなんでこの作品を映像化してないんだろね~。

★閉鎖病棟(著:帚木鋒生)
暗い.....暗いよ(爆)。判断が凄く難しい作品ですね。多分とてもしみる作品なんだと思う。多分じゃないね....間違いないです。ただね~エリーさんこの色味が苦手なんだ。デリケートな問題だから難しいですね。あと方言で綴られていくのがね....。

とまぁ~こんな感じです。ふぅ~長い(汗)。それで~はまた来月ここでお会いしましょう~♪



2月期本の話

2008年03月02日 | 読書
月初めですので、先月に読んだ本の紹介♪

今月は忙しかったからな.....ご覧のようにちょいと少なめの7タイトルで8冊ですね。
でも少ないながら外れの作品が無かったのよね。先月は精神的にも肉体的にもとってもしんどい一ヶ月だったけど、でもこうやって素敵な作品に出会えたお陰で心の均衡が保たれました。こんな些細な事で、人ってちょっとだけ幸せな気分になるものなのよね。

ではではお薦め指数の高い順から紹介していきましょ♪

★ブランケット・キャッツ(著;重松 清 )写真左端
2泊3日、ブランケット(毛布)を持参した猫ちゃん達が、不安や孤独を抱えた淋しい人(達)の元にレンタルされていく。そんな猫ちゃん達の目を通し、借り手の人間を時にコミカルに、時にシュール、時に切なく描いた7篇からなるお話です。
子供が出来ない夫婦それぞれの孤独。どうしようもない寂しさを背負ってしまった中年女性の孤独。鬱屈した家庭環境で育った為いじめる側に立ってしまった少年の孤独。認知症の老いた母とその家族の孤独。淋しい過去を持つ偏屈な老人の孤独。リストラされた父とその家族の孤独。
いまをいきる孤独と救済を描いているのがこの作品です。それも救済するのが猫ちゃんなんです。
いいですよ~~泣けます。エリーさん、重松作品に弱いんですよ(涙)。ほんといつもいつも泣いちゃいます。でも決して哀しいだけの涙じゃないのが良い。今回もやられました。
なんかね、どこか哀しくてどこか切なくて、読んで楽しい!!と思える作品ではないの。なのに、読み終わった後、少しだけあたたかくなります。遠くの方に小さい光がすこしだけ見えます。まるで心のずっとずっと奥のずっとずっと底にある大切なモノに、ブランケット(毛布)をそっとかけてくれた感じです。是非読んでみて下さい。
私の場合、猫ちゃんをワンコに置き換えたり、例えば誰か大切な人に置き換えたりして読んでました。いや、決して猫が嫌いってことじゃないの。犬好きってだけじゃないの。なんていうのかな....自分にとってのこんな猫ちゃんみたいな存在は誰なんだろう...とか、もっと厚かましいことをいうと、誰かにとって自分がこの猫ちゃんのような存在であれたらな...とか思いながら読んでたんですよ。そんな存在であれたら自分はとても幸せだな...とね。

★夢をかなえるゾウ(著;水野敬也)左2冊目
帯には「泣けて笑えてためになる」と書かれていた。ほっほ~~。
さら~っと立ち読みしたら、小説というより自己啓蒙の本といった感じ。よくあるでしょ?「こうすればあなたは成功する!!」「こうすればあなたはお金持ちになる」といった、成功者の実体験に基づいて書かれた本は沢山ありますよね。エリーさんも暇な時はよく読みます。ただそれはこの人のように成功したい!!という願望を叶えるが為に読むのではなく(最初はそうなんだけどね...)、読んでいくうちにね、ほら~性根が曲がってるもんで「それ、偶然でしょ...たまたまでしょ」とか思っちゃうんですよ(汗)。まぁ~だったら読むな!!って話だけど....(笑)。だってね、同じ偶然や、同じ運命を、神様は決して用意してないと思うんですよ。だから同じことをしていてもダメでしょ。少なくともそこに書かれていること以外のことをしなきゃ成功はしないよね(爆)。
じゃぁ~この本はどうだ....。もしかしたらモデルケースはあるのかもしれないです。作者がその成功者なのかも..。他の本でいう成功者がこの本でいう所の神様なら....もうね~その神様って~のが「ガネーシャ」というヤツなんですが(笑)、とにかくえっれ~胡散臭い存在なんですよ(笑)。くっだらないくだらない!!なのにそのガネーシャが時々とても真っ当なことを言うの。それが徐々に真実味を帯びてくるというような...。で、気が付けば必死で読んでました。面白いですよ。難しいことを考えずに読んでみて下さい。そうすればこの中でガネーシャが出す課題のうちの幾つかがなんとな~く頭の中に残ります。そしてなんとな~くやってみようかなと思います。ちなみにエリーさんも幾つか実践してます(笑)。まぁ~それで自分が変われるかどうかは私にとってはそれほど重要じゃないんだけどね(爆)。要は書かれていることはとても真っ当で当たり前のことなの。でも当たり前のことなのに、忘れてしまっていることってあるでしょ。だからこれを機に改めて意識的に実践してみよう!!そんな動機ですね。あと偉人達の逸話を読むだけでもある意味ためになりますね。

