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[燻製] 食生活について語ろう

2020年05月15日 | 美容ダイエット

・燻製Smoking くんせい

     燻煙にすると食味、保存性が良くなることから古くより行われてきました。人が地球に現れたのは旧石器時代(260万年前から1万年前)です。三時代に区分し前期旧石器時代(約260万~15万年前)は猿人や原人、中期旧石器時代(15万~3万5000年前)は旧人、後期旧石器時代(約3万5000~1万年前)は新人の段階に、それぞれ当てられています。
火を使うようになって同時期に燻煙の方法が自然に取リ入れられるようになっていったのです。
肉や魚などを火であぶり、焚き火から立ち上る煙にさらされると保存性とともに味に変化が出て良くなることを経験的に知ることとなりました。 当初の製品は、燻(いぶ)すだけでは食味はあまりよくなかったと考えられています。
食味の良い燻製品が出来上がっていく経緯について触れてみることと致しました。 
燻製の歴史は古く、人類が火を使い始めた50万年前ころとほぼ同じ時期に生まれたと考えられています。カミナリが落ちておこる山火事、火山の爆発を見てからではないかと言われます。 今からおよそ13,000年前の石器時代には、燻製の原型とも言える調理法がおこなわれています。
石器時代では石を加工し斧ややじりなどのさまざまな生活道具をその石を利用して作っていた時代です。動物の狩りがおこなわれ、肉や魚などの食材の食べ切れなかったものを長期保存として燻(いぶ)すことも良いことを知っていったのではないでしょうか。

ただ今のような美味しい燻製が作られるようになったのは、それから随分後のことになります。
はじめは狩りで残った肉や魚を天日に干し乾燥させただけのことから火を使うことを覚え、まもなく、炎から出る煙によって乾燥、燻煙することによっても現在ほど美味しいものでなかったかもしれませんが食材の保存が可能になることを知っていったと思われます。
 燻煙の際の煙には、保存性を高める有効成分が含まれます。フェノール化合物(アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドなど)やカルボニル化合物、有機酸などです。食材をいぶす程度の燻煙です。
フェノール類は殺菌剤・防腐剤となります。カルボニル化合物は油脂の酸化生成物で保存性を高めています。乾燥・燻煙により隣り合ったタンパク質の分子鎖をつなぎ合わせ、その物質を硬くして、タンパク質の分子を不活性化します。
煙が目に染みるのは、発生するホルムアルデヒドによりますが細菌除去と、燻製特有の香りと色合いをつけているのです。有機酸も抗菌作用があり腐敗防止に役立っています。

燻製は進化を続けています。当初の燻製より比較し今では美味しく食べられています。美味しく食べられるようになった、きっかけは2000年ほど前のドイツのゲルマン民族で彼らが煙を利用した燻製と食材を塩に漬けた塩漬けを組み合わせる事によって、現代に近い燻製を作り上げたのです。
さらにスパイスを加えることによって、現代の燻製にたどり着いています。
◇ベーコン
 ベーコンとは、豚のバラ肉を塩漬けにし、その塩を抜いたあと燻製にしたものです。ドイツでは、非加熱がベーコンの標準で、加熱した物はハムに分類しています。
 ベーコンの発祥は紀元前数世紀頃のデンマークと言われています。当時、長い航海用に豚肉の塩漬けを利用し、それを火であぶって貯蔵していました。その時、薪が湿っていたために煙で燻された状態になった豚肉が、より美味しく、より長く保存出来る事を知ったのです。
この塩漬け豚肉を煙で燻したものが現在のベーコンの原型です。
 ベーコンの名前の由来は、イギリスのフランシス・ベーコンが船舶用の食料として塩漬け豚肉の燻製品を大量に調達するよう命じたことによることと言われています。艦隊にトン単位でベーコンを積み込んでいたといわれ、日本には幕末頃に伝来しています。

◇生ハム
 家畜の飼育とほぼ同じ時期に誕生したとみられており、その時代は紀元前約7000年ごろです。生ハムは、豚のもも肉を塩で漬けて燻製したものと、燻製せずに塩で漬けて乾燥させたものの2通りがあります。
ドイツ式の生ハム(ラックスハム)は燻製して作る生ハムで、塩漬けにした豚肉を燻製して作ります。ラックスとはドイツ語で「鮭」のことを言い、その名の通りラックスハムの色は鮭のような鮮やかな赤い色をしています。
イタリア式のプロシュット・クルードProsciutto・crudo 、スペイン式の「ハモン・セラーノJamon・serranoは燻製せず作る生ハムです。 生ハムの作業行程は塩漬け・乾燥・低温熟成の過程がありその期間には250~600日にも及ぶものです。
生ハムメロンはメロンの甘味が生ハムの塩辛さを和らげ、またメロンの甘味も引き立ててくれることから作られた食べ方だといいます。他に生ハムイチジクと強い塩分の食材を和らげるための組み合わせだったのです。

