湯めぐりシリーズNo.87
平成20年10月4日(土)~5日(日)
山の家 奥美利河温泉 瀬棚郡今金町字美利河352番 01378-3-7111(クワプラザピリカ)
泉 質 単純泉(弱アルカリ性低張性温泉)成分総量0.285g/kg
泉 温 37.8℃ 無色澄明、無味、無臭 Ph値7.6
適 応 症 リウマチ性疾患、運動障害、神経麻痺、疲労回復など
宿泊料金 ¥5,500 冬季間は閉鎖 全四室 ほかにバンガロー大小2棟
国道5号線を国縫から北桧山・瀬棚方面へ進み、ピリカダムの手前を右折し、ピリカ旧石器文化館を
右手に曲って、川沿いに9キロほど進むと野趣あふれる秘湯がある。
ヒバ、カラマツ材を用いたログハウス風の宿泊棟は、昭和61年再新築された。
白川郷や飛騨高山の合掌造りを基礎高にしたような外容だ。
少し下がったところにある入浴棟の露天風呂からこの棟を見上げると、薄黒く,くすんだ板張りの
外壁に西日が映えている。
この湯泉は、いままで自分が探し求めていた趣に合っていて、山奥の宿だからこそ馴染む不思議な
感覚だ。
お湯は、尖った心を癒し、冷めた気持ちを暖めるメンタルケアーに最適である。
切り立った崖のふもとにある二つの祠から大量に湧出してくる源泉はあくまでも透明で、奇岩を伝って
湯船に流れ込み、同量が横の小川へと流出していく。
槽底に敷き詰められた玉砂利が日差しを浴びて、湯面が揺れている。
内湯に漂う木の香もまた格別な雰囲気だ。
ぬるめのお湯に小一時間も浸かって温泉浴を・・・、四方が山に囲まれている処に自生する自然林で
森林浴を・・・、真夏には露天風呂の奥まったところに敷き詰められた砂利の上での日光浴をも・・・
同時に楽しめる。
このお湯は、湯当たりや湯冷めもなく、発汗もないが、後からじんわりと温まってくる。
照明は自家発電、テレビや電話も不通で、もちろん携帯も圏外だ。
しかし、トイレは水洗で、オール木調の館内はいたって清潔である。
就寝前に30分ほど寝湯を楽しんだが、夜空を眺めるとキラ星が瞬いている。
上流へと遡るほど大河の水は清さを増すが、源流のその一滴を極めた思いだ。
宿泊の申し込みはクワプラザピリカで受けており、料理もそこから配達されてくるが、揚げ物や、
焼き物などは1階にある調理室で行っている。
スタッフの飾り気のない対応がまた好い。
帰路、開通まもない倶知安~赤井川線を走行したが、山々の紅葉がまばゆい。
車窓に目をやりながら話すことは、この湯宿の再訪のことばかりだ。
総走行距離470キロ。
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