★医学のたまご(著;海堂 尊)左3冊目
普通の中学生「薫」が、何をトチ狂ったのかひょんなことから日本一の天才中学生となり、東城大学の医学部で世紀の研究に着手する羽目になる...という、文章にすると「マンガやん!!」な話なんだけど...(笑)。中学生が主人公だから仕方ないか(笑)。それも今はやりの横綴りの本だし...(爆)。ただマンガ侮るべからず...比較的内容も充実しているし、面白いですよ。章ごとの一言がなかなかの名言だったりもします。
まぁ~エリーさんの場合、ぶっちゃけ内容云々よりですね(爆)この作品は、ずばり「自分の記憶への挑戦」でしたね(笑)。
作中出てくる登場人物が、以前のシリーズ「ナイチンゲールの沈黙」であったり、「夢見る黄金地球儀」だったり(他もあるかもしれません)に微妙にリンクしてるの。それらを拾っていくという違う楽しみ方もありました。だって思わず...「君、達者でやってるんだ..」と涙しそうだったもの(笑)。

★のぼうの城(著:和田 竜)左4冊
時は戦国....まんま時代小説。エリーさんいちばん苦手とするジャンルです(爆)。だったら何故?
いやぁ~帯にこう書かれていたの「この小説は是非映画化したい。映画監督 犬童一心」と....。ね?ね?犬童さんですよ!!准ちゃんの次回作候補か?なんてよこしまな事を考えるのはバカファンのサガですな(笑)。仕方ないじゃん~~~条件反射で手が伸びちゃうのよ。
がしか~し!!読んで数分でその夢は砕け散りました(笑)。だって~~主人公の侍は「のぼう様」と呼ばれているんだけど、その名の由来は「でくのぼう」の「のぼう」なんだよ?
「ずば抜けて背が高い」...はいダメ!「脂肪がのっているため横幅もある」....はいダメ!!醜男とか書かれてるし...はい論外!論外!!
ただこの中に出てくる丹波という侍は准ちゃんにぴったり。まぁ~年齢設定さえなんとかすれば...の話ですが(笑)。
劇画的なので私でも読める時代物でした。面白いか面白くないかは別問題ですが...。というか犬童さん、これの映画化はやめておいた方がいい!!。相当お金をかけないと絶対に成功しないよ。ただでさえ時代劇は難しいからね(←大きなお世話だろうけど)。

★新世界より(著:貴志 祐介)左5冊目
久しぶりの貴志作品。書き下ろしは3年半ぶりなんだそう。ほ~~最近見なかったですからね。
タイトルが重々しくてエリーさんが好きそうだぞ!!「1000年後の日本。消える子供達」とか書かれてる....むぉ~~益々面白そうだ♪
読後....想像していたのとは全く違ってました。重々しくはないですね。むしろ軽い。エンタメなんだろな。
余談だがこの本って上下巻で3990円もすんの!!4千円じゃんね。間違いなくお値段は相当「重い」です。

★赤朽葉家の伝説(著:桜庭 一樹)左7冊目
祖母・母・私・の三世代を描いた赤朽葉家の女たちのお話。
語り部は私で、千里眼をもつ祖母を中心に書かれた話です。読み応えありましたよ。面白かったです。
なんていうのかな....背景や設定は一見野蛮なんだけど、それがとても上品に描かれていて、文章一つ一つも彼女特有の「品」を持ち合わせているのだけど、それがなんかの拍子にひどく品がなくなるのね。それがなかなか面白かったですね。内容云々よりも、作品そのものの雰囲気を楽しむ本なのかもしれません。あと装丁が非常に綺麗!!(笑)。気に入ってます。

