積水側と数年前から面識 「仲介役」男、地面師が勧誘
被疑者達は恐らく詐欺人生で最多額の仕事をしたと思うが
もし、そうであれば、この事件で引退し、更に逃げ切る自信が有るはずだが
警察は逮捕起訴する事ができるのだろうか?
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住宅大手の積水ハウス(大阪市)が約55億円の被害に遭った東京都内の土地取引をめぐる地面師事件で、積水側との交渉窓口になり、地面師グループの「仲介役」だったとされる男が、積水ハウスの担当社員と事件の数年前から知り合いだったことが21日、関係者への取材で分かった。グループ主導役らが、他の不動産業者らとの売却交渉の不調が続く中で、男と社員の関係に目をつけ、仲間に引き入れた疑いがある。警視庁捜査2課は犯行計画の全容解明を進める。
■食事会で知り合う
関係者によると、東京都渋谷区恵比寿、会社役員、生田剛容疑者(46)=偽造有印私文書行使容疑などで逮捕=は平成29年3月末、積水ハウスの男性社員に品川区西五反田の旅館跡地(約2千平方メートル)の土地売却話を持ちかけた。
売却の構図は、生田容疑者が所有者から土地を60億円で買い取った上で積水側に70億円で転売する-というもの。この打診が事件のきっかけになったという。
この社員と生田容疑者は26~27年ごろ、芸能プロダクション社長の自宅で開かれた食事会で知り合った。
食事会には芸能関係者や弁護士らのほか、建築士などの不動産関係者も出席。マンション用地の買収にかかわる部署に在籍していた社員にとって、食事会は物件情報の収集場所にもなっていたという。
食事会は定期的に開催され、逮捕時に生田容疑者と同居していた近藤久美容疑者(35)が、社員に手料理をふるまうこともあったとされる。
■犯行計画失敗続き
一方で、事件の舞台となった土地をめぐっては、本来の女性所有者が知人らに水面下で売却の意向を示していたとされる。地面師グループの主導役の一人とされ、別の地面師事件で収監中の男(65)らは、不動産関係者の間で出回っていた女性や物件の情報を利用、28年9月ごろから犯行計画を進めていた。
グループ側は積水ハウスに接触するまでの約半年間、都内の複数の不動産業者に売却話を持ち込んでいた。だが、「いずれも業者側が地面師詐欺の可能性を疑うなどして失敗に終わった」(業界関係者)という。土地の購入に伴い、多額の資金を支払うことになる相手を信用させるのは容易ではないためだ。
地面師事件では、だます対象と接触し、契約に至るまでの交渉を担う役回りが欠かせないことから、グループは地面師詐欺を仕掛ける相手を探す過程で、積水ハウスの担当社員と知り合いだった生田容疑者に目を付け、仲間に引き入れた可能性がある。
■永田町のビルで?
生田容疑者は他のメンバーが偽名を使う中、実名で積水ハウスとの交渉を進めた。29年4月上旬には、自身が経営する会社を介して土地を転売するという契約の締結を決定。だが、生田容疑者は契約直前になって、「節税のため」として仲介会社の変更を積水ハウスに提案した。
2つの会社名称は酷似しており、積水側は提案を了承。変更された新たな仲介会社の代表は近藤容疑者が務めており、後に休眠状態だったことが判明した。事件後に積水ハウスから追及を逃れるため、実体のない会社に変更した可能性がある。
登記簿によると、この仲介会社の当時の本店所在地は、元代議士が事務所にしている千代田区永田町のビル一室にあり、役員の1人として元代議士の家族の名前が記載されていた。産経新聞の取材に、元代議士は「家族の知り合いだった近藤容疑者から事務所関係者が頼まれ、名前を使われた。会社のやったことは全く知らない」と話す。
一方、捜査関係者は「この部屋は不動産ブローカーが多数出入りすることで有名だった」と指摘、ここで地面師グループ側と生田容疑者が接点を持った可能性があるとの見方を示した。
10人を超す地面師グループが手にしたとされる約55億円のうち、生田容疑者側が得たのは10億円以上とみられる。事情に詳しい暴力団関係者は「地面師が案件を仕掛けても、警戒されてほとんどが破談になる。だます相手と知り合いであるケースはきわめて珍しく、事前の面識の有無が犯行の成否を分けたのだろう」と話した。
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