gooブログはじめました!

健康的食生活のための情報を発信です。
1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[蛋白加水分解物] 食生活について語ろう

2020年01月31日 | 美容ダイエット

・蛋白加水分解物Protein hydrolysate/Protein hydrolysate たんぱくかすいぶんかいぶつ
加工食品の袋の裏面(りめん)の原材料名表示の中に蛋白加水分解物の表記がみられています。醤油、漬物、餃子、ソーセージ、味噌汁、かまぼこ、ハンバーグ、カレー、即席麺などのあらゆる加工食品に使用しています。 様々なアミノ酸を主成分とし、加工食品の調味目的で使用されるものですが、分類上は「食品」で、たんぱく加水分解物」は、「加水分解」という比較的単純な加工で製造されることなどから、添加物ではなく、食品に分類しています。アミノ酸の一種であるグルタミン酸ナトリウムは食品添加物の調味料です。
大豆・とうもろこし・小麦等のたん白質を、ペプチド、アミノ酸レベルまで分解すると、うま味やコク味を持った素材となります。蛋白加水分解物はこの性質を利用し調味料としたもので、長期間保存、加熱耐性が高いなどで活用しています。1908年に日本の化学者によって昆布から発見されたMSG(Monosodium glutamate:グルタミン酸ソーダ:味の素)があります。
 
たん白加水分解物の製造・利用の技術は主に、醤油製造に多く用いています。最近は各種食品がますます多様化する中で、加工食品の調味素材としての用途が拡大し、醤油・たれ・漬物・ソース・佃煮・惣菜・水産加工と幅広い分野で、おいしさの決め手である「うま味」や「コク味」のコストが安価であり活用が広がっています。植物性たん白質由来では大豆・とうもろこし・小麦等が原料で、後味とは逆のいわゆる「先味」が強くなり、食品をパンチのある味、シャープな味に仕上がるといわれます。
動物性たん白質由来ではゼラチンなどの動物性のたん白質が原料で、食品のまろやかさ、濃厚さを引き立たせています。
うま味調味料としても使われるアミノ酸混合物で動物性のHAP[Hydrolyzed animal Protein]・植物性のHVP[Hydrolyzed Vegetable Protein]があります。食品衛生法では指定がありませんが、JAS法では表示を1970年代後半より義務化しています。
製造方法は、
1)塩酸分解法 動物・植物由来のタンパク質を塩酸を使って加水分解する。
2)酵素分解法 タンパク質をプロテアーゼなどの酵素で分解する。
3)熱水抽出法 タンパク質を熱水で煮る。
などで動物・植物由来のタンパク質を塩酸、酵素で加水分解して得られ原料のタンパク質は、雑肉、骨、大豆の油を絞った残りカス(工業的副生産物)等が多く使われています。塩酸分解法では、現在発癌性物質と疑われているクロロプロパノール類Chloro propanols 3-モノクロロプロパン-1,2-ジオール (3-MCPD)、1,3-ジクロロプロパノール (1,3-DCP) などが少量生成する場合があることが知られています。 塩酸で分解するものでは、安価で、また高度に分解することができ、よい旨味が得られますが、塩酸と油脂成分との反応により、有害なクロロヒドリンChlorohydrinや変異原性物質の生成の恐れがあり、微量ながらも発がん性物質を生成しているとして安全性が疑われています。
 そこで酵素や麹を用いた蛋白質の分解方法ですが、多くは小麦による植物性蛋白質でアミノ酸まで完全に分解できる割合が高く高度に分解したものでは醤油を商品化しています。
動物性蛋白質は、酵素を用いた蛋白質分解法は現時点では高度に分解することはまだ困難で動物性たんぱく質から酵素で分解された調味料は少なく技術的にまだ確立されていないようです。コスト等の理由により塩酸分解法がいまでも主流ですが、酵素分解法による製造法が徐々におこなわれています。最近では、牛乳や魚に含まれる動物性のたんぱく質を酵素で分解したものから、血圧や血糖値を下げる作用をもつペプチドが見つかっています。
醤油の原材料にたんぱく加水分解物の使用ですが日本と米国は業界の自主規制値として1ppm(1mg/kg)を設定しています。一方、EUでは醤油に対して法的に、たんぱく加水分解物を0.02ppm(0.02mg/kg)を基準としています。
グルタミン酸ナトリウム(MSG:Monosodium glutamate)と同様の存在であり食品に調味、風味づけをするために加える調味料です。スナック、ポテトチップ、ウェハースなどの菓子類、麺類、冷凍焼きおにぎり、ソース、スープ、カツレツ、ハム、ソーセージなどの調味材料としても使用します。
 エキス系は、肉片、コンビーフ、水産缶詰などの製造時の煮汁、骨、野菜など天然の原材料を熱水で抽出、濃縮したものです。鰹エキス、チキンエキス、ビーフエキス、ポークエキスなどがあります。
 