★テロリストのパラソル(著:藤原 伊織)右端文庫
今月唯一の文庫です。珍しいな...今月は一冊しか文庫を読まなかったんだ...。
文庫初版が1998年というから今から10年前の小説ですね。そしてこの小説は、小説史上初の乱歩賞と直木賞のダブル受賞作なんですって。きっと最初で最後になるのかな...。というそんな凄い作品なんだそうな。エリーさん知らなかったな~(汗)。
内容は....うん、あっと驚くどんでん返しも意外性も用意されていて、とても面白かったです。ただ時代背景がなんせ数十年前でしょ。発端は主人公が学生運動真っ只中の学生時代だしだったりで、思想なんかがなかなか掴めなかったりしたのが残念だったかな。
多くの男の人が「男のロマン」を背負ってる男性(主人公)をセオリー通りに描いたらこうなった....という感じ(笑)。だからという訳じゃないけど、登場人物が女性のあたしから見ると....ち~っとクサイ(笑)。現実的じゃないのよね。
余談ですが、最近「テロリスト」という文字に、無意識に反応してしまいます(笑)。この小説もそうでした(笑)。SPの影響なんだろな...あはは(笑)。

おっと~やけに長くなってしまいました。最後まで読んでくれてありがとうございました。ではでは「本の話」はまた来月頭にお会いしましょう♪

一月期本の話

2008年02月03日 | 読書
今日は読書のお話。最初から最後まで読書オンリーなので興味のない方はごめんなさいね。

エリーさんは一ヶ月に大体10冊前後の小説を読んでます。多いときは月20冊くらいに跳ね上がったりもします。去年がそうだったな....(笑)。なんせ色々あってね、その場を離れられない所謂「待ち」というのが多い一年だったんです。結局、昨年末にこの一年で読んだ小説の類だけを数えてみたら200冊を超えてしまってました(汗)。この数は学生の時以来です...。
あと、それに仕事関連の本と実用書類とでそれぞれ月2~3冊が加わり実質月15冊程度になるでしょうか...。
さて、前置きはこれくらいで....今日は1月にエリーさんが読んだ本の中から何冊かを紹介したいと思いま~す♪いちお予定では恒例にしていきたいのですが...(汗)
ちなみに写真は一月期に読んだ小説ですね。ご覧の通り一貫性の無いラインナップなのですよ...あはは(笑)。なんせジャケ買い王ですから(笑)。

★ゴールデンスランバー(著:伊坂幸太郎)写真一番左
簡単に内容を説明すると「首相暗殺の罪を着せられた主人公の逃亡劇」ですね。ただ設定はよくある冤罪から逃れるための逃亡劇には終始しておらず、主人公をケネディ暗殺の首謀者にまんまと仕立てられたあのオズワルドに重ねている所がシュールで読み応えがあるのです。そうかと思えばスピード感もあり、ハラハラドキドキな動きのあるストーリーなので、エンタメな部分も決して放棄してない。重い内容なのにすらすら~と読めちゃうのは伊坂作品の特徴ですね。
あと登場人物が良いんだ。主人公もさることながら味方側の脇役達がものごっつ良い。ちなみにエリーさんは主人公の父ちゃんと元カノにグッときました。最後くるよ~エリーさんはきました(笑)。
やぁ~これ映像化に向いてるだろうね。向いてるどころか、恐らく近いうちに映画化があるね(笑)。伊坂作品の映画化がここ最近加速してるから尚更そう。その時は是非准ちゃん起用で♪
まぁ~でもついこの間まで対極にいる役(SP)をやっちゃってたから流石に無理かしら。イメージ操作は難しいです(爆)。

