夕方,仕事場で顕微鏡を覗いているところにアキラが何やらニコニコしながら入ってきた。そして,ハイ,お手紙!といって大きな画用紙を差し出した。見れば,昨日と同じ象形文字で画用紙いっぱいに次のように書かれていた。
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おとーさんえ おとーさんいつもおしごとありがとー こんどいい . . . 本文を読む
夕食後,アキラが「お手紙」を書いていた。鉛筆を使って画用紙いっぱいに,まるで象形文字のような字をのたくらせながら,あちこちで字を間違えてグチャグチャ消して書き直したりしながら,それでも真剣に根気よく一生懸命になって書いていた。それは風邪で熱を出して二階で寝ているタカシへのお手紙である。昨年の暮れ,幼児園のフクダ先生へのお手紙が書けずにオーイオイオイと泣いていたアキラが,それからほんの1月後にはこ . . . 本文を読む
最近のアキラは「輪ゴム」がお気に入りだ。
手持ちぶさたのときなど,しばしば,その小さな手の指に輪ゴムを何本か絡ませながらモテアソンデいる。気が向くと壁に向かって「ゴム飛ばし」をやる。両手の指に複雑に絡めてヘンテコリンな格好を作り「ゴム占い」などをやる(父にはそのルールがよく判らないんだけれども)。
さらに興に乗ると,輪ゴムを次々につないで大きな「ワッカ」を作り始める。先日など,仕事場に入 . . . 本文を読む
夜,アキラが何やら御機嫌ナナメの様子だった。やたらと母に対してカランデいる。さて,どうしたのかなと傍らで成り行きを仔細に観察してみれば,おおむね次のような事情であった。
アキラは大好きなフクダ先生に「お手紙」を出したいらしい。一昨日,幼児園でクリスマス・プレゼントにもらったバドミントンが上手に出来るようになったよ!ということを,先生に一刻も早く伝えたいらしい。それは恐らく年賀状でも普通の手紙 . . . 本文を読む
最近アキラは,夜になると「ねぇ,ママ。今日の人生,何色?」なんてことを母に向かって尋ねる。一日の終わりに改めて今日の出来事を振り返るわけであります。自省のココロ,敬虔なる祈り。明日への遺言。それにしてもこれは一体どこから仕入れてきたネタだろうか。幼児園か,それともTVか,あるいは絵本か何かかな?
問いただされたママが一寸答えを躊躇していると,アキラが続けて言う。
「ボクねぇ,真っ黒! 黒 . . . 本文を読む
アキラはバランスが悪い。より正確に言えば日常生活における身体動作の「バランス感覚」がすこぶるよろしくない。
例えば,屋外で楽しそうに走っていて障害物もないところで急に転んだり,普通に道を歩いている場合でも他人とすれ違うときに意図せずに接触したり或いはモロにぶつかったり。また,家の中にあっても,階段を急いで上る際に壁に頭をゴッチンしたり,扉ノブをグリグリさわって遊んでいるうちに手が滑って思いっ . . . 本文を読む
先日,アキラが「オトウシャン,これあげる!」といって,こんなものを父に差し出した。
ん?何ジャラホイ?と尋ねれば,《携帯用ティッシュペーパー入れ》だという。改めてそう言われてみれば,確かに紛れもなくそのような形をしている。「でもティッシュは1枚しか入らないから,1回使ったらまた詰めるんだよ!」と念をおされた。ハァ,ナルホドね。アキラとしては,多少は利便性が損なわれたとしても,あくまでコン . . . 本文を読む
タカシの「オドーサーン」に関連して申し添えると,アキラはオトウサンのことをオトーシャーンという。恐らく幼児園では,先生のことをシェンシェー!と呼んでいるに違いない。
当方,音声学あるいは発声学に関する知識などは皆無につき以下は勝手な憶測であるが,このような言い方はいわゆる幼児語の遺存(すなわち発声器官の構造的未発達)に由来するものなのだろうか。あるいは,単なる発声法における当人の積極的な独自 . . . 本文を読む
長くて暑い8月が終わり,やっと新学期になった。この夏,アキラは全国各地いろんなところに出掛けた。北海道旅行のことは既に別セクションにてその一端を記しておいたが,他にも,愛知県のジーチャン・バーチャンのところには1週間ほど里帰りしてタップリ遊んできたし,「特急踊り子」に乗って静岡県は伊豆・下田の海中水族館の見物にも出掛けたし,そして8月末には,幼児園の年長さんの恒例行事として箱根に1泊2日「林間保 . . . 本文を読む
最近アキラの性格がタカシに似てきたようだ。
例えば,父が久しぶりにN64『ゼルダの伝説ムジュラの仮面』をやっているときなど,横に座ってその様子をじっと眺めているアキラは,時折父のコントローラー操作がおぼつかなくなったりすると,「そうじゃないよ,アッチだよ!ちがうったら,もう!」とか何とか,かなりアカラサマにブツブツ文句を投げつける。『時のオカリナ』をやっていた頃に比べると現在では我が家の「ゲ . . . 本文を読む
アキラは最近ゲージツに目覚めたらしい。先週,父は出張で3日間ほど家を留守にしたのだが,帰ってみると居間のTVの上に何やら大きめの紙くずのようなものが置いてあるのに気が付いた。聞けば,それはアキラが作った「ハエ取りボックス」なる作品だそうだ(写真参照)。念のため説明すると,クシャクシャに丸めた紙の一部に穴,というか僅かな隙間があいている。そして内部は空洞になっており,中に「ペッタンテープ」((c . . . 本文を読む
現在,アキラはN64ソフト「星のカービイ64」が欲しくて欲しくてたまらないようだ。カービイの「攻略本」については例によって大分以前に購入済みで,その後の日々の精進により,その中身に関してもかなり読破しているようだが,かんじんのソフトを持ってないというのは致命的である(でもないのかな?)
ソフトが買えないのは,ズバリ,アキラがお金を持っていないから。より正確に言うと,貯蓄観念ゼロのアキラには, . . . 本文を読む
夕方,アキラが例によって父の仕事部屋に突然闖入してきて,何やら勝手にデスク周辺をゴソゴソと探りはじめた。相変わらずコマッタ子である。何か探してるの?と一応問うてみれば,引き出しの中の付箋紙を指さして「これ,これが欲しいんだけど」と答えた。それも出来るだけいっぱい欲しいという。何でも『ゼルダの本』の中で印を付けておきたい箇所が沢山あるんだそうだ。
そうかそうか。じゃあ,古いヤツならいいよ。と . . . 本文を読む