◇ソーセージSausage
 メソポタミア地方では、5000年ほど前にシュメール人が豚の腸に、混ぜ合わせた生肉を詰めてソーセージを作ったと言う説があります。 
ソーセージの語源には、古代ドイツ語で豚という意味の「Sau」、ほろ苦い香辛料という意味の「Sage」という言葉を合わせ「Sausage」と、ラテン語のsalsus(塩づけの)言葉から、ソルト(塩)、セージ(香辛料)が一緒になっていわれているという説があります。
 ソーセージにはセージ・胡椒・メース・ナツメグ・コリアンダーなどがよく使われます。香辛料の種類や量によって様々な味を生み出して調味し腸詰燻製した加工食品です。

◇ジャーキーJerky
 ジャーキーは、さまざまの肉で馬肉、豚肉、カンガルーやワニの肉などが使われますが、主に出回っているのは牛肉のビーフジャーキーです。
インディアンによって作られていたものでバッファローBuffalo(ウシ科:アメリカバイソン、野生にいる牛)などを追いながら生活していたインディアンにとっては、持ち運びやすく保存性の高い燻製は便利な食材です。
  塩、香辛料を加えてある調味液に漬け、天日で干しそれを燻製したものをスモークジャーキーと言います。調味液漬けにしたのち塩抜きし、その後乾燥、燻煙にしたものです。単なる天日干しするとより保存性がより高くなります。

◇スモークサーモン
 しっかりと塩漬けしたのちに塩抜き、乾燥をした後に20℃前後の低温で長い時間を掛けて燻煙しています。

◇鰹節
 脂質1%程度のカツオの頭、内臓、腹肉を除き3枚におろし、雄節、雌節、あるいは左右一本の亀節をつくります。煮熟し油抜き、その後燻煙、乾燥を10回前後繰り返し行ない整形して作られています。
おろした鰹に塩をし楢、柏、樫、クヌギのようなヤニの少ないオガクズ又は木片で緩(ゆる)やかにいぶし色と香気付けします。 
温燻90℃以下の70~80℃で4~5時間かけ水分量が60-70%でやわらかい仕上がりとなります。冷燻40℃以下で5日間穂と燻煙し水分量が45-55%となり固く締まった貯蔵性が高いものに仕上がります。
硬燻、軟燻の別があります。 
 古事記(712年)に「堅魚」の記載があり、これは鰹節のこといわれています。鰹節は戦国時代に梅干・干し飯とともに携帯食品でした。鰹節の燻製する手法は1674年で紀州の甚太郎という人物が、のちに、1758年に土佐の与市の改良により現在に近い鰹節の燻煙法にたどりついています。
勝男武士としても縁起もので用いられます。
  
◇いぶりがっこ
 秋田県では漬物として使う干し大根が凍ってしまうのを防ぐために、大根を囲炉裏の上に吊るして燻し、米ぬかで漬け込んだ雪国秋田の伝統的な漬物です。「いぶり」は煙が出る様子の「燻り」、「がっこ」は秋田弁で漬け物のことを意味します。
燻製の味を楽しむことが出来ます。

 
 燻製品は蓄肉、魚介類、チーズでおこなわれ蓄肉(ハム、ベーコン)、鶏肉、卵、鮭、鰊、鰯、イカ、たこ、牡蠣、チーズなどで主におこなっています。 
先人の知恵である煙で燻すだけの燻煙法に加え、ヨーロッパの人々の間では、さまざまな香辛料によって肉や魚の臭みを消す調理法を模索していました。人々は、ありとあらゆるスパイス探しをはじめ、世界中を航海し、当時ではスパイスは金銀財宝と同等の価値があるものとして取引が行われています。 
ヨーロッパでは燻煙に加えゲルマン民族の塩づけ法、さらにはヨーロッパ人のスパイスの発見が現在の燻製が作られるに至っています。
まさに燻製は世界各地の英知と工夫が詰まった調理法の融合とも呼べる食べ物となっていったのです。

 


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