★私の男(著:桜庭一樹)写真左から二番目
言わずとしれた前回(138回)の直木賞作品です。
賞レースに絡んでる作品は比較的無条件に読んでます。直木賞と芥川賞は正にそうで、私みたいに無条件に読んでいるという方も多いのでは?あと最近は「本屋大賞」も外れがほとんど無く面白いね(笑)。
がしか~し!!直木賞が発表になっても、どうにもこうにもこの作品は食指が動かなくてね...。そもそも発売当初からやったら存在感があったの。だって本屋に行く度にずっとエリーさんを威圧してきてたんだよね(謎)。「買え~~買えよ~~」って(笑)。なもんでいちお買ってはいたんだけど、読むのが先送りになっていた本です。それをこの間やっと読んだというなんとも情けない話なんですが...(汗)。
だってね...このタイトルどうよ?凄いよね(汗)。装丁もまんま「それ」らしいんだ。内容もやっぱり「それ」でした(謎)。ひと言でいうと「それ」の正体は「近親相姦」です。ね?もうこれだけで引くよね(笑)。
ただ内容云々よりも、読んでいる間この本が放つ吐息のような何とも言えない息遣いにずっと圧倒されていたというとても奇妙な本でした。読み進んでいくうちに部屋中がじっとりしてきます。湿度が確実に高くなる。身体が重くなるの。身体が沈んでいくのが分かりますよ。一度体感してみて下さい。
それにしても...かつてライノベの女王と言われていた方が、今じゃ直木賞なんですね。桜庭さんの軽い(軽すぎる?)話と重い(重すぎる?)話の温度差にはいつも驚かされます。性をテーマにしているせいでしょうか...。まるで乙一作品でいうところの「白乙一」と「黒乙一」みたいね。

★東京奇譚集(著:村上春樹)写真文庫一番左
過去作者に起こった「不思議な出来事」について書かれた作品がこれです。全て実話です。
テーマは「運命」でいいのかな...。どの場所もどの人も必ず何処かで誰かと繋がっていて、世の中には純然たる「偶然」などなく、それは全て「必然」なんだ...というのを私はこの本で感じ取りました。私がそう感じただけですよ。「そんな事があるもんなんだ~」と単純に感じるだけでも良いと思います。なんせこの本では、人生を変えた不思議な出来事の方ではなく、とるに足りない出来事の方を作者は敢えて選んでいますから、作者が期待する読後の感想は後者なんでしょう。
凄く心に残る作品!!という訳じゃないけど、今まで何げに過ごしていた日常に、自分では気付いていない何か大切なモノがあるのかも...それに気付くキッカケを作ってくれた作品でした。

長くなったので他は一行感想(笑)
★黒い森(著」折原一)
まず装丁に驚かされた。ミステリーなんだけど表(生存者側)から読んでも裏(殺人者側)から読んでもよく、丁度真ん中に袋とじで解決編があるという構造なんだ。もうこんな小細工をしないと本も売れないのか..とちょっと哀しくなるね(涙)。内容は....こんなに凝るなら内容を充実させろ!かな?(笑)

★摂氏零度の少女(著:新堂冬樹)
気味の悪い作品(爆)。実の母親に毒薬タミフルを飲ませ続けた少女の事件が去年あったでしょ。あれのクライムノベルです。そう言えば、実話をあれやこれや脚色してフィクションにしている様は、同著の「砂漠の薔薇」と同じですね。そしてどちら報道で流れている事以外は真実が知らされていないので、最後がどうしても尻切れになっちゃうんだよね。なら解決していな題材を何故作者は選ぶのか...(悩)。

★女王国の城(著:有栖川有栖)
江神シリーズ第4弾。いつもそうだけど装丁がやったら綺麗でついつい手が出てしまう作品。でも読んでみると...とにかく...長い!!(爆)長いしくどい(笑)。それでも癖になっちゃうんだよね~この人の作品は(笑)。

★あの空をおぼえている(著:ジェネット・リー・ケアリー)
癒し系...でいいのかしら(汗)。

★硝子のハンマー(著」貴志祐介)
普通に面白かったですね。きっとシリーズ化していくんでしょう。

★彼女について知ることすべて(著:佐藤正午)
・・・・・・・よう分からん(爆)。だから何?を何度言った事か(笑)

★ダイイン・アイ(著:東野圭吾)
東野作品とは10年くらい付き合いになります。本屋さんで売られてる彼の作品は全て読んでます。そんな中で初めての外れ作品ですね。ある意味貴重(爆)。