化学調味料は昆布の旨み成分として明治41年(1908年)池田早苗博士によって発見、分離されたのが始まりといわれ現在では旨み調味料ともいわれています。アミノ酸のグルタミン酸ナトリウムの製法は、現在では、糖質、でん粉、酢酸を主成分とした発酵法が主流で、小麦、脱脂大豆を原料とし抽出法(加水分解法)、L-グルタミン酸を合成しD-グルタミン酸を分割、L-グルタミン酸を中和し製造する方法などもあります。植物性・動物性たん白質から発酵法、加水分解、抽出法で製造し天然とも取れますが、加水分解法の塩酸での処理では安全性が疑問視されます。味の素の類が一時期に化学調味料ともいわれていますが、現在では旨み調味料という言い方もされています。発見当初は、昆布より発見されたものでしたが、その後には石油を原料とた時期があり有害説がささやかれていました。近年は、サトウキビ、トウモロコシなどから微生物、酵母などを利用し発酵法によって製造しているようです。風味調味料といわれるものは、基本調味料(食塩、香辛料)、発酵調味料(醤油)、天然調味料(エキス、HVP)、旨み調味料(グルタミン酸ナトリウム、核酸系調味料、コハク酸ナトリウム)を必要に応じて混合して加工食品に用いられています。単に嗜好を満足させるだけでなく、魚肉、畜鳥肉の生臭さの軽減、抑制に役立っています。
 
即席中華麺の原材料名を記載してみました。
油揚げ麺(小麦粉・植物油脂・食塩)、食塩、粉末味噌、糖類、ごま、野菜エキス、香辛料、たん白加水分解物、乾燥ネギ、チキンエキス、調味料(アミノ酸等)、着色料(カラメル・クチナシ)、かんすい、酸味料、酸化防止剤(V.E)、(原材料の一部に乳成分、ゼラチンを含む)
となりました。
たん白加水分解物と調味料(アミノ酸等)との違いは何なのでしょうか。野菜エキス、チキンエキスは、以前は廃棄処分していたそのままでは市販できないものから製造しています。資源の有効活用からいけば好ましいことです。こんなにもいろいろの調味料が使われて、本当は美味しいはずなのでしょうが私には自家製のラーメンの方が一番美味しいように感じます。複雑な味で、昔懐かしい味が消されている調味料としか思えません。安価な漬物でしたが、減塩で食塩の使い方が少ない代わりに、保存料、調味液が使われ、購入して、やはり自家製の漬物の方がおいしいと感じています。野菜本来の旨みが全然感じられず、添加された調味料の味だけが変に舌に強く感じられました。
  天然調味料としているアミノ酸系では、塩酸によって加水分解したものが多く市場にでているようですが天然といわれていても製造の仕方によって有害物質を作り出していることもあります。分類方法は、入り乱れています。
加工食品の中には、多数の調味料が数多く使われていますが、それだけ味付けは人の味覚にあった味付けになっているのでしょうか。家庭では、シンプルにあさりだけの潮(うしお)汁、豚肉だけのラーメン汁、コーヒー豆だけのコーヒー、天然ダシ(しいたけ・削り節・昆布の粉末)だけの煮物のほうが、市販のものよりおいしく感じられるのは私だけでしょうか。
数え切れないばかりの調味料が使われていても美味しさの感じられない加工食品が多数あります。安心して、価格を気にすることなく毎日の食事は、家庭料理に勝るものはないのが現状ではないでしょうか。
 調味料によっては、生鮮食品のもつ旨みを殺してしまうこともあります。人以外の多くの動物は、生鮮のものを餌として生きながらえています。人も刺身、生野菜サラダなどで生鮮の美味しさも知っています。
 
うまみを増すために用いられるようになった蛋白加水分解物調味料ですが、食材の持ち味を損なわないよう、安全性の実証される健康維持のための調味料であってほしいものです。
 
 
 
 
 
ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。
 

この記事についてブログを書く
« [平貝] 食生活について語ろう | トップ | [伊予柑] 食生活について語ろう »

美容ダイエット」カテゴリの